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Imposter Syndrome: 「他人の評価」と「自己評価」の違いをどう受け止めるべきか?

TEDをなんとなく流していたら、Imposter Syndromeという言葉に出会いました。

簡単に要約すると、インポスター症候群(Imposter Syndrome)とは、自分が得た成果と称賛を素直に受け止められず、自分の能力を過小評価する心理現象を指します。

例えば、自分が担当するある仕事が大成功に終わったとします。
上司や同僚からたくさんの褒め言葉をもらいましたが、内心では「私のおかげなんかじゃない」「ただ運が良かっただけ」「周りの人が助けてくれただけ」と、他人からの評価に対してなかなか喜べないことありませんか?
さらに言うと、称賛を受けることに対して、「私なんて大したことしていないのに…」と罪悪感を覚える場合ってありませんか?

それが「インポスター症候群」です。
性別、年齢、人種などの違いに関係なく普遍的に見られるものです。
自分の実力というより、自分以外の要因の方が大きく成功に貢献していると考えてしまうから、過大評価されている気がしてしまい、心理的にストレスがかかることが多いです。

また、インポスター症候群を緩和する方法として、他人に自分の悩みを打ち明けることが紹介されました。
他人が何について考え、何に対して悩んでいるのかを知ること。
それはつまり、他人にも同じような感情を経験していること、そして自分の実力は自分が過小評価していることを知ることにつながります。
そうすると、自分だけがこんな気持ちを味わっているわけではない、他人と比べて私って普通にすごい能力を持っているんだという安心感が湧き出て、心の負担も少し減るはずです。


私自身は、TEDの動画を見て非常に共感を得られました。
他人に褒められると、「自分はこんな称賛を値しない」と素直に喜べなくて、微妙な表情で言葉を濁す経験は数知らず。

他人が私のことをすごい人だ思っている。
でも本当の私はそれほどすごくない(自分の理想とする目標に達していない)。
だから嬉しく思えなくて、むしろ他人を騙しているかのような罪悪感を感じる。
以上を踏まえて考えると、インポスター症候群の本質は「自分から見た自分」と「他人から見た自分・自分が理想とする自分」とのギャップだと思います。
それをはっきりと意識し、分けて考えられるようになったら、インポスター症候群に陥ることも少なくなると思います。
動画中にすすめられた「他人と話す」ことも、そういった意味ではギャップを認識する手助けになりそうです。

ただ一つ動画中と意見が異なる点といえば、動画最後の自己肯定についてです。
動画の最後の部分は簡単にまとめると、「他人と会話することで、自分には才能と能力がある事実を認めることができ、心が軽くなる」と話しています。
しかし、他人と比較で得た劣等感を、またもや他人との比較で得る自己肯定感で緩和するという方法はどうにもしっくり来ません。
結局他人との比較がないと自分に評価を下せないのか。
別にそれに関しては良くも悪くも思わないけど、私には他人と比べずに済む方法の方が性に合うと思いました。

というわけで、私は「他人の評価」よりも「自己評価」をもっと大切にすることが重要だと考えています。
他人の評価は参考する価値はあるが、結局私がどうなりたいのか、なりたい自分からどのくらい距離があるのか、これらの問いに焦点を置けば、他人の評価をそれほど気にしなくなりますし、それによって生じる焦燥感も罪悪感も感じなくなります。
今思えば、過去に私がインポスター症候群に悩まされていた時、無意識に先述したように自分自身の成長に集中したおかげで、冷静に自分の状況を整理することができたと思います。
昔は褒められた時に「私なんて…」とビクビクしていましたが、今はというと、
「他人が私をすごいと思うけど、私自身としてはまだ自分が認められるほどすごくない。他人からの褒め言葉を今は素直に受け取れない。でも自分をもっと認めることができればきっともっと嬉しいと思えるんだろう」
というふうに、考えたことを言語化するようにしています。

みんなも何かの感情で心を揺さぶられている時に、ゆっくりと息を吐いて、その感情の正体について冷静に考えてみると、案外正しい対応が見えてくる気がします。
自己分析は良いぞーー(なんか話がずれたけどいいっか)

他人と比べることで心を軽くできるならそれでいい。
でも私のように自分に注目することで焦燥感が消える人もいると思う。
みんなそれぞれの方法で、インポスター症候群を克服して、もっと自由に、楽しく生きよう。


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