五銭の人 第8刻

雨が見える

曇り空に反射して
曇った街を映すように
曇った僕を見透かすように

僕はエッセイを書きたいのに
気づけばポエム調になってる

ポエムが書けると自らを鼓舞していたが
ポエムしか書けなくなっている

これはポエムなのか
ただの散文か

言葉が意味を渡るなら
なんだっていい

こうして指が動くままに書き連ねるのも
悪くない

いつの間にか雨もあがっていた

もう雨は見えない

まだ街は映えないままか
まだ僕は見透かされているか

僕は分からない…
僕が僕の顔が見えないように…

おそらく自分のことは
自分が一番分からないという結論は
まだ変りそうにない




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