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自分のエゴで支援していないか

こんにちは。社会福祉士、精神保健福祉士のぽこです。


◇雑談

先日、久しぶりに実家に泊まりました。
自分の家にいるとどうしても「勉強しなきゃ」「本を読まなくちゃ」と1分たりともぼーっとする時間を作ることができません。
勉強道具も持たずに実家に行ったらどうなるかな?と、お寺でリトリートする気分で実家に泊まらせてもらいました。
勉強系チャンネルの発信を見ずに、会話を楽しみながら食べる食事。
スマホも本も持ち込まないお風呂時間。
問題集を見ながらドライヤーするのではなく、実家で飼っているペットのカメのハッピーダンス(お腹が空いている時の動きのことをこうなづけています)を眺めながらぼんやり髪を乾かす時間。
そんな夜を過ごしたら、いつもよりもぐっすり眠ることができました。
どこか遠くに行かなくても、自宅でもできる取り組みです。定期的にセルフ・リトリートとして行っていきたいと思います。

◇その人は満足しているのに

さて、今日のテーマは「その人は満足しているのに」です。
実家に泊まっている間、母との会話の中で気がついたことがあるので共有します。

・なぜかいつもケチをつけてくる人

皆さんの周りには、なぜかいつもやることなすこと全てにケチをつけてくる人はいませんか?
私にとって、母はその一人です。私が、毛玉になっている靴下やボロボロのポーチなどを使っていると「それじゃダメよ!!」と慌てて新しいものを持ってきます。
正直「私はその靴下やポーチに満足しているのに、なぜケチをつけるの?」とイラッとすることもありますが、昨日はその母の言動に対して俯瞰的に考えることができました。
そして、「障がい者支援の現場で同じことをしていないか?利用者にこれと同じような思いをさせていないか?」とふと思ったのです。

・「そうした方がいい」と思うのは私だけ

私はその毛玉がついている靴下やボロボロのポーチに満足いっています。
使うのには申し分ないし、そこまで綺麗なもので身の回りを固めたいとも思っていないし、何よりそれを大切に使いたいのです。
しかし母から見ればそれは不十分なスペックです。
「靴下に毛玉がついていたら人前で脱げないよ」「ボロボロのポーチなんて使っていたら自分の気分が下がるよ」と言う母にとって、それらのものは本来は処分すべきものなのだと思います。それを無理に使っているなんて!と驚いている様子でした。
対して私の仕事である障がい者支援の現場では、必要があれば利用者の生活の修正を促します。
ゴミが溜まっていて不衛生だった利用者に対して、自分でできるように支援したりヘルパーさんを導入して依頼したりと、その”部屋にゴミを溜める”と言う生活を修正するよう促します。それは、私たち支援者が”部屋にゴミはためない方が良い”と言う理想像を持っているからです。
しかし利用者さんの中には、他人が部屋に入ってくるのは嫌だから、自分でできるからとそれらの支援を断る人がいます。
要は、そこまでしてもらわなくても大丈夫だから、と言いたいのだと思います。
そんな利用者さんに対して「いやいや、ゴミはきちんと捨てましょう!!」と言う方針で支援をするのは、利用者支援ではなく”私たちが望む生活に向けて修正する”と言う行為なのではないかと思ったのです。

・行為ではなく気持ちを変える

利用者が「その生活のままでいい」と言えば、支援者はその生活を支援するだけでいいのか?というと、それは違うと思います。
やはり、「健康的で文化的で最低限の生活」を送るためには、ある程度修正が必要な場合があります。
部屋は衛生的に保ち、その人が健康的な生活を送れ、ある程度社会とつながりを持てる生活。それを利用者が望んでいないからといって、そこからかけ離れた生活をただ見守るのは支援ではないと思うのです。
では何ができるのか。
そう考えると、私たちの理想に向けて行為の修正を促すのではなく、まずその人の生活意欲自体にアプローチすることが大切なのだと思います。
ゴミを溜めてしまう人に対してゴミを処理するよう促すのではなく、ゴミのない綺麗なところで生活したいと思ってもらえる関わりをする。
自宅から出ずに不健康な生活を送っている人に対して、なんとか外に出すきっかけを探すのではなく、外に出てやりたいことを探す支援をする。
行為そのものを修正することよりもまず先に、その人の「こうしたい」をなるべく健康的なものに変えていくことが”支援”なのではないかと思うのです。
支援者の中では当たり前のことかもしれませんが、今一度それが大切なのだと思い直しました。

と言うことで、母との関わりから色々と考えてみました。
週の後半木曜日ですね。頑張りましょう💐
では、また🌸


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