Hina Mori

はじめまして雛森です。創作を書きたくてnote始めたのに、初投稿でエッセイなんか書いて…

Hina Mori

はじめまして雛森です。創作を書きたくてnote始めたのに、初投稿でエッセイなんか書いてしまったので勝手に創作投稿しづらくなってます。よろしく

最近の記事

創作)Alice’s

   「□□ーー!!」  あの日から何度も繰り返し見ている夢だ。  「□□...!」  歩道に乗り上げ、白煙を上げる赤い乗用車。前輪の下にかろうじて見える、長い 黒髪。それを伝うように地面に広がり、側溝へと流れていく赤黒い液体。  僕の初恋の女性。  最期の声も聴き取れぬまま、 ーーーーーーー彼女は、この世を去ってしまった。    あの事故からもう10年になる。時の流れは平等で、ひどく残酷だ。僕はもう、彼女の声も、温度も、どんな顔をだったのかさえも思い出せない。すべて

    • 創作)ドリームスフィア 2 回想

       僕が生まれたのは白い部屋に並べられた樹脂製の透明な保育カプセルの中だった。らしい。  生まれたときの記憶なんて覚えているわけがないが、人口の100%がそうやって生まれてきているらしい。システムにより管理され、必要なときに必要な分だけ人間を出産することで、環境のバランスを保っているのだ。  保育施設には、中学校の社会科見学で一度だけ中に入ることができた。  「世界の人口はコンピューターによって細かく管理されている、というところは授業で習ったと思います。では世界の人口は今何

      • 創作)ドリームスフィア

        第1章 奇跡の球体  世界中のありとあらゆる有名人、政治家、資本家がそれの完成を見守ってた。  それを作ったのは一人の老人だった。  年季の入った木製の作業台。老人は雑多に散らばる工具を無造作にどかし、完成品を入れた箱を置く。  世界中が、彼の手元に注目する。  静寂の中、彼は箱を開けた。  箱の中のそれは、両手で包んでも包みきれない大きさの球体だった。  喝采が巻き起こった。  全人類が待ち望んだもの。  あらゆる願いを実現させる装置。  それは、ドリームスフィアと呼

        • 初投稿

          「ただいま」  その日、私の母がいつものように帰宅すると、父は「リサちゃん」という女性と行為の真っ最中でした。唖然とする全裸の父、布団を胸に当てナニかを喚く「リサちゃん」。布団の上から出られない二人に冷徹な視線を向けながら荷物をまとめ、母は実家に帰りました。その「荷物」の中に私と妹も含まれていたことは、私の人生最大の幸運だったのだろうと思います。  これは全て私が母から聞いた話であり、私が見た景色ではありません。ですが、幾度となく聞かされた母の離婚エピソードは私の心に確実に

        創作)Alice’s