食卓ひとつ、世界はまわる *6カ国目: トルコ*
飛行機のチケットも、大きなバックパックもいらない。
片手にプライパン、もう片手にフォークを持って。
鮮やかなテーブルクロスをひいてロウソクを灯す。
目を閉じて、おいしい香りで心をいっぱいにしたら、そっと瞼をひらく。
そこには歴史と文化がつまった、遠い国の料理が並ぶ。
たったこれだけで私たちは、
この小さな食卓の上でまわっている世界を、旅することができる。
さて、トルコにやってきました。
なぜトルコかというと、行ってみたいという気持ちと、大学のときの教授が何度もトルコ周辺に赴き、その都度アップされる写真がどれも美味しそうなトルコ料理だったから。
情勢が不安定なトルコですが、きっとおいしいご飯と笑顔あふれる人々が住む町なのでしょう。
なんと、トルコ料理は「世界三大料理」の一つなのだとか。フランス料理、中華料理ときて、トルコ料理なのです。オスマン帝国の時代に大きく勢力を伸ばしたのが理由の一つでしょうか。
今日はピクニックに行くということで、持ち運びができるようなメニューにしてみました!
1品目:チョバン・サラタス(Çoban salatası)
トマトときゅうり(ほんとは玉ねぎもですが、私は生の玉ねぎが苦手で...)を角切りにし、オリーブオイルと塩コショウでシンプルに和えるこの料理。
暑い日差しの中で食べると、さっぱりしておいしい!熱中症対策にもなりそうです。
2品目:フムス(Humus)
ピクニックとはいえ、ラップで持ってくるとは...笑。でも、味は間違いない!
ヒヨコ豆とごまペースト、にんにくとクミンなどのスパイスを入れてミキサーにかけます。
あっというまにいい香りのするペーストに。
アメリカで何度かフムスは食べていたのですが、どうにもよくわからない味で好きではありませんでした。けれども、このフムスはおいしい!できたてだからか、フレッシュな味でした。
3品目:マントゥ(Mantı)
マントゥは、牛肉のひき肉と玉ねぎがはいった餃子のような食べ物。小麦粉から皮を作ってみました。
この料理はソースがポイント!ヨーグルトにニンニクを入れたソースと、トマトソースにバターや塩コショウをした甘めのソース、2つをたっぷりかけていただきます。
ヨーグルトにニンニクって...。
と思っていましたが、食べてみるとびっくり!ヨーグルトソースはたーーっぷりがおいしいのです。
餃子のお肉感を、ヨーグルトの酸味とトマトソースの甘みが中和して、なんとも異国なお味。パクパクいけちゃいます。
これほどまでに意外な組み合わせは初めてでした!
・・・・・
さて、ここからは余談。
このピクニックの日、府中の森バーベキュー場まで足を運んでいました。お昼前からゆっくりし、お昼を食べて読書タイム。でも、私たちの狙いはもっと先!暗くなってからの焚き火がメインでした。
しかし。
3時ごろから急に雲行きが怪しい。両サイドから黒々しい雲が迫ってきます。いつの間にかゴロゴロ...と雷の音も聞こえてきて、周りのファミリーたちは片付けを始める始末。
「ど、どうする...?」と相談する私たち。
せっかく来たし、焚き火したいし。と考えている間に、どんどん雲は迫ってきます。ピカピカ!!と雷が。涙
今日は無理だね、と諦めて駅を向かうことにした私たち。まあ駅までは降らんだろうと侮っていました。
駅まであと10分という距離まできたとき。雨がぱらつき始めたのです。そしてその3分後、雨どころからヒョウが降り始めたのです。
いやいやいや。
2〜3cmはあるよこれ。硬いし痛いし。怖い。
駅まであと少しではありましたが、断念して近くの団地へ逃げ込みます。本降りになってしまい、ヒョウも雨も雷も真っ盛りといった感じに。
仕方なく、団地の踊り場にキャンプイスを設置して読書を始める私たち。
「BBQ場では使わなかったけど、ここで使えたね、キャンプイス。」
自然は手強い。でもまあ、こんな状況でも楽しめる。いつも、旅をしている気分です。
言葉で、日々に小さな実りを。そんな気持ちで文章を綴っています。