土木の魅力
私は工業科教諭(専門は土木)として教壇に立ち、今年27年目になります。
工業高校の進路指導は就職がメインです。
その中でも専門を生かした形が一番多く、卒業生も全国各地で活躍しています。
土木とは「社会基盤(インフラ)の整備や構築」とよく言われます。
その魅力について述べてみたいと思います。
1 ほとんどが一品生産
「橋」「ダム」「トンネル」等々。
インフラを具体的に挙げると多数ありますが、その土地や環境、目的に合ったものを現場で作るため、同じものはまずありません。
一生涯の生業としたとき、その一品一品が胸に刻まれています。
2 何人もの人や会社で協力してつくる
ひとりでつくるということは、ほぼありません。
数十名、規模によっては数百、数千人でひとつの目標に向かって進みます。
また、複数の会社が共同でプロジェクトを進めるのも土木の特徴です。
3 後世に残るものづくり
「青函トンネル」「明石海峡大橋」など超大型構造物をはじめ、身近な場所にある「堤防」や「道路」など。
これらは定期的にメンテナンスをしながら、長きにわたって人々の生活を支えます。
土木材料の質や施工技術の向上はめざましく、100年以上使える構造物も多々あります。
4 今後の進化
ICT(情報通信技術)の導入などによって作業の効率化が加速しています。さらに無人の遠隔操作による重機の発達により、人が立ち入ることのできない危険箇所等での作業も可能です。
また、UAV(ドローン)レーザースキャナーなどの測量技術の進化により、迅速な地形の把握ができるとともに、3DCADでの設計、積算を行うことで工期の短縮化に繋がっています。
これらのことは同時に、「働き方改革」にも大きく貢献しています。
土木は、そのほとんどが公共工事(税金による工事)です。
すなわち、国民・都道府県民・市町村民全ての人のための「ものづくり」です。
工業高校で土木を学び、「社会資本」の整備に邁進する卒業生を本当に誇りに思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?