見出し画像

そして続く悪夢、闘いだ


そんな意味のわからない病と
闘ったのはわたしではなく


実際、母だったのかもしれない・・・



中学生にあがったばかりの娘が
吐血し、即入院
それを受け止めバタバタと動いてくれたであろう


誰よりも心配してたのは母だった


わたしなんかよりもよっぽど
向き合い必死だったのは確実に母なのだ




学校から連れ出され救急外来だったか
市内の日赤病院ですぐに診察され


もう記憶にないほど
レントゲン撮ったり色々な検査を受けた



何が原因だか分からないと処置の仕様がない




わたしは即日“検査入院”になった


家に帰れない

大好きな母や父に会えないこと

弟にも会えない


入学してすぐ居なくなった1人の女子なんて
すぐに忘れられてしまうだろう


他校の小学校からの子達は
わたしのことなんてよく知らないまま

授業が進んでいくことはよく理解していた



病院のベッドって
こんなに硬くて冷たいことも初めて知った



原因不明の吐血

特殊患者だったわたしは
確か贅沢に個室だったと思う



血を吐く度とりあえずナースコールだった

その度にレントゲンの嵐

何回放射線浴びせるんだと思わんばかりの回数



レントゲン撮れる機械が
そのままわたしの病室に来たこともあった


おまえさんこられるのかよ・・・



そんなレントゲンの機械ではないが


1人、素敵な来客がいた


わたしの人生において
すごくいい影響を与えた恩師が

病院にお見舞いに来てくれたことがある



わたしの恩師
小学5.6年生のときの担任の先生だった


それはそれはもう素敵な先生で
生徒からも保護者達からも慕われていた


熱血先生と呼ばれるくらい情に厚い

小学生のときは
問題児だらけのクラスで

なかなかまとまらずに
毎年毎年担任が外れ新しい先生に変わっていた


そんなグチャグチャなクラスをまとめあげた
熱血最強教師ですごく愛があった先生


そんな先生が大好きだった


来てくれた時はもう嬉しくて
血を吐いてたことなんか忘れ


るんるんしていた阿呆はここにいて、



なんで先生が来たのか
事の重大さを知らないわたしは
本当に何も考えてなかった


知らぬが仏という言葉がぴったりだ



呑気なわたしを横目に


大人たちは


原因不明の吐血

出血部位が不明なこと

症状の前例がないこと


全て引っ括めてわたしは

この恩師のお見舞いの少し近い未来で

人工呼吸器をつけられ

植物状態と化す未来が近づいている

ということを知っていたようだ




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?