親の呪縛
家族が大好き!
という人の方が多いのではないかと思います。
テレビのCMやまちなかの広告などなど、家族を想う売り文句が並んでいる様がそう思わせるのかもしれませんが。
私が自分の両親を【苦手だ】と初めて感じたのは、幼稚園児のころだった。
そこまでは守り育ててくれる存在になんの違和感も感じていなかったし、幼くて感じることもなかった。
その当時、私の母のお腹には妹か弟になるであろう命が宿ったばかりで、両親はそのことを周りに内緒にしたかったようで。
しかし、自分より下の兄弟ができることが嬉しくてたまらなかった私は大声で幼稚園の先生に伝えてしまったのである。
私は家に帰ってからこっぴどく叱られたし、その時人として初めて【人格】を否定された言葉をかけられた記憶がある。おそらく親にそんなつもりはなかったんだろうけど。
悲しいとかどうしてとか、
そんな感情の前に私に浮かんだ感情は
【苦手だなぁ】という感情だった。
そこから両親の躾は加速したようにも思う。
悪いことをした時に、寒い家の外に追い出されることもあったし、
2階の部屋から私物を捨てられたこともあるし、
辞書が飛んできて怪我をしたこともある。
なかなかに厳しい教育だったとは思うが、
今の私の職に辿り着くまで教育費をかけてくれたことや、育てにくい私を成人まで面倒を見てくれたことには、とても感謝をしている。
でもやはり両親といえど、別の人格であるから、苦手だなぁと今でも思っているし、
そう思ってることを素直に認めたことで少し楽になった。
思春期はそんなこと思ってはいけないと思い続けていたから。
苦手な人になんでも相談したい!って思う人もいないとは思うが、認めてはもらいたいという感情は、わたしにはあるものだから、とても厄介でした。
嫌な出来事は一切報告しないが、世間一般が良いと思ってくれることだけは報告する人間になっていった。
そうじゃないとしつこくしつこく連絡が来たり、不機嫌をぶつけられるからだ。
もっと頑張らなくてはという思いだけが空回って、感情がおざなりになり身体が悲鳴をあげる。
親から離れてもそうやって形成された自分の中身は未だ変わらない部分なのだなと
地元から離れ少し冷静になった今は客観的に見れるようになっただけマシかもしれない。
やはり、地元から飛び出て
一石二鳥である。
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