好きが増すほど別れが辛くなる、遠距離恋愛。

遠距離恋愛で何よりも辛いのが、再会して一緒に過ごす時間が終ってしまう瞬間。

私は彼さんとの恋愛でこれまで4度のお別れをしました。お別れ、と言っても破局じゃなくて、遠距離の関係に戻るって意味でです!


思い返すと、付き合いを重ねるほど別れが辛くなってきたな~と。


一度目のお別れはエストニアで、彼さんと恋人関係になって2日後。せっかく好きな人と両想いになったのに・・・と虚無感に襲われながら、歩き去る彼の背中を見送りました。と同時に、私たちこれからどうなっていくんだろうという期待と不安もありました。彼を好きだったけれど、別れの寂しさは大したもんじゃなかった。

ニ度目のお別れはメキシコの空港で。キューバで3週間をともに過ごした後でした。メキシコでお互いにトランジットがあり、彼さんはベルギーへ、私は日本へと、反対方向へのお別れでした。

彼さんの搭乗時間の方が早かったので、ヨーロッパの人たちだらけのゲートでハグとキスをして、彼さんが搭乗券をかざしてゲートを越えていくギリギリまで手を繋いでいました。手を離したあの瞬間が忘れられない。ガラス越しに、去っていく彼さんに手を振りました。泣きそうになったけど、この時も泣きませんでした。自分の搭乗時間まで何もすることがなく、ああ終わってしまったな・・・と燃え尽き症候群に少し寂しさを足したような感覚を抱きながら、清掃員の作業をぼーっと眺めてました。


三度目のお別れは、日本で。彼さんが観光ビザ切れるギリギリまで私のアパートに居候していました。この時から私は”涙発作”を発症するようになってしまったんだなあ。
彼さんが発つ2日前、向かい合って夜ご飯を食べていたら突然泣いてしまって。彼さんが慌てて横に来て、抱き寄せてくれました。彼さんのTシャツを濡らしまくった。
ずっと一緒にいた人がいなくなってしまう、それを想像したらもうどうしようもなく・・・
次の日も、用事をこなしている時はいいのだけれどふと時間が空くと大泣きし始める有り様で、これは良くないと共通の友達を呼んで3人で回転寿司に行きました。最後の夜ご飯なのに邪魔じゃない?って友達が気遣ってくれたけど、彼と2人きりだと泣いてしかいないので誰か気を紛らわしてくれる人が欲しくて。笑ってご飯を食べることができました。

出発当日、空港へ向かう道は彼も私もめちゃめちゃ沈痛な面持ち。こんなに辛い別れは人生で初めて、と、『出会いと別れ』には慣れているはずの旅人の彼さんを言わしめるほど(笑)

空港で手荷物検査の列に並んだ彼さんを最後まで見届けるのはしんどくて、私から先にその場を離れました。帰りの電車では泣くの我慢したし、その後大学へ直行して実習を受けたけれど、辛かったのは家に帰ってから。朝起きた時のままの2人ぶんの布団と、彼が残していった物たち。一緒に過ごした形跡はそのままあるのに、彼だけがその場から消えてしまって、突っ伏して泣きました。


四度目のお別れも日本で涙祭りでした。手を繋いで道を歩いていたら、涙が止まらない止まらない。今年の3月だったのですが、コロナで彼さんの帰国便がキャンセルになり、帰国後に通うはずだった学校も延期になり、母国がロックダウンされた彼さんにはこのまま日本にしばらく残るという選択肢もありました。でも予算の問題もあったし、コロナの状況が日に日に悪化する中、日本に留まったとしてもストレスの多い生活になるだろうから、それならベルギーに戻った方がいいという判断に至りました。2人でめちゃくちゃ考えました。私が一緒にベルギーへ行って一緒にロックダウンされようかということまで、真剣に。でもお互いの金銭面や家族の反応も踏まえて冷静に考えたら、離れ離れになることが最善だということになったのです。

彼さんがお店で商品を眺めている隣で泣くわ、信号で立ち止まったら泣くわで彼さんを困らせました。
「泣いている顔はかわいくないよ!笑ってる顔が見たい!」って彼さんに言われて、分かってるけど、分かってるけど・・・!別に泣きたくて泣いてるわけじゃないのに、止まらん。

時間止めてよとか、プライベートジェット買ってよとか、泣きながら無茶振りしまくりました、ごめん彼氏。


ちなみに彼さんは一度も私の前で泣いたことはありません。
私もかつては自称・人前で泣かない女 だったつもりなのに。でも、もうだめだなあ。とんでもなくブスな顔して泣く厄介な女になってしまった。

遠距離を続ける以上、会えば別れの瞬間がやってくることも承知していて、同じように辛い瞬間をあと何度乗り越えなければいけないのだろう。ペットロスになるのを分かっていてペットを飼う心理と同じ(笑)



恋人と会わない日々が長く続くと、ふとよからぬ思いに走ってしまうことってあると思うんです。いっそ別れちゃえばどうなるかな、とか。

でも遠距離に戻る瞬間のあの辛さを思い出すと、彼の存在がいかに大きなもので、自分の隣にその体がいてくれることへの特別感、守られているという安心やともに過ごす時間の心地よさ、心強さも蘇ってくるんです。ただ一緒にいる、それだけで共有できる二人だけの感情は死ぬほど尊い。あの太い腕の中に包まれた時の幸福感を、絶対にもう一度味わってやるぞって心に決めながら、今日も私はひとりで頑張ります。



これからも、好きなことを気ままにゆる~く、書き続けます。いつも読んでくれてありがとうございます!