感謝されるアドバイスと人を不快にするアドバイス|適応障害休職記
「公務員とかいいんじゃない。すぐ休職しちゃうし、労働向いてないと思うから」
そんな趣旨のLINEが昨夜、友人から飛んできた。
初手の感想は「失礼過ぎません?」だ。
公務員に対しても、私に対しても。
ただ、たぶん彼の性格的に別に私を傷つけたくてこのLINEを送ってきたわけではないだろうとも思っている。
単純に、それが良いと思ったから送ってきたのだろう。
そして今朝、こんな気付きを得た。
昨夜、そして今朝、「善意のアドバイスが人を不快にする」現象を連続で目撃して。
なんでこんなことが起こるのか?
この機にしっかり考えてみようと思った。
アドバイスが人を不快にする理由
毎度おなじみYouTube大学。
ちょうど一昨日アップされた動画には「改善点の提案なんてするもんじゃない」という話がある。
思いついて指摘するレベルのことは本人も気付いている。
気付いていても直せなかったものが現状である。
そして“正しさ”は人それぞれ違うので共有できない。
だから、改善点の提案なんて、すればするほど嫌われる、というのだ。
なるほど。
それは一理ありそうだ。
でも、それだけだろうか?
アドバイスを求めていない問題
そもそも「アドバイスを求めていないのに押し売りされる」ということが不快を生んだシチュエーションが多いような気がする。
例えば昨日の夜の友人からのLINE。
「次の仕事決まってるし。私、『全然仕事続かないし、次の仕事どうしよ~』って相談しましたか?」と思ってしまった。
わざわざ「労働向いてないと思う」とか、余計な言葉を添えてまでそんな的外れのアドバイスいらないんだよなって。
欲しいのは共感で、アドバイスを求めていないというときもあるように思う。
今朝出会った「旦那さんの発言への不満ポスト」はこれだろう。
そういうときに下手にアドバイスをしてしまうと、「欲しかった共感がもらえなかった」となる。
「情報が欲しい」バージョンもあるだろう。
例えば八百屋に「今日並んでる野菜で、イチオシある?」と聞いて、「うーん、今日は寒いし今晩はおでんなんかどうだい?」と言われる感じ。
欲しいのは「いい大根が入ってるよ」って情報だけだ。
今晩の献立はここで買えたいい野菜と、冷蔵庫の中身と相談するので。勝手に決めないで?となる。
アドバイスがありがたい場合もある
世の中の全アドバイスが不快かというと、実際はそうではないように思う。
パッと思い浮かぶのは、前職での話。
前職では、自分のクリエイティブをぼっこぼこにレビューされることは日常茶飯事だった。
もちろん、自分の愛するわが子が血まみれになっていく様はしんどかった。
でも、その結果良い広告が作れていたし、自分も成長した。感謝している。
現職でも、仕事の仕方とか、いろいろアドバイスをいただいた。
それらも不快というよりは、ありがたいと思うものの方が多かった。
プライベートでも。
もらったアドバイスで感謝したもの、パッとは思い浮かばないけど...
した提案で感謝されたものは2つくらい思い浮かぶ。
さて、この違いはどこにあるのだろう?
感謝されるアドバイスの5か条
1,アドバイスが求められていること
2,問題に対して有効であること
3,実行可能であること
4,その人にとって正しいこと
5,押し付けていないこと
こんな感じなんじゃないだろうか。
1は上で書いた通り。
アドバイスが欲しいとも思っていないときにもらうアドバイスほどいらないものはない。
2、3はアドバイスをするなら当たり前のようで、意外とアウトだったりすることが多いように思う。
それは、アドバイスをする時点で得られている情報に限りがあるから。
実はそれはもうやったことがあって、ダメだったんです、とか。
実はこういう追加制約があってできないんです、とかはよくある話。
ただ、有効で実行可能であるアドバイスならなんでもいいかというと、ここで感情論が出てくる。
「いや、それはプライドが...」「それは、したくないなぁ...」みたいな話。これが4。
しかし、この1~4の狭き門を越えても一発逆転負けになるシナリオがある。それが5だ。
どんなに良いアドバイスでも押し付けるとありがたみが減って、いきなり「ウザい」に変わる。
感謝されるアドバイスの作法
1,求められた時だけアドバイスする
2,まずは相手の話をちゃんと聞いて前提条件を集める
3,あくまで「こういうのどうかな?」という提案
4,反論されたらゴリ押ししない
5,最後に「力になれなくてごめんね。でも話してくれてありがとう」
感謝されるアドバイスの5か条の2~4のすべてをクリアするアドバイスをすることは、正直、難しい。
それらをクリアするつもりでしっかり聞き、「あくまで試作品ですが」という姿勢で伝え、フィードバックを真摯に受け止める必要がある。
そしてその試行を繰り返しても、いいアイディアが出なかった場合。
それを冷静に受け止め、アイディアをごり押しせず、感謝で終わる。
そしたらきっと、相手も
「聞いてくれた」
「自分のために真剣に考えてくれた」
「結局採用アイディアは出なかったけど、『時間の無駄だったじゃねぇか』と怒らず、むしろ感謝してくれた」
と思って感謝してくれるのではないだろうか。
とりあえず私は、頼まれもしないのにアドバイスをしてたことが多かったので。今後は自重します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?