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コロナバブルははじけていますよ。慎重のうえにも慎重に:店を始めたい人へのメッセージその16

巣ごもり特需、おうちカフェブームは終わりました。


・・・終わったのが当店だけでしたらごめんなさい。しかし「終わった」とあちらこちらから聞こえてくるのも事実です。

まずは、当店の創業年(2017)から今日(2023)までの6年間の売上や販売品目ごとの売上の推移をざっくりとお話しします。

店主には商才がない、と言うことを前提として読んで頂きたいと思います。

○創業(2017)からコロナ渦が始まる前年(2019)までの3年間

・毎年、月間売上が前年同月と比べ約十ウン万円以上ずつ増加しました。

どうだ凄いだろうとドヤるつもりはありません。
スポーツや勉強に打ち込んだことがある人ならば誰もが体験することですが、始めてからしばらくはどんどんと実力が向上していくものです。
増加して当然なのです。

付記:そしていつか頭打ちになるときが訪れます。たしか「プラトー現象」と呼ばれているものです。そこからが本当の勝負ですね。

・イートインの売上は初年度に一気に立ち上がって以降は毎年微増、店頭豆売りどんどん増加、通販は鳴かず飛ばず。
これはよく言われるとおりの現象でカフェは売上の立ち上がりは早いが頭打ちになるのも早い、対して豆売りは立ち上がりは遅いが青天井の法則?通りの推移です。実際に月間売上の増加分の大半は豆売りの増加によるものです。
通販は広告宣伝費を掛けずに売上を伸ばすのは難しいと言われるとおりです。
※広告宣伝費は今日に至るまで1円も掛けていません。

○コロナ渦前半(2020)からコロナ渦中盤(2021)までの2年間

・コロナ渦以前と変わらず、月間売上が前年同月と比べ十ウン万円以上ずつ増加しました。
・イートインの売上はほぼゼロ、対して店頭豆売り急増、通販も急増

イートインサービスをほとんど休止していたのでイートインの売上はほぼゼロで当然なのですが、テイクアウト需要をつかむことに失敗したことは痛恨の極みです。
イートインの売上がほぼゼロにもかかわらず、それまで同様に売上を伸ばすことが出来たのは、店頭と通販の豆売りの売上が急増してくれたおかげです。

しかしこれは当店だけに当てはまるものではなく、ビーンズショップ、豆売り併設カフェに共通した現象だと思います。
「巣ごもり需要」とか「おうちカフェブーム」と呼ばれるものです。
平日の日中に「テレワーク期間中です」というサラリーマンさんや「リモート授業期間中です」という学生さんもたくさん来店されました。さらには「テレワークになったので良い環境を求めて小田原に引っ越してきました」とおっしゃるサラリーマンさんも少なからず来店されました。

おかげで、豆売りをしている店の多くはコロナ渦を乗り切ることが出来たのだと思います。少なくとも私の知る店でコロナ渦が原因で閉店してしまった自家焙煎珈琲店ありません。

それに対して豆売りのない純粋な「カフェ、喫茶店」はさぞかし苦労されたことと思います。
ほとんどのカフェは協力金を貰えなかったでしょうから、苦しくて当然です。
※アルコールを提供していて、午後8時以降も営業している店でないと協力金はもらえませんでした。

付記:世の中全体として通販の需要が増加するのは理解できるのですが、何故、太平洋のイワシ一匹に過ぎない当店まで通販の売上が急増したのかその原因がさっぱり解りません。
来店歴のある既知のお客様ももちろんいらっしゃいましたが、それ以上に全国あちこちの未知の方からご注文をいただきました。どこで当店のことを知ったのだろうと不思議に思います。

○コロナ渦後半(2022)からコロナ渦終了(2023)まで

・イートインの売上回復せず、店頭豆売り、通販ともに微増(2022)、2023には前年同月比減少月も。

豆売りの売上に陰りが見え始めたのが2022年です。
テレワーク、リモート授業を終了した企業や学校が徐々に増えたのでしょう。平日の日中に通って下さった方々がめっきり来なくなりました。
それでも平日の代わり土曜日に来店して豆を購入し続けて下さる方と、それっきりになってしまった方がいます。

そして今年2023年。恥を忍んで申します。遂に前年同月を下回る月が発生してしまいました。当店開業以来前年同月比が下回ったことは一度もなかったので、大きなショックを受けました。

こうなってしまったことの理由は明白です。
世の中自粛ムード、だからイベントを打てない、外に出て行かないのも致し方無しと、何もしなくても売上が増加し続けていたことにあぐらをかいて、本当に何もしなかった。
今その報いを受けているのです。

だから今、どんどん外に出て、どんどんイベントを打っている最中です。

サポートは謹んで辞退させて頂きます。お気持ちだけで十分幸せです。