「スタートアップウィークエンド仙台」に参加してきた。
「金曜夜〜日曜までの3日間でスタートアップを作る」
今回参加したのは、仙台の駅近で行われたそんな過酷なイベント。
このイベントはほぼ毎週末、世界各地で行われているらしく、自分は7月の末に石垣島で開催された回に参加したことがある。
その時、今回の仙台開催のオーガナイザーが参加していて、その人に飲みの場で唆されて、ノリで申し込みをした。
イベントの大まかな流れはこんな感じ
これだけだと「よく就活のインターンである感じのイベント」に見える。
しかし実際、ここで生まれたアイデアがスタートアップとしてデビューすることも多いという。
確かに、いい大人がわざわざ週末を使ってまでイベントに参加しているイベント、ただの遊びではないだろう。
金曜夜
そんなイベントの最初、自分も1分ピッチに挑戦した。
今回のアイデアは「棚田のオーナー制度」。
古き良き日本の景色である棚田。その一方、機械による効率的な耕作ができないという理由で、多くの棚田が生産機能を失い、放置されている現状がある。だからそこにオーナー制度を導入しようという提案。
そんな何となく考えたアイデアだが、7人くらいに投票してもらい、なんと1分ピッチを生き残ることができた。
そして、チームビルディングでは4人の方が集まってくださり、一応自分を「リーダー」としたチームが組むことができた。
しかし、実はこの時から自分達は翌日の地獄に片足を突っ込んでいた。
「俺なかなかいいアイデア出したんじゃない?笑」とか思いながら宿泊先の快活クラブに帰る。早速やる気満々で棚田の現状のことを調べてみた。
・・・
もうすでにあった。
自分がさっきまで自信満々にプレゼンしてたやつ。
しかも20年以上前から。
土曜日
会場に到着して早々、チームメンバーに謝罪するリーダーは他のチームにはいなかったと思う。
「自分のアイデアに共感して集まってくれたけど、ごめんなさい。もうそれ20年前に実現してました。」なんて言うのは、情けなさすぎる。
それでもチームメンバーの優しさに助けられて、もう一度「解決したい課題」から定義し直すことにした。
幸い、チーム全員が「地方の活性化」という課題感で一致していたから、大きく方向性が割れることはなかった。
しかし、ここからがまた地獄だった。
「遊休農地問題」「文化継承問題」「地方産業消滅問題」etc…
色んな課題に対してビジネスを立てられないか考えたが、
・「金にならない」
・「既にある」
この二つのどちらかで頓挫する。
何時間積み上げても、結局は白紙に戻る地獄。
終いにはファシリテーターの方から「絶望しかないな」と言われる始末。
最終的に、この日は進捗ほぼゼロ。
「メンバーそれぞれでもう一度、何かビジネスアイデアを白紙から考え直す。」と言う宿題を共有して、2日目は幕を閉じた。
日曜日
最終日午前10時。未だ白紙。
プレゼンは今日の午後3時から。
残りの5時間で何とかビジネスを完成させなければならない。
そんな絶望的な状況の中、メンバーのエンジニアの方があるアイデアを持ってきてくれた。
「集合住宅で、自分の部屋の音が近所迷惑じゃないかを知らせる製品」
聞いた瞬間、何人かが「それ欲しい」という反応をとった。
地方・地域とは何も関係がない。でも、単純に「面白そう」。
他にもNFTを使った地域活性のビジネスを考えてきてくれた方もいた。
そのどちらに進むかは相当迷ったが、残り6時間という時間の中では、わかりやすい騒音防止製品のビジネスの方が作りやすそうだった。
チームの方針が一致したことを確認すると早速企画に取り掛かった。
解決したい課題と現状分析、街でのヒアリング、製品の詳細、市場規模、
損益計算、販売戦略、プレゼンの準備・練習…etc
やるべきことは全て分かっていた。あとはそれを5時間で全て作り上げる。
そこからのメンバーの勢い速度は凄まじかった。
「やるべきこと」を全て片づけ、さらにエンジニアの方は製品のプロトタイプまで完成させた。
改めて、実感した。
このメンバーたち「できる側の人」だ…。
そして迎えた最終発表。
プレゼンテーターは曲がりなりにも「リーダー」を努めさせてもらっていた、自分が担当した。
今回のスタートアップウィークエンドでは6つのチームが誕生した。
どれも個性的なアイデアで「なんでそこに辿り着くんだろう」というものもあった。
そんな中でも、自分達のチームはかなりの紆余曲折を経て、このアイデアに辿り着いた。
最後には地方とは関係なくなってしまったけど、それぞれのメンバーの方が強みを存分に発揮して下さったお陰様で、一つのビジネスアイデアを形にすることができた
そして、最終的な順位は
2位
惜しくも優勝には届かなかったが、かなりいい結果を残すことができた。
前回に引き続き「地獄だったけど思い返せば楽しい週末」になった。
今回出たアイデアもこれから深めていき、形にするところまでできればと思っている。
正直、かなりキャンセルするか迷ったイベント。
でも家にいても何が得られる訳ではない、そう考えて何かに飛び込んだ自分の判断は今回も正しかった。
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