古代史構想学 入門編(最終回)

「古代史構想学 入門編」の最終回です。最終回の今回は、古代史に取り組み始めたころのことと、古代史を通じてセカンドライフをどう充実させようとしているのか、を紹介して終わりにしたいと思います。

ビジネスマンとしてのキャリアを店じまいするにあたってセカンドライフをどう過ごそうか、と考えて出した答が「子供の頃からやりたかった古代史をやろう」ということでした。ただ、古代史をやるといっても何をするのか、何をしたら古代史をやったことになるのか、自分は本当に何をしたいのか、、、

まずは、とにかく何か形を残していこうと漠然と考えて、本を読んだあとに記憶に留めておきたいことをノートに書き残していくことを始めました。本を読んで線を引き、ノートに書いていく。これはまさに「勉強」でした。勉強が進むにつれて興味の範囲も広がり、読書の量も増え、様々な事象につながりが見えてくるようになりました。それを図や表にしたり、文章にまとめたり。そういうことを続けていたある年の正月、「年内に本を出そう」という目標が突然浮かんだのです。
 
そう決めたあとは、本を出すといっても何をどうすればいいのか全くわからないままに原稿作成に取り掛かりました。一冊分の目安として12万文字を目標に。しかし「邪馬台国はここだ」のようにテーマを決めて深掘りしようとしても12万文字も書けるはずがありません。そんなことしてたらいつまでたっても結果にたどりつかない。そう思った私は、「点」としての様々な事実や事象を時間軸や空間軸でつないで「線」や「面」にして、古代を広く浅くでいいから俯瞰してみようと考えました。

最近は仕事そっちのけで古代史に没頭する日々ですが、これからどんなセカンドライフを過ごそうか。オリジナルの仮説を考えてブログで発信していくこと、それを本にして勉強の成果を形として残すこと、これが柱になるでしょう。そして講演会や大学の公開講座などで専門家の話を聴くことも積極的にやっていきたい。

また、昔からやりたいという思いは強かったものの、その機会を持てなかった遺跡の発掘。大阪や奈良では遺跡発掘のアルバイト募集がたくさんあるので是非やってみたい。もしかしたら世紀の大発見に関われるかもしれない。
さらに、実地踏査で全国各地の遺跡や神社を訪ねること、実はこれが一番の楽しみなのです。
 
私には奥さんがいて、もともと二人で車で旅行することが多く、とくに温泉ツアーにはよく出かけます。時間に余裕のできるセカンドライフでは、車で全国各地の遺跡を訪ね、おいしい料理を食し、温泉に浸かり、二人でゆったりと充実した時間を過ごしたい。奥さんは古代史に興味があるわけではないのですが、私が行くところはいやな顔せずに付き合ってくれます。
そうそう、奥さんのほかに小さなワンコも一緒です。

次に車を買い替えるときはワンボックスカーにして、そこに布団や着替えを積み込んで、二人と一匹、気の赴くままに遺跡と神社と温泉を目指して日本を一周する。これが今考えている小さな目標なのです。古代史に取り組んだからこそ描くことができた小さな目標ですが、古代史をやっていなかったらこれすら描けていないでしょう。だから、古代史をやって良かったと思っています。

それから、古代史に取り組むことがわずかでもいいので収入につながれば言うことなし、とも思っているですが、それこそ「夢」にしておいて次の段階で考えることにします。

                             (完)

(以下、今回の追記です)

今回、「古代史構想学 入門編」としてここに連載した15回にわたる記事を「男50歳からの古代史構想学」というタイトルで、とあるサイトに寄稿したのが2017年。その年の11月、それまで乗っていた車の車検がきたタイミングで買い替えを決意し、ミニバンのノアを購入しました。それ以来、奥さんとワンコと一緒に車中泊に出かけては温泉や遺跡めぐりを楽しんでいます。また、同じく2017年12月には自費出版ながらも目標としていた本を出すこともできました。さらに2018年、博物館学芸員を取るために通信制大学で学び、博物館実習のなかで遺跡発掘を体験することもできました。小さな目標が少しづつ実現していってます。そして仕事のほうは間もなく定年を迎えます。3年前には「夢」としてとっておいた次の段階が早くもやってきた感じがしています。


⇒ 古代史構想学に基づいてまとめた古代日本建国の仮説「古代日本国成立の物語」を電子出版しました。是非ご覧ください。

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