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プロになれる人、なれない人の違い~2023年8月の仕事まとめ(文章・絵)

フリーライター&イラストレーターの陽菜ひなひよ子です。

このnoteには、ちょいちょい書いていますが、わたしが今の仕事をはじめたのは30代半ばになってからです。それまでは「絵」も「文章」も趣味でしかありませんでした。

そんなわたしがどうして、プロとして活動できるようになったかといえば、いくつかの「出会い」と、そのときにいただいた「言葉」がきっかけだったように思います。


出会いその1:自分らしくあること


習い事として絵はいくつかの教室で並行して教わっていました。ちょっと特殊な手工芸(磁器絵付)や、植物をリアルに描く水彩画(植物画)です。

特にこの「植物画」をはじめたことが、わたしの人生の中での一番大きな選択だったといえるかもしれません。

当時のわたしは、絵を描くことが好きではあったけれど、自分がうまいとは思っていませんでした。でも、あるとき、植物画の先生がおっしゃったことが、わたしを解放してくれました。

「絵はうまくなくていいんですよ。あなたらしく描けばいいんです。バラがユリに見えたり、キクがサクラに見えたりしなければいいんです」

教室の受講者の平均年齢は50代。中には70代の人もいて、まだ20代~30代前半だったわたしは、それだけで浮いていたのは確かでした。今思えば、それ以上に、決定的にわたしにはほかの受講者と違う点がありました。

それは、幼少時からずっと絵が好きで好きでたまらなかったこと。

そう聞くと「え?絵画教室なのに?」と思う人もいるでしょう。でも実際に大人向けの絵画教室では、子どものころから絵が好きだった人はまれです。「リタイアを機に絵でも描いてみるか」という感じで入ってくる人がすごく多いんです。

一方の磁器絵付けは、いわば「お貴族の趣味」。お金持ちの奥様がステイタスのためにするケースがほとんど。切磋琢磨して上達することよりは、優雅に「楽しむ」ことに重きを置く「趣味」です。

意外と「純粋に絵が好き」という人は、当時周りにはあまりいなかった、と今になって気づきました。

朝ドラ『らんまん』でもそうです。

帝国大学の植物学教室でも、植物が好きで入ってきたのは万太郎くらいで、ほかの人は皆、行き場がなくて集まった人ばかり。そんな中で、植物への愛と熱意で突っ走る万太郎は浮いてしまいます。でも、彼に誰もかなうはずがありません。

同様に、必死に上達しようと暑苦しく頑張るわたしは浮いていました。しかし、自分でいうのもなんですが、上達するのも早かったのだと思います。

出会いその2:本気でやること


ちょうど30歳のとき、東京での植物画の展示に、第一人者といわれるK先生が見に来てくださいました。K先生はわたしの絵を見て「彼女は本格的にやらせるとモノになる」とおっしゃったのです。

このときはじめてわたしは「自分の絵はプロの目から見ても通用する絵なのだ」と知りました。それですぐに行動を起こしたわけではありませんが、この先生の言葉は、強く心に刻まれたのです。

植物画で出会った2人の先生の言葉が、のちのわたしの人生を変えたといっても過言ではないでしょう。

「絵は自分らしく描けばいい(わたしでもいい)」
「本格的にやればモノになる(わたしでもいい!!!)」

同様の話は、吉本ばななさんの小説『満月』(『キッチン』の続編)にも登場します。料理教研究家のアシスタントになった主人公はあっという間に出世します。最初は不思議に思うんだけど、あるときふと気づくのです。自分は周りとは「姿勢」がまったく違うことに。

料理教室に来る人のほとんどは「花嫁修業」だった時代(1980年代の小説だもんね)に、仕事としてやっていこうと「覚悟」を決めていることだけで、レアだったのですね。

そんなわけで、自分が今こうして「仕事として」絵が描けているのは「熱量」があり、突っ走ったおかげだなぁと思う今日この頃。同じ植物画を描いているだけに『らんまん』の万太郎には共感しかありません。



『PS純金』ファンクラブ『PSくらぶ』会員限定残暑見舞いイラスト(中京テレビ放送)


さて、8月のお仕事に就いてご紹介。

中京テレビ『PS純金』ファンクラブの会員限定コラムを担当してもうじき1年。先日、会員向けの暑中見舞いはがきのイラストの依頼があり、超特急で描きました。

会員でもある我が家にもオットの分とわたしの分と2枚到着。右下のモザイクはくじになっていて、何かいいものが当たるそうです。  


中日新聞広報誌「AD FiLE」連載コラム「ナゴヤ愛はどこにある?」

第15回『愛知のスーパーお母さん、参上!』

紙媒体のお仕事です。私の本『ナゴヤ愛』(秀和システム)がベースの「企画連載」として、取材対象の選定からすべてを一任されています。

8月発行の7-8月号は愛知県母子寡婦福祉連合会・理事長の山本廣枝さん。
ひとり親家庭のために日々奮闘されてます。尊い活動を笑顔でこなす廣枝さん、心から尊敬しています。

取材をはじめたときは理事と書いていましたが、進めていく中で理事長に就任❤節目のときに掲載できて胸アツです。


朝日新聞Web「ツギノジダイ」レギュラー取材記事


事業承継がうまく行かないために潰れてしまう中小企業を救うために、はじまったこの媒体。いつも胸アツな話が伺えます。

仏具の技術をアクセサリーに ノヨリ3代目が吹き込む新たな風

尾張仏具の錺金具(かざりかなぐ=寺社やおみこしなどの装飾金具)の技術をアクセサリー作りに活かすノヨリ・野依祐月さん。体育会系のとっても気持ちの良い女性で、インタビューも盛り上がり、楽しい時間でした。

この記事は9月にはヤフーニュースに転載予定です。


2023年8月の本数は文章1本+イラスト1点+文章&イラスト1本でした!


この秋から新しく公開されるものがいくつかあり、今回は少なめです。

まだまだ暑い日が続きますが、しっかり食べて、暑さ乗り切りましょう!




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