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大木になる

どうしようもない壁にぶち当たった時、最もよくない事は、悲劇のヒロインになって悲しみに浸ることだと思っている。

何も救われないし、変わらない。


そんな時に私はいつも決まって、

こんなの地球規模で見たらちっぽけなことだな、と思うようにしている。

そう思いながら自然の中を歩くと、本当にちっぽけなことに感じる。

なんの解決にもならないけど、まず前向きになる、開き直る。

考えるのはそれから。


地面にしっかり根を張り巡らせて堂々と立っている大木。

ああなるまでに何十年。何百年。

私はたかだか三十数年。

まだまだひょろひょろした木で当然。


運良くあと五十年、生きられたなら、あんなかっこいい大木になっていたいな。

太陽も雨も栄養にして。

いつもは優しく葉を揺らしてくれるそよ風が

突然強い風に変わって一本枝が折れたとしても

大丈夫だよ、と心から言える強さ。


大木に深い皺がたくさん刻まれているように

私もたくさんたくさん笑い皺を作って、笑うとしわくちゃになってしまうおばあちゃんになりたいな。

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