旅先の日常

ホテルには良く泊まるほうだと思う。ライブの遠征もそうだけど仕事の出張も多い。だいたい一年の半分くらいは外泊しているような気がする。長い時はレオパレスを借りるけど数日だとどうしてもビジホになる。

アパとか東横とか決まったホテルに泊まり続けるひとも多いけど、わたしは全然決めていない。ポイント溜まるよって言われてもピンとこない。じゃらんで探すとその都度お値打ちなプランとか見つかるし、面白そうな宿屋も見つかる。そもそも毎回同じデザイン、同じ朝食のホテルに泊まり続けていると飽きてしまう。

ビジネスなんだから日常と同じサービスがそつなく揃っていれば、きれいで清潔な定番が安心だよって声も聞こえてくる。そうかなあ。

そもそも愛知のアパートはホテルほどきれいじゃない。隙間風が入ってきそうな古い建物のフローリングの床に布団を敷いて眠っている。洗面所にも大きな化粧台はない。食事も作業も床に座ってローテーブル。ビジホの部屋にある日常とは対極で、むしろ和風民宿に近いかもしれない。

大阪西成にはドヤと呼ばれた簡易宿所があって、時代が時代ならとても怖い場所だったと聞くけど今はわりと旅行者で溢れている。西成の簡宿は2畳の個室に布団一枚が定番でこれが案外シンプルで使いやすい。大きなテレビももビジネスチェアも不要で、シャワーとトイレ共用が許せるなら全然ありだと思う(治安関係は今でも場所を選ぶけど)。

最近、富山にも西成スタイルのホテルが新築されていたので泊まってみたらすごくよかった。コンセプトは「シンプル&低価格」。無くても良いサービスを排除して極限まで価格を抑えていますと書かれていた。実際1900円で泊まれてしまうのでちょっとキレイめな西成よりずっと安い。安かろう悪かろうではなく、むしろ気に入った点が「室内の物干し竿」「カーペットで床生活」「リモコン付きの照明」だった。日常にあって、ビジホにない物の筆頭を揃えていたのが面白い。ちゃんとニッチなサービスを研究しているんだと思う。

民宿スタイルのシンプルなビジホとか。共用オフィスルームのあるゲストハウスとか。出てこないかなあ。価格は控えめで 笑


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