見出し画像

誰にでもある「まぁるい世界」

自分なりに、どれほど誠実に向き合っても、通じない相手というのはいる。

何をしても悪くしか受け取られないし、努力するだけ無駄。

例えば、応援したいと取材をしたり記事に取り上げたりしても「自分を使って金儲けのネタにしている」と陰口を言う人すらいる。
なぜ?と思っても仕方がない。その人にはその人の理屈があり、その中では私は常に「人を利用する悪者」なのだから。

悲しいけど、どうにかこうにか自分を納得させて気持ちを収めるしかない。

そういうとき、私の「東京のお母さん」が言っていた言葉を思い出す。「東京のお母さん」であるAさんは実母と同世代で、20代の頃から習い事を通じて仲良くしている。

Aさんがいうには、人にはそれぞれに『まぁるい世界』があって、その『まぁるい世界』の中だけを大事にすればいい、とのこと。

『まぁるい世界』は、人によって大きさは様々。大きな人も小さな人もいる。それはちゃんと、その人に見合った大きさになっているのだ。

だから、その中に入りきらない人とは、仲良くできなくても気にしなくていい。どうしても合わない人に会ったら
「私の『まぁるい世界』の人じゃないんだな」って思えばいい。
Aさんは、そう言って私を慰めてくれた。

とても社交的で、誰とでも仲良くやっているように見えるAさんに
「Aさんにも『まぁるい世界』はあるんですか?」
と尋ねた。Aさんは大きな目を細めて静かに答えた。

「もちろんあるわよ。すごく小さな世界よ。でもそれで十分なのよ」

そしてこう続けた。
「もちろん、ひよこちゃんもその中にいるわよ」

20年近くの間、何度もこの言葉に救われてきた。
私だけの小さな「まぁるい世界」に、たくさんの力をもらっている。

いいなと思ったら応援しよう!

陽菜ひよ子 / インタビューライター&イラストレーター
もし、この記事を読んで「面白い」「役に立った」と感じたら、ぜひサポートをお願い致します。頂いたご支援は、今後もこのような記事を書くために、大切に使わせていただきます。