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教員として知りたかった感情は麻雀の中にあった話

このまま遺漏なく単位が取れれば、中学高校英語科の教員免許状を取得することができる。
教育学部じゃないのによくがんばりました!えらい!(自分で言わないの!)

すぐには教員にならないが、教員という仕事は人生の選択肢になり得るなあ、と思った教育実習の話はまたいずれ。

さて、遡ること1年半前、
模擬授業が厳しく評価される授業において、
「あなた”わからない”という気持ちについて考えたことある?」と問われたことがある。「あなたの授業は難しすぎる」と。

そこで私は気付いたのだ。
「わからないって気持ち、私全然わからない。」

これは教員として非常に痛い。
しかし”わからないなあ”という気持ちの記憶がないのだ。
多分それで嫌な思いをしたことがないから。

英語は塾でものすごく先取りしていたので、学校の授業でわからないことはまず何一つなかった。テストではいつも冠詞が抜けちゃったとか複数形のsつけ損ねたとかで2点マイナスの98点とか取ってた。
塾ではわからないことは飛ばして、わかることを拾って問題を解いていた。

高校は英語のレベルがものすごく高い環境だったため、わかるとかわからないとかいう話とちょっとベクトルが違った。

だから、英語を学んでいて、わからないことがわかったときに”ピカーン”と電球がついて「わかった!」となった瞬間がない。

致命的だった。
なんというか、ショックだった。英語ができるというおごりだった。

「わからなくて嫌になっちゃう!」
という気持ちをどこかで擬似的にでも体験しなければ、とフランス語とかでもはじめようかと思ったくらいだ。


しかし「わからねえ〜」を「わかる」チャンスは変なところに落ちていた。
友人の影響で、2019シーズンのファイナル数試合からMリーグを見始めた。
Mリーグとは、プロ麻雀のナショナルリーグだ。
その経緯はまたどこかで話そうかと思うが、これはなんというか、思考に革命を起こした。

ファイナル観戦中は渋谷ABEMAS(友人の推し)を応援しながら
「四面子一雀頭」
「マンズ(萬)ピンズ(まる)ソーズ(竹ピン)」
「イーリャンサンスーウーローチーパーキュー」
「リーチするとなんか得」
「白發中は三つ揃うといい感じ」
「人からもらえたりもする」
「親はあがれるといいけどなんか点たくさん失うこともある」
くらいの情報で麻雀を見ていた。

いやでもわからんじゃん!
実況解説何言ってるか全然わかんない!

「〇〇選手カンサンピン引き入れてイーシャンテンです!」
「はい、ハネチョクでトップまでありますからねえ」
「しかしシモチャの△△選手ここでテンパりました!リーチ!待ちはサブローピンです!」
「一発でツモればリーチイッパツツモピンフ、ウラが乗ればハネマンまでありますね〜!」
「キョウタク二本もついてきますよ〜!」

スタバの新作ドリンクカスタムの話してます?

うざい好奇心の塊こと私、真剣に観戦している友人に
「ハネマンって何?」
「いーしゃんてんって何?」
「今この人何待ち?」
「この人あがるとたかちゃん負けちゃう?」
などとラインで聞いていた。ごめんな、ありがとうな・・・。

「わからな」かった。
絶対に日本語なのにわからなかった。
これか、わからないってこれなんだ。
めっちゃ嫌じゃん。笑
わからないの超嫌じゃん。

英語が全くわからない人にとって、
I want to go to Tokyo station.は、私にとってのメンタンピンだったのだ。
want は「動詞・ほしい」want to~で「〜したい」、と分解して、それが繋がるステップを一つずつ踏まなきゃいけない。
メンはメンゼンツモ、鳴かない状態で最後に欲しい牌を山から自分で持ってくること、タンはタンヤオ、数字の2〜8で構成すること・・・とステップを踏んで説明してほしいように。

「わからない」という態度を示されたとき、「いつかわかるから今はわかんなくていいよ!」と言いがちだった。
絶対やめようと思った。
友人はちゃんと説明してくれた。(本当にありがとう)
そして私も勉強した(麻雀を)。
そのうち、解説を聞いていて「なるほど!」と思う瞬間に何度も遭遇した。

自分は人より好奇心が強くて、一方的に教えられるのではなくて自分で調べて勉強しないと身に付かない、という思考や学びのクセもわかった。
当たり前だがこれは私が持っている色であって、全ての生徒に当てはまるわけではない。

この「わからない」という視点が欠如したまま、自分の特色を知らないまま、教育実習に行ったりましてや教員になったりしなくてよかったな、と思った。
いくら机の上で教育論を勉強したって、自分の体で、肌で、血で感じないと何もわからないことだらけなのだよな、人間って。

人生のヒントは至る所に。


しかし、こんなに丁寧に麻雀を教えてくれた友人を盛大に裏切って(?)2020シーズンはKADOKAWAサクラナイツ全力桜援マンになりました。好きな手役は一盃口です。いけいけ〜〜〜〜!🌸


いただいたサポートでココアを飲みながら、また新しい文章を書きたいと思います。