美容室で、”待って!”って言える人はいるのか
私にとって、美容室、ヘアサロン、へ行くというのはリフレッシュの時間として大切。いつも会わない人に会って、自分の話をしたり美容師さんの話を聞いたり、雑誌を読んだり。
そういう時間は他にはあまりないので、私は美容室を色々なところに変えるのが好きだ。
毎回と言っていいほど、原宿・下北・吉祥寺といろんな美容室に行っている。
けっこうチャレンジングじゃない?と思われることもあるが、私にとっては一種の趣味。その時になりたい自分をイメージして、そのイメージに合うような美容室を探すのだ。
今日行くことに決めたのは、家の近く、吉祥寺にある小さな美容室。
ネットで探しても出てこないほどのお店で、わざわざ店の前の紙を取りに行って予約した。
ドアの横にはドライフラワーがかけてあって、中の雰囲気もいい感じ。きっと素敵にしてもらえるんだろうな〜といつも以上にワクワクして、その美容室へ。
「今日は、どうしましょうか。」
美容師さんって、そう聞きますよね。
私はその時によって、イメージが固まっている時と、そうじゃない時があって、今日は後者。ちょっとふわっとした「爽やかに」というキーワードくらいしか浮かべていなかった。
色々話し合いながら、(ん...ちょっとこれ大丈夫かな)と思いながらも、シャンプーをしてもらい、早速カット。
たわいのない話をしながらも、私の目は鏡に釘付けになっていた。
心の私:(あ...待って待って、そこ切る!?)
私:”吉祥寺って、休日混みますよね〜”
✂︎ ✂︎ ✂︎ ザクザク ✂︎ ✂︎ ✂︎
心の私:(いや、ちょっと待って欲しい〜〜〜)
私:”バリ島に行ってみたいんですよ〜”
✂︎ ✂︎ ✂︎ チョキチョキ ✂︎ ✂︎ ✂︎
心の私:(え、、、これやばい。男になる。ってさ、これ「待ってください!!!」とか言った方がいいわけ?無理くない?)
私:”.................。”
...
もう、お会計の時には、心底早くお店を出たかったし、一刻も早く百貨店に駆け込んで新しいメイク道具を買わないといけないとか、服のイメージを変えなきゃとか、もうとんでもなくテンパっていた。
テンパりすぎて、彼に「最悪な髪型になった。どうしよう」とめちゃどん底のメッセージを送りつけて、何もできない彼をかわいそうな目に逢わせてしまった。
結局、とんでもなくボーイッシュ(よく言って)になってしまった私は、RMKでいつもは買わないハンサム系なメイクをしようとお姉さんに色々教えてもらった。
「髪の毛切りすぎちゃって...」と泣きついて、すすめられたモノを全部買った私は、お姉さんからしたらいいカモだっただろうな。
ついでにGAPで黒のTシャツを買って、家に帰ってあーだこーだと1人で鏡と格闘した。
結論。
美容室で”待ってください”を言えない私は、大人しく美容師さんのカットにしたがって、その都度スタイルを変えていくしかないのである。
出会ったことのない自分に、遭遇するチャーンス。と捉えることにした方がいい。
こんなことになっても、私は美容室を渡り歩くことをやめない。
言葉で、日々に小さな実りを。そんな気持ちで文章を綴っています。