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#エモいってなんですか?〜心揺さぶられるnoteマガジン〜

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理屈ではなく何か感情がゆさぶられるそんなnoteたちを集めています。なんとなく涙を流したい夜、甘い時間を過ごしたい時そんなときに読んでいただきたいマガジンです。
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#恋

ラブホテルに愛なんてないよ

相方は眠ってしまった。コンビニで買った、小さな日本酒の瓶を抱えて。ここら辺の相場よりちょっと高いよ、と言っていたラブホテルの一室。換気扇の音がうるさくて、スイッチを探した。 ラブホテルは、とても素晴らしいと思う。ラブホテル、という響きに、人々はあまりいい顔をしないけれど、今まで彼氏との貧乏旅行で泊まってきたホテルを思い出すと、あれならラブホテルの方がよかったな、と思ってしまうことが多々。ちなみに、彼氏と泊まった部屋のことは全く覚えていないくせに、毎回違うラブホテルの場所も、

つかまらないタクシー、六本木。13Fからの安っぽい夜景の秋

気づくと君が座ってたソファのはじっこを見てしまう、少し肌寒くなってきた朝。ベッドでふわふわの白い毛布にくるまったままの私は密やかにミントの息をしている。息していいの?頭の中の自分にときどきそんなことを聞いてみたりする。 返事こないって分かってるのにまたLINEしてしまった。誰にも読まれないメッセージが宙に消えていく。赤や黄色になった葉が地面の方へふわりふわりと舞うように、一個ずつバラバラに空中分解していく文字。 毎年秋はこうやって始まる。 スタバのチョコレートマロンフラペチ

わたしの二番目の恋の話をしよう

わたしの二番目の恋。それは小学一年生の頃。「恋」なんてたいそうな言い方をしてみたけれど、何てことない子供の記憶。 幼い頃のわたしといえば、クラスで分からないと困っている人の宿題を全てやってしまったり、誰も進んでやりたがらない人前に立ってやる仕事をずっとやり続けすぎて先生に「一度やった人は出来ない」とルールを書き加えられたり、クラスのガキ大将に歯向かってカチューシャを割られたりしていた。ちょっとした問題行動として親が担任に呼ばれたのは今だから分かる話だ。コーヒー牛乳が飲めなく

クリスマスが近づくといつも

好きかどうかわからない時、たいていの場合好きじゃない。好きじゃないことを受け入れたくなくて、わからないとかいってるだけだ。 はじめて人を好きになったのは、中学3年生のころ。15歳だったけど、ちゃんとこれはほんものだってわかった。クリスマスが近づいて、毎年思い出す。 * * * 塾が終わって、駅からバスに乗った。一番後ろのはじっこの席に座って、大きな公園のそばの終点まで。イルミネーションなんてない街を眺める。ダッフルコートのトグルを上まで留めて、フードまでかぶって、バス停

恋の証人。

これは本当に起こったことかもしれないし、そうじゃないかもしれません。 「俺、宏美とも寝てるよ」 男が口にしたのは、わたしの憧れの女性の名前だった。 ちょっとだけ虚をつかれて、眠気がとんだ。 深夜3時までだらだらと抱きあって、わたしたちはまだ裸でベッドに寝そべっていた。さっきまで繋いでいたその手が、あの優しい女性の体にも触れていたなんて。 バイト先のバーで、わたしが働き始めるよりもずぅっと昔に働いていた男とその女性、宏美さんは、いまでもそのバーにそれぞれ飲みにきていた。

昔、有楽町にあった愛は、もう天然記念物か。東京・銀座4丁目交差点。

結婚したかったかもしれない幼なじみの近況

が、急にFacebookで流れてきてハッとした。 ワールドワイドなあいつらしく、何度目かの海外旅行に出かけた写真が複数掲載されていた。 ていうか、Facebook開いたつもり、まったくなかったのだけど。 スマートフォンの誤作動でいつのまにかFacebookの新規投稿画面が開いていて、 しかも謎のひらがな呪文が羅列されていて、 あやうく乗っ取りみたいな投稿をしてしまうところで、 やれやれと慌てて投稿画面を閉じたら、 レンの知らない写真が目の前に表示されていた。 幼なじみ

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