見出し画像

特急サンダーバード最終日に乗車して感じたこと3つ

 一昨日、仕事で大変お世話になった施設に最後のご挨拶もかねて伺うときに、特急サンダーバードに乗る機会がありました。
 この特急は北陸新幹線の延伸に伴って敦賀ー金沢間は廃止となり、在来線は第三セクターに移管されるのが昨日の3月16日でした。

 仕事でお世話になっている間にも、この電車には本当に悩まされました。風が吹けば止まってしまう。雨が降れば止まってしまう。一度は大雨が降って、再開を待っていたけれど戻らず、高速バスで名古屋回りで帰ったこともありました。一度は、風か何かで私の予約していた電車が運休になり、PCで予約を取り直して発券した電車が臨時列車だったせいか後回しになり、出発の目途が立たないと言われて、みどりの窓口で1時間行列して切符を取り換えて頂いたこともありました。夜に帰阪しようとして乗車したときに、3度ほど鹿に接触したとかで真っ暗なところで止まってしまって動かないなんてこともありました。本当に夜で参りました。
 これも新幹線になって高架になれば風以外はきっと解決するだろうなあ・・なんて期待していたら、もう行く必要がなくなって・・世の中そんなもんです。

 最後に電車に乗って感じたこと3つ。

1.JRの車掌さんのメッセージに感動
  何度もこの路線に乗っているけれど、この時ほど長い車掌さんのメッセージを聞いたのは初めてでした。「雷鳥、サンダーバードで乗務して36年・・・」という経歴から始まり、「様々な苦い思い出もありましたが、この車窓の風景と共に歩んでまいりました・・・」そうだなあ・・車掌さんはもっとこういったトラブルに対処されてたんだ・・・
  一つのことを丁寧に続けてこられた仕事人の言葉は、人の心を揺さぶります。自分も辛いと思ったことを思い出し、じ~んとしました。頑張るぞ!という気持ちになりました。

2.車窓の風景の違いに次の時代への遷移を感じた
  新しもん好きの私は、早速延伸した新幹線に乗車しました。1日前に見た、在来線特急からの車窓の風景と、高架の線路である新幹線からの風景は印象が全然違いました。在来線はその土地の目線で風景が飛び込んでくる感じがしましたが、高架から見える風景は、上から目線というか他人事のような感じ方。東海道新幹線で見る車窓と同じように、その土地らしさは伝わってこない感じがしました。
  速度も上がって、外の風景はただの通過点のような、そんな風に感じられる、「上から目線」という言葉がありますが、車窓からの印象と同じで上から目線は自分事になりにくいというか、溝ができやすいと言うことを車窓からの風景の違いから、改めて肝に銘じることができました。それと共に、時代は確実に変化し、これからさらに変化し、その流れは止まらないと言うことに気付くことができました。

3.地方都市だと思っていた福井が都会に見えた
  福井は在来線の特急で私が住む大阪とを乗り換えなしで行き来のできる都市でした。東京からの帰り道に立ち寄ろうとすれば、金沢か名古屋で在来線の特急に乗り換える必要がありました。
  3月16日から、福井は東京まで3時間で乗り換えなしで行くことができる都市になりました。でこぼこのない綺麗な新幹線のホーム、そして在来線のホームも見違えるように変わりました。
  私の住む大阪は2時間半と若干短いとはいえ、東京を中心と考えたら、同じ土俵に乗ってきた感があります。
  田中角栄元首相が、日本各地に隅々に道路と鉄道を整備するとして始まった計画の名残ともいえるこの延伸。
  東京からの距離が短くなれば街は確実に変われるチャンスがある、その事実を改めて感じ、田中角栄元首相の先見の明には感服です。

 海外への視察を計画したときに、大阪からの移動で前泊、後泊が必要なケースが出てきていることに愕然としている今日この頃。今までの航空ダイヤで、大阪に戻れないなんてことは遅延以外ではなかったのに・・・。
 コロナを経て、東京に一極集中が進み、大阪も他の都市と同様に、東京以外に分類されつつあることを感じています。そういう流れも止まらないでしょう。
 コロナを経て世の中が大きく変わっている今、その変化を理解し、適切に対処できるように貢献していきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?