黒い戯言13 大口病院事件で思うこと

「同じことが起こる」

 以前『てんてきから身を守る』でも記しましたが、同じ事件は起こると思います。医療従事者である限り空しさや憤り、絶望・疲労にさらされます。それに耐え切れず、体を壊したり辞めていく看護師を何人も見てきました。その負の感情の発露の形のひとつが大口病院の事件だったのだと私は感じます。容疑者の元看護師が特殊、大口病院だけが特別……という方もいるかもしれません。ただ、看護師は約166万人(2016年)いて、病院は約178000箇所(2017年)あります。私にはこの数を見ると、大口病院の件が氷山の一角にしか見えません。
 かといってどうすればいいのか、となると私にはわかりません。私だって事件は起きてほしくない。こういった事件が起きるたびに多くの頑張っている看護師が奇異の眼差しでみられ、蔑まれる。病院内でも決まりごとが増え、ますます業務量が増える。そしてまた看護師が疲弊する……。負のスパイラルなのです。このスパイラルの根源には現代日本の医療、死生観といった大きなものがある気がします。生死に人の手で介入できるようになってから生まれた歪み、といってもいいかもしれません。
 この歪み、私自身も今はうまく表現できません。しかしこの歪みによる悲劇は今もあり、そして高齢社会が進むにつれて加速度的に生まれていくと思います。偉そうなことを言えば、私はそれを止めたい。できることは少ないですが、まずは言葉は紡いで現状を知ってもらうことが重要と思っています。 

 NHKの『ドキュメント72時間』という番組が好きなんですが、その番組でどこかの特別養護老人ホームとか療養病院取材してくれないですかね……。ドラマ性のないリアルな72時間が撮れると思うのですが、という今日の黒い戯言。

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