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物語を作る上で、スランプをどう利用するか
スランプだ。当然のことながら
創作第四の月では、とにかく踠いてた記憶がある。それは創作ノートにも色濃く残っている。
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物語の外郭が組み上がり、バラバラに書きたいことが湧き上がり、知識はおろか、それを入れる脳の容量も足りていない気がする。「スランプ」という言葉が頭の片隅に上がってくる。それはどのような状態だったのか、自分で律儀に【多少のスランプ】と小見出しをつけた、当時のノートをご覧に入れたい。
アイデアがうまくまとまらない。
頭に入ってくる情報と、知識とアイデアが絡み合わない。
他の優れた物語が気になる。
知識や経験が身につくほど、他の物語の深みがわかるようになり、自分の仕事が取るに足りなくなる。
QUORAを読み込んでしまう。
答えのないところに答えを期待してしまう。
自分の思いつきやアイデアが浅はかで世間知らず、門外漢、おのぼりさんに感じてくる。
知りたくなる。安心するまで知りたいが、取り返しがつかなくなったらどうしよう? と焦る。
今冷静になって見返してみると、「ここまで明示的に悩み抜ける人も珍しい」と、自分を褒めてあげたくなる。大概は悩みに苛まれた惨めな自分に気がつきたくないものだ。何か別のことに気晴らしを求めたり、周りに当たり散らしたりするのでなく、ひたすら自分の中で煮えたぎらせている。私すごい。
スランプの種類
noteでも「スランプ」というワードを目にすることがある。それを拾っていると、スランプにもいくつか種類があるのではと思う。
文字が浮かんでこない
書きたいことがありすぎてまとまらない
どう書いていいかわからない
本当は書きたくない
大きく分けてこの4つではないだろうか。(noteの初稿では3つと言ったけど、4つ目もそれなりに大事なので追加しました。)
文字が浮かんでこない
毎日何千文字と書けていた人が、百文字くらいしか書けなくなる。ついにはゼロになる……というような状態だろうか。あとは単純にモチベーションが上がらない、という状態であるかもしれない。
「だろうか」とか「かもしれない」とか、歯切れが悪いのは、今回物語を作っている間に関しては、全く書けなくなるということはなかったからだ。休む時は休むと決めて筆を置いていた。
そこまで自分を駆り立てることができたのは、アラフォーになるまでなんとなく文章を書こうと思った時期は何度かあり、その度にスランプを意識するまでもなく心が離れる、という弛緩した経験を踏まえて、「書かなくなれば、次に書きたくなるのは10年先だ」という怖い話が、それなりのリアリティを持って迫っていたからだ。10年先に持ち越すくらいなら、今下手でも書き切る方がいい、という思いで書き続けていた。
だから今回は、2、3、4についてを詳細に振り返りたいと思う。
書きたいことがありすぎてまとまらない
アニメ映画「耳をすませば」の雫が陥っていた状態とオーバーラップする。
物語を書き進んでいると、世界観が複雑になり、小道具は増え、主要人物の一人一人が成長し、敵との間でやりとりがあり、初めの状態が変化する。
書いている人の方が、急流についていけなくなる。作業を中断すること、それ即ち物語の死を意味するので、とにかく手だけは動かす。私は得意の付箋作業で小道具に持たされた性質の整理や、登場人物の役割を整理した。
▼小道具の整理:物語を書き進むうちに、小道具やキーワードに持たせた意味合いや由来といったものが満載になってくる。物語を描いているのは自分なんだから、自分が一番よくわかっていたとしても抱えきれなくなる。
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項目ごとに、「今までどんなことを考えてきたっけ」というのを箇条書き(一枚の付箋に一項目)にすると、今まで書いてきたものの中に矛盾を発見できたり、設定してたはずなのに盛り込めていなかったことを思い出せたり、物語の展開に新しいヒントが与えられたりする。
▼登場人物の役割の整理:物語が大きく動いた後では、登場人物の状態や持っている情報が変化する。
私の場合はノートに線を引き、付箋を貼って状況整理をした。
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WANTS・・・次のフェーズに向かってやりたいこと
知ってる・・・現時点で既に知っていること
知らない・・・まだ知らないこと
秘密にしたいこと・・・文字通り、対抗勢力や周りの人に知られたくないと思っていること
この作業は情報整理という意味でも役に立ったけれど、もう一つ重要なことは、書きたいことが複雑になりすぎていると客観視するきっかけになった。
考えていることが複雑なら、複雑なまま書いて破綻するより、要素をシンプルにして書いた方が書ききれるし、読者にも伝わるはずだ。
多分、読者は一度に一つないし二つくらいのキーワードを頼りに読み進むはずなので、各シーン、もしくはシークエンスで重要なアイテムや事象は絞り込み、それを追いかけていれば物語が進んでいくようにする。
重要でない要素は完全に切り捨ててしまうか、背景に持っていくか、「重要なこと」を一旦わからなくさせて物語に引きを作る材料として使ったりした。
キーワードクラウドを作ってみる
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今まで物語を作る中で意識していたワードを、ノートに書き出した。この作業を展開していくというよりは、あくまで頭の中にあることを書き出してみる作業だ。キーワードとしては持っているのによくわかっていないこと、物語に盛り込めていないことはないかを知ることができる。よくわかっていないことは本を読んだりネットで調べてみるなどした。
どう書いたらいいかわからない
これについて、有効だった手段は二つある。
スケッチで描いてみて、描いたとおりに文字に起こす
Youtubeなどで視覚情報を調べて、見た通りに書く
1.について、たとえばあるモンスターを書きたいと思っているが、「ゾンビ」などの一言で容貌が立ち上がるような属性があるわけでもなく、ツノがあるとか特徴的な色をしているとかでもない場合、イメージしている様相を拙くても描いてみて、長い腕をしていたり、つるんとした部分があるなら、その通りに書く。
2.について、たとえばある村を書きたいと思っているがのっぺりした印象になってしまう場合、Youtubeのツーリスト動画を探して、印象に残った路地や景色を、スケッチするように書く。この時重要なことは、細密描写のように書くのではなくて、モデルにしたのが何という村だったのか、地名とかYoutubeタイトルだとかを、ちゃんとメモっておくことのほうが重要だった。
本当は書きたくない
自分が本当には書きたくないものを無理に書こうとしていると、モチベーションが上がらず、だんだんと筆が遅くなってくる。これについては次回執筆予定の「ファンタジーと戦いのシーンの関係」について詳しく述べたいので、今回はトピックとして挙げるだけにとどめておく。
「現時点で一番大切なことは何か」を考える
繰り返しになるが、初稿は「書き切る」ことを最大目的としているので、それを叶える以外の悩みや葛藤はかなぐり捨てて、書き続けるための手段を全て講じた。
また、「自分の物語にとって何が大切か」というのも、スランプを通して深めることができた。
私にとっての物語では
創作した設定や小道具を、主人公たちキャラクターを利用しながら、余すところなく読者に披露することが目的ではない。
創作した世界、設定や小道具の中で、主人公たちがいかに生きるか、をこそ書きたい。
私の場合は物語の初めと最後、シーンの繋ぎ目と繋ぎ目にある大きな裂け目を、一つ一つジャンプしていくことに勇気が必要だった。ジャンプに失敗すれば谷に落ちるか、永遠に何もない見当違いの闇の中に迷い込んでいくかもしれない。自分の知識や技量からいって、書けるとは思えない。それでも絶対に書く、書かせてください、と祈り続けた。
スランプとは何か
色々な人を悩ませるスランプとは何なのだろうか。以下はQUORAで見つけた投稿をメモしたものだ。ここで言われているスランプとは、スポーツ選手についての意味合いが大きいような気もするが。これを読むとスランプというのは、何かを目指す人を弄ぶ虚無への誘惑なのではなく、道のりの一部であることを知ることができる。
ゴールは夢ではなく達成すべきもの。ゴールは到達点。
スランプは脳と筋肉のコラボの効率を高める、人間が持つ能力。
スランプはトレーニングの行程の一部。目的地に着くまでの作業。
ところで、私は今回の物語では「ファンタジー」というジャンルに挑戦していた。ファンタジーと戦闘、ファンタジーと軍事とは切っても切り離せない要素に思えるが、これと私がどのように取り組んだのか、次回書きたいと思う。
お読みいただきありがとうございました。
何者でもないアラフォー女性が、35万文字の物語を完成させるためにやった全努力をマガジンにまとめています。少しでも面白いと思っていただけたら、スキ&フォローを頂けますと嬉しいです。
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