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⑳自分が怖い『父の子…フラッシュバック』

家に戻った。

家にいる時間を

減らそうと

短時間の仕事を始めた。

人間関係も

出来るだけ避けようと

工場勤務の

面接を受けた。

服用している薬は

あるかと聞かれ

黙っていればよかったのに

抗うつ剤を飲んでいると

言ってしまった。

症状を聞かれ

「そういう人は
うちでは採れない」

と言われ

社員食堂に案内され

バスが来たら

帰るように言われた。

他の面接者は

工場見学をしていた。

バスは

工場見学が終わった頃来て

私は

その人達と同じバスで帰った。

惨めだった。

同時に

勉強にもなった。


今度は

自分のペースで

働ける

パチンコ屋さんの

コーヒーレディーをした。

ノルマはあったけど、

自分が売った分の

金額とお時給を貰えたので

楽だった。

休憩中だけ、

スタッフさんと

同じ場所で休むが

それ以外の就業時間は

自分のペースで

休み休み出来た。

相変わらず

過呼吸はあったが、

なんとか続けられた。


3.11

震災があり

パチンコ屋の建物が半壊した

被災者になった。

家にいる時間

ストーブの上で

ご飯を炊いたり

炊き出しに並んだり

吹雪の中

スーパーに並んだり

毎日

試行錯誤をして

サバイバル生活を

送った。


自分達の事で

精一杯だった


そんな中

義母の

異常行動

徐々に

現れてきた。


津波や余震の

フラッシュバックも

伴い

ダルさやイライラがあった。


義母は

震災が起こった事を

なんとも思ってない

様な感じで

「老人会に行く」

「障子紙買って来て」

「病院に連れて行って」

と言っていた。


毎日そんなことを言う

義母に

イライラして

怒鳴ってしまった。


『そんなのどこもやってない!』

『いい加減にして!』


その時

父の顔が浮かんだ。

怒鳴ってる父の影

ビックリして

目を見開いてる

義母の姿が

母と重なった。


自分が怖くなった

父と同じだ

と思った。


あんなに嫌だった

怒鳴り声

自分が発した事で

少し

スッキリしてる

自分

怖かった。










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