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ハイモジモジ10周年ふり返り(5期目の前半)

ハイモジモジ代表の松岡です。

2010年4月28日に創業し、間もなく10周年を迎えます。そこで、この10年の歩みをふり返っていきます。今回は5期目(2014年)の前半をお伝えしていきます。


御茶の水美術専門学校の非常勤講師に


4月。

東京は御茶の水にある「御茶の水美術専門学校」の非常勤講師に就任しました(授業自体は5月からスタート)。

前年秋に同学校からお声がけがあり、作品展に登壇するゲスト審査員を務めさせていただく機会があったのですが、その後、2014年春からの講師就任を打診されていたのでした。



1年目は諸事情あって(後述)松岡ひとりで授業を受け持ったのですが、翌年からはデザイナーの松田も加わって2人体制に。担当は主にロゴデザインですが、パッケージデザインや卒業制作指導などを行うときもあります。



ちなみに、そもそも学校の接点が生まれたのは、ある一冊の本がきっかけでした。4期目前半のふり返りで触れた「GRAPHIC CANDY」という本を手にとられたひとりの常勤の先生が、本に掲載されていた私たちに興味を持ってくださったのです。

新聞や雑誌に取り上げられると、商品の売れ行きがアップするという動きがもちろんあるのですが、それ以外にもこうした「人と人とのつながり」も生んでくれるのだと思いました。まさにメディアは「媒体」ですね。


「Deng On」ソラカラちゃん発売


同じく4月。

2年前に開業した東京スカイツリーからお声がかかり、キーボードに立てる伝言メモ「Deng On」のスカイツリー版をミュージアムショップ限定で販売しないか、というお声がかかりました。

あのスカイツリーをキーボードの上に立てられる!と興奮し、さまざまなデザインを提出しては先方とすり合わせを行いました。


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▲本邦初公開のスカイツリー試作バージョン


ただ、どういう経緯だったか話が二転三転四転五転し、最終的にはスカイツリーのキャラクターである「ソラカラちゃん」のモチーフで商品化されることになりました。


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これはこれで好評を博しましたし、とても嬉しかったのですが「キーボードのタワーを立てたい」という野心はまだ消えていません。

セカンドチャンスを、なにとぞ!


NekoTsuboプロジェクトが始動


猫を飼っていると「猫ってこういうポーズするよね」という、飼い主同士の「あるある」があるのですが、そうした猫好きの方々のツボを刺激するような企画ができないか。

ということで、とある企業からお声がかかり、その名も「NekoTsubo(ねこツボ)」プロジェクトがスタート。

なんとわが社の看板猫「ニーポン」がモデル(というかモチーフ)デビューをすることになったのです。


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現在もTシャツなどが販売されている、ハイモジモジの隠れたヒットブランド「NekoTsubo」。まずはこの年、オリジナルのテキスタイルとワッペンからスタートしました。当時は生地専門店のオカダヤさんほか各手芸店さんで大々的に発売されました。(現在は完売)

この「NekoTsuboプロジェクト」は会社史上初となる「在庫を持たないビジネス」で、生産も販売もすべてパートナー企業にお任せ。私たちにはニーポンのキャラクターが使用された対価となる「ライセンス料」が定期的に振り込まれます。平たく言えば印税のようなものです。

そう、我が愛するニーポンは会社の「看板」であるだけでなく、一時は「稼ぎ頭」として、自分のご飯を自分で稼ぐ猫になったのでした。ほんとうに優秀な子です。




「LIST-IT」が世界デビュー


ハイモジモジのデビュー作、リストバンドのように腕に巻けるメモ「LIST-IT」について、アメリカの文具ブランド「Knock Knock」さんからメールが届きました。

つらつらと英文で書かれていたのですが(当たり前)、要約すると「LIST-ITのライセンス契約がしたい」とのことでした。出ました、またもライセンス。

商品をそのまま海外に輸出するパターンはそれまでもあったのですが、今回は「LIST-IT」のアイデアだけを借り受けて、自己流にアレンジしたい、というリクエストでした。

メールで商談はスムーズに進み、契約書のひな型が先方から送られてきて、弁理士さんに内容を確認してもらったところ「とても良心的な内容」とのことでゴーサイン。正直、契約社会どっぷりのアメリカ企業と締結するにあたって、どんな落とし穴があるのか不安だったのですが、お相手はとても心やさしいメーカーさんでした。

そうして世界デビューしたのが、こちら。


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名前が「LIST-IT」から「WRIST NOTES」になりました。商標の関係で「LIST-IT」とするのは難しかったのかもしれません。私たちとしても国内と海外で別モノとしてすみ分けられるので、これはこれでアリでした。

そして写真では伝わりにくいのですが、メモの太さが増し、紙も厚くなっていて、たくましいアメリカン仕様になっています。メモ本体に印刷されているのも変化したポイントですね。

その後、契約は2年で満了となりましたが「商品ではなくアイデアを譲渡する」という特別な経験となりました。




ハイモジモジ80%宣言


私事ですが、7月に子供が産まれていました。

待望の第一子で、御茶美の講師がはじめから2人体制じゃなかったのは、デザイナーの松田(兼妻)が身重だったからなのでした。


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▲ニーポンも突然の「弟」誕生を警戒


ハイモジモジがリリースしている商品のネーミングはすべて私、松岡が担当しているのですが、この子の名前を決めるのに6か月もかかりました。「人間の名前をつけるプレッシャー」は商品名の比ではなかったです。

そして、夫婦ふたりで経営しているメーカーに赤子がひとり加わったことで、これまでのようにバリバリと働くことは一時的にできなくなりました。そこで「ハイモジモジ80%宣言」を発表し、仕事量を80%程度にセーブする決断をしました。

当時のウェブサイトに掲載していたモノトーンのロゴの色を80%に落としていたのですが、この芸の細かさに気づいていた方、いらっしゃいますか?


以降、わが社は「仕事と家庭(=子育て)の両立」という大きなテーマを抱えていきます。


ハイモジモジ10周年まで、あと11日。

(つづく)


【ハイモジモジ PROFILE】
2010年創業。「Kneepon from Nippon!」を合言葉に、思わず膝を打つアイデア・プロダクトを日本から発信している。キーボードに立てる伝言メモ「Deng On」、耐洗紙のメモ「TAGGED MEMO PAD」でグッドデザイン賞を受賞。人気シリーズ「WORKERS'BOX」好評発売中。

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