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マザーハウスのリュックに追いついた私

ストーリーを語れるものを身につけたい

ここ数年で持ち物に対する想いが変わってきた。
流行りを追うよりは、長く使えるもの、自分に似合うもの、ときめくものに。
そこに最近加わった軸が、「ストーリーを語れるもの」。

「それ可愛いね」と言ってもらえたときに、
「そうでしょ?」だけじゃなくて、「これね、こんなブランドでこんな想いが込められてるんだ」とついつい語ってしまいたくなるようなもの。

自分を一歩高い位置に引き上げてもらえるような気持ちになるもの。

そんな私が2年越しに、マザーハウスのリュックを買った。

カバンに身分不相応な自分

出会いは育児休業中に参加した、オンラインイベント。
私はとある企業のサステナビリティ推進担当を数年務めた後、子どもを出産、育児休業中にブランディングを学んでいたところだった。

確かマザーハウスからブランディングを学ぶ、というような趣旨のセミナーだったような気がする。いつもは聞き流ししている動画をつい見入ってしまった。

マザーハウスの創業ストーリーや想い、成し遂げたいことを聞くうちに、まだ商品を見たこともないのに、一気にブランドのファンになってしまった。

ブランドからファンになるなんて、いつも商品を買うときと全く逆の思考順序だったので、自分でもびっくりした。

一企業のサステナビリティ担当として、「こんな想いの込められたものが、もっと世の中に広まる、響く世界になったらいいな」とインスピレーションを得つつ、
「カゼマトウ、こんなブランドのカバンを颯爽と持てる自分になりたいな」と憧れが高まっていった。

当時は家の近所に店舗がなく、さすがに数万円のものをオンラインショップで即決できず、モヤモヤと諦めること数ヶ月。

偶然、母と買い物をしているときにポップアップストアを見つけ、当時の想いがフラッシュバックした。
やや興奮しながらリュックを背負わせてもらうも、正直、なぜだかそのときの自分には似合わないなと思った。

普段買い物するときは、値段と品物のバランスで判断するが、このリュックに至っては、ブランドストーリーへの憧れが先行している。
今の自分にはなんだか身分不相応というか、このリュックを背負っても、自分がリュックに追いつけない気がしてしまった。

母の「ちょっと一晩考えてみたら?」の何気ないアドバイス以上の回答が出ず、そのまま帰省を終えて、普段の生活に戻っていった。

2年越しの再会は運命か

きっかけは友人の、「最近服の一軍化を進めている」というひと言。
冒頭の持ち物論を改めて整理するに至る。

会う度に気づきをくれる友人からのひと言はぐさりと心に刺さり、この年始はいくつか大きな買い物をした。

いつもはそんなにモノを買わないが、去年1年は仕事面でも成し遂げたと思えることがあり、ひと回り成長できたと思えたからかもしれない。

そんな帰省中、2年前と同じお店でポップアップストアを見つけた。
前よりも少し大きなスペースのストアと、少し成長した私の再会。

一緒にいた母に、思わず「前もここにポップアップあったよね?!」と話しかけつつ店に足が向いていた。

「黒よりも青がいいんじゃない?」と真っ当なアドバイスをくれる母。
「いや、それもそうなんやけどさ、このブランドってバングラデシュとか途上国の職人さんが一生懸命作っててさ、創業者の人の想いがすごいあってさ、可愛いねんけど、それだけじゃなくて、すごいストーリーがあるねん」とうろ覚えに、説得力ゼロに、自信満々に語る私。

一晩考えた結果、翌日もう一度リュックを背負って鏡に写る自分を見て、「今なら大丈夫」と納得した。

帰りにお店の方からいただいたショップカードを目にした瞬間、「そうだ、こんなブランドだった」と当時抱いた想いとイメージがフラッシュバックした。

『途上国から世界に通用するブランドをつくる』


この一文を見ただけで、私が思い描いたマザーハウスの世界観が脳裏に蘇り、映像になって浮かび上がった、

そして、この語れるカバンに負けないように、私は今年も一歩を踏みだす。


以下追記
すっかり忘れていたが、2年前の当時の想いを綴ったnoteが出てきたので、ご関心のある方はお読みください。

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