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(39)第1回「Zoomでこれみて」〜日本とカナダの大学生交流会のレポート Part1〜

みなさん、こんにちは。日本語講師のHinakoです。先日、「日本の大学生と勤務先のカナダの大学生の交流会、その名も「Zoomでこれみて」Monthly Virtual Exchangeをひらきました。中の人は私と先輩の先生の2人。

参加者は、うちの先生が顔がめちゃくちゃ広いもので、色々声をかけていただいて、長野、広島、東京など色々な日本の大学から参加してもらいました。見学の先生もいらっしゃいましたが、60名ほどの申し込みで50名(そのうち半分は日本人)ほどの参加でした。

コロナで日本留学に行けない学生さんを抱えている先生、もっと自分の学生さんと外の世界をつなげたいと思っている先生の参考になれば嬉しいです。

目的

この交流会は今年は10月、11月、12月と3回予定していますが、各回、テーマがあります。今回のテーマは「食べ物」。日本の食べ物とカナダの食べ物をZoomのカメラで見せあいました。目的は2つ。

1)とにかくお互いの食の文化を知るという事

2)日本語でも英語でも何でもいいのでコミュニケーションをとる事

日本語でも英語でもどっちでもいいの?

おそらく日本語だけ話そう!とか英語だけ話そうとか限定した交流会も多いと思います。しかし、今回はなかなか難しい。理由は、カナダ側からの参加者の日本語レベルは超初級から上級とバラバラ。日本側の学生さんも英語レベルがバラバラ。各国25人づつぐらいと揃いましたが、レベル別にきれいにグループを分けられるはずありません。英語でも日本語でもどっちでも話していいよーというルールにしました。実際のコミュニケーションだって言語が混ざったり、ジェスチャーしたり、絵を書いたり、オンライン辞書を使ったりもう色々使いますよね。お互いどんな手段を使っても意思疎通する努力をする事を大切にしました。

①アイスブレイク(5分)

ここからは何をしたかを書いていきます。まずはアイスブレイク!Zoomの部屋を飛び回り、自己紹介(名前、学年、専攻)を5人の人しよう。うまくできた人もいたんですが、できなかった子も!

問題点1

アイスブレイクの時にわかったのが、Zoomのブレイクアウトを飛んだ事がない学生さんがかなりいたという事。もちろん英語と日本語で軽く説明はしましたが、それが初めてだとなかなか時間がかかり戸惑っていました。今後自己紹介はPadletに書いてもらったりビデオ自己紹介でもいいのかなと思いました。

解決策

テクニカルな説明の「Zoomの飛び方動画」を最初の申し込みの中に入れておいて、勉強してもらってからくるという方法がいいかなと思いました。反転授業ですね。前もって知識があると実際する時もそれほど躊躇しないかもしれません。

②グループで食べ物を見せ合おう!(20分)

アイスブレイクで部屋を移動する練習ができたと思い、ブレイクアウトルームを作り、日本側2人、カナダ側2人の4人グループで食べ物を見せあいました。事前にZoomの名前を、ファーストネーム@誕生日にしてもらっていたので、一番はやく生まれた事がグループのホストになってもらいました。

問題点

自分でブレイクアウトルームに飛ばせたんですが、きれいにグループが別れない!!ちゃんと別れてたグループもありますが、カナダ側1人、日本側5人のグループもありました。どうしてこんな事になったかというと、日本側の参加者はおそらく個々ではなく友達と一緒に参加したいという気持ちがあつたんですね。友達を探して部屋を動いてしまったので、人数が多い部屋と小さい部屋と別れてしまいました。また20分という間が持たず、他の部屋に移動した学生さんもいたので、ずっと同じ部屋にいるという状態ではなかったようです。さらに、人数が多いと話しにくいというコメントもありました。

解決策

これはどうしようかなと。一つの案として、カナダ側はレベル別に2人部屋にずっと滞在。日本人の学生さんが部屋を出たり入ったり飛び回るというのもありかなと思いました。もはやプレゼン状態ですね。同じことを何回も話さないといけないですが、より多くの食べ物がわかるのでいいのかもしれません。それにレベル別にしておけば、ここでは質問はやさしくしてくださいねというサインにもなるかもしれませんから。ただ、そうするとコミュニケーションの努力が減るのかもしれないし、部屋を出たり入ったりするタイミングも難しくなるなと。

別案として、ブレイクアウトルームサインアップシートを最初の5分でサインしてもらって、どこに誰と行きたいのか書いてもらうのもいいかなと。こうすると何度開いても行く部屋を自分が把握しているから、部屋の移動が簡単だし、途中で移動することもないのかなと思いました。このあたりは、再検討と工夫が必要かなと思いました。

③違うグループでパドレットに写真を載せてコメント(7分)

「全体で色々共有する」ということを目的に、Padletで自分の食べ物の写真をUPしてもらって、他の人の食べ物のコメントをしてもらいました。これはメインルームで黙々とさせるのではなく、今度は強制的にグループを作り、飛ばして動けない部屋での5分ほどの作業にしました。共有Padletの中に写真の上げ方を載せて置きましたが、お互いわからなければ教えあってくださいという方法を取りました。他のグループで紹介された食べ物も見れたし、コメントもLIKEもあったので良かったと思いました。

★肝心の食べ物もすごいです。

日本からは、おにぎり、お菓子がたくさん出ていて、アンケートでたくさん日本のお菓子を知ったとか、コンビニのおにぎりが見れてよかったというコメントがありました。カナダ側からは、何と開催時間が夕飯時ということもあり、オランダ系の学生さんが名物ディナーを見せてくれたり、買ってきたプーティンを見せてくれたり、盛りだくさんの内容でした。

実は、運営している側はずっとブレイクアウトルームにいれないので、何を話したのか様子がわからず心配でした。でも、たくさんの食べ物の写真をPadletで見れたので、「あっ、ちゃんと紹介しあっていたのね」と確認できてよかったです。

★コメントについて

ここで、このPadletのコメント、写真の説明書きを自分の母国語で書いてもらうように指示しました。これが良かった。だっていい教材になると思いませんか。間違いがないし、何せ難しくても、なんとかして読みたいという気持ちが強いからいい読みの練習になるんですね。しかし、そうはいっても、みんな自由。日本語で書きたい子は日本語で、英語で書きたい子は英語で、統一はできませんでした。

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しかし、逆に自由でよかったのかもと思いました。というのもゼロ初級の学生さんがまだ習いたてのカタカナを頑張って使って、書いていて感動しました。助詞のスペルなんて間違えてて当然よ。だってまだ14回しかレッスン受けてないんですよー。よく頑張って書いたと思います。

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④アンケートを書いてもらう(3分)


残り数分で、アンケート。アンケートのリンクをこの写真のパドレットに入れておいてよかったです。中の人を2つもしてるのに、私、いつもアンケートリンクを貼るのを忘れてしまうんですよ。終わってホッとしてるんでしょうね。うっかりが多いので、ここにアンケートリンクがあるので書いておいてくださいといって、Padletに貼り付けておいてよかったです。

⑤記念撮影

忘れました。。。後悔してもしきれない。次回からは忘れないように、アンケートと写真という付箋をPCに貼り付けておこうと思います。

まとめ

正直自分たちの立てたプログラム通りには行きませんでしたが、アンケートの結果を見る限り、楽しんでもらったのかなという印象です。色々テクニカルな説明で戸惑ったので、もう少し工夫して、次回はもっと学生さんが話す機会を増やせるようにしたいと思います。アンケートの詳細は次回の記事にしたいと思います。

最後に、まだ14回しかレッスンを受けていないゼロ初級の参加者がたくさんいました。ひらがなやっと覚えて、自己紹介や買い物ぐらいしかできないのに、こんな世界によく飛び込んできたなと、その勇気にとても感動しました。こういう経験は絶対に日本語を勉強しようというモチベーションにつながると思います。ですから、もし、日本の大学の養成講座を持っていらっしゃる先生で、興味のある日本人の大学生がいれば、ぜひご連絡ください。

読んでいただきありがとうございました。


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