旅先での出会いが意外に後を引いたという話
ひとり旅の途中に、サンフランシスコ路上の声かけにより(つまりナンパ)連絡先を交換していたアメリカ人のT氏のお話。
私も知り合ったときは、本当にもう結構な勢いだったから、勢いに押されて連絡先は交換したものの、大して何にも考えていなかったのがこの男、T氏。
ただ、帰国してからというもの、T氏から連絡は絶えずきていた。
本当に絶えなかったのだ。
連絡と言っても、短いメッセージだけで、別に何がどうって言うこともなかったのだけれど。
そしてこのメッセージのやり取りもいまいちパッとせず、私も返したり返さなかったりして、仕事の合間に暇つぶし程度に返信したりしていた程度。
この人、アメリカにいるのに日本にいる私と連絡とっていて一体何になるんだろう。
本当に疑問だったし、別に口説いてくる感じもなかったので意味不明だった。
そしたらそのうち、電話がかかってくるようになった。
ビデオチャットしよう!と言われて、少し時間ができたタイミングで「今ならいいよ」と言ったのが始まりである。
FaceTimeをするようになったのは帰国して3週間後くらいだったかな。
顔見たときに、「あ、こんな顔だったか」と思った。
そりゃほんの立ち話しかしてないから覚えてなくても無理はない。
話してみると案外面白くて、まあ仕事ばかりで家にこもっていた私にとっては気晴らしになった。
そうこうしていたら、結局それから毎日欠かさずFaceTimeするようになっていたから、こちらも何となく日課みたいになって、彼と話すことが日常の一部になっていった。
それでもこのときは私もまさかこの人と付き合うことになるなんて思いもしなかったし、本当に何にも考えていなかった。
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