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「ひみつ道具」をつくっています! 第4回:ひみつ道具とは?

 ひみつ道具を作り始める際に避けて通れなかったのが、「ひみつ道具とはなんぞや?」という点です。これまでにコミック等で発表されているひみつ道具は約2,400点が存在することがわかっています。これらが共通に持っている特徴がひみつ道具である条件といえるかもしれません。
 最初は道具自体に着目して分析?を進めていましたが、道具が共通に持つ特徴などないという結論に至りました。あるかもしれないが見つけられない、ということなのかもしれません。そこで道具が使われる場面を観察すると次の条件を満たすものがひみつ道具といえるのではないかと意見が大体?一致しました。
  ・(今は)できないことを実現する
  ・少し不思議なもの
  ・オチがある
 特に重要なのはオチがあるという点で、これがドラえもん人気の源泉なのかもしれません。道具に欠点や使いにくさがあり、それがストーリーを彩っている。これはドラえもんのコミックやテレビを見たことがあれば共感できるものと思います。


 もう一つ別の考察もあります。ここでは「ひみつ道具」と表現していますが、まだ半分も確認できていないと前置きしつつ、実は、コミックや映画の中でドラえもんが自分でこれらの道具を指して「ひみつ道具」と呼んでいる場面はありません。道具はドラえもんが「未来デパート」で買ってくるものなので、あくまで「未来のあたりまえ」であり、「ひみつ」のものではないということなのでしょう。

 未来の世界では、様々なものが発明されることで思うようなことが実現できる、つまり不確実性が少なくなると言えるのかもしれません。その一方でどこかオチのある「ひみつ道具」は不確実性を楽しむものといえるのかもしれません。便利な世の中で不便を楽しむもの、例えば、キャンプ、オールドカー、レコードなど枚挙にいとまがありません。ドラえもんから繰り出される道具も、まさにその類のものなのではないかと理解しているところです。
私たちはこうした「未来において不確実性を楽しむものは何か」について考え、そんな道具を形にするべく奮闘しています。ご期待ください。(槇岡)

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