日常に疲れたら、おうちホテルのススメ
突然ですが、日常って時々退屈に感じるよね。
朝起きて急いで朝食を食べ、出勤して仕事をし、終わったら帰宅。夕飯や風呂を済ませ、就寝する。休みの日は遅めに起きて、何となくスマホを見ているといつの間にか夕方だったりする。
私はついこんな毎日を送ってしまいがちで、続けているとやがて「日常疲れ」が起きる。朝起きても動くのが億劫で何もできなくなったり、ネガティブに考え始め、長いこと布団に閉じこもってしまう。
こういう日って、たまには必要だと分かっていても勿体無い。
そのために日常に変化をつけていくものが趣味なんだろうけど、仕事でいっぱいいっぱいだったりするとなかなか時間も取れない……。
なので、私は「おうちホテル」のオープンを皆々様へ勧めたい。
何度か実施しているが、なんと、日常にいながらちょっとした変化で、特別な一日を楽しめるイベントである。
何も難しいことは無いので、気軽にやってみて欲しい。
1.「おうちホテル」とは
ちょっと前、コロナ禍に「おこもりステイ」というのが流行った(らしい)のだが、ご存知であろうか。
コロナ禍の頃、色々あって一人になりたいタイミングがあり、適当にホテルを取って泊まることがあった。ホテルは安いビジホがほとんどだが、たまに温泉付きのホテルに泊まることもあった。
ホテルは普段暮らす家とは違い、誰でも快適に過ごせるよう綺麗に整えられている。生活感が無いが、それが魅力とも言える。
暮らし慣れた家は落ち着いて過ごせるが、やらなければいけないタスクが常に頭の中にある。掃除、食事作り、その他……。
でも、ホテルの部屋は自分の知らない物しかない。不思議と頭の中のタスクは浮かんでこなかった。そのスッキリした状態が嬉しくて、私は様々な地のホテルで「おこもりステイ」をした。
とはいえ……ホテルに泊まるのは結構お金がかかる。
泊まる時は、なるべく朝食付きを選んでいた。朝起きて何もしなくてもご飯が出てきて、たくさん食べられる喜び!朝食は種類も味もホテルによって違って魅力的だ。
でも、朝食付きとなると宿泊料金にプラス1000円~2000円かかる所も多かった。薄給の自分にはそうそうできない贅沢だ。
そんな私が思いついたのが「おうちホテル」である。
何てことはない、家をできるだけホテルに近づけて楽しもう!というものだ。
ここで「おうちホテル」をオープンするにあたり注意しておきたいことを書いておく。
・「ていねいなくらし」ではなく、「すきなくらし」
・疲れすぎない程度に、ほどほどに
・思い切りなりきった方が楽しいよ
以上である。
それでは、具体的な「おうちホテル」やり方について説明しよう。
2.「おうちホテル」開業前準備
まず、開業前にいくつかやらねばいけないことがある。
ホテルのテーマ、イメージの設定だ。
初めての時は「ゆるめのビジホ」くらいのイメージでいいと思う。慣れてきたら「旅館風」「高級志向」「コンセプトホテル」など設定してみてもいいかもしれない。
あんまり固く考えず、まずはやりたいことをメモに書いていく。
今回は、私のホテルテーマを例に作ってみた。
こんな感じで、自分の好みに合わせて欲しいサービスを増やしていく。
ただし、増やしすぎるのはお勧めしない。結果的に自分が大変になってしまうからだ。
テーマが出来たら、必要な物をリストアップして、家になく足りないものは買い出しに行く。
……え、お金かかるの?って思った人、ごめんなさい。お金かかります。
でも、ホテルへ泊まりに行くよりは出費抑えられると思うし、仕入してる業者の気分になれるよ。無駄に領収書くださいって言ってみたりする。
今回、私が買ったものはこちら。
金額は3000円ちょい。(あれ?結構いってるな……?)
まあ、この時点で結構楽しいのでヨシ。
買ったものはおうちホテル中に使い切らないといけない訳じゃないから、実はそんなに無駄な出費でもないのだ。
3.「おうちホテル」オープン前準備
物資が揃ったら、動きやすく汚れてもいい服に着替えよう。
そう、ホテルで最も大切と言ってもいい、清掃をする必要がある。
普段、自分の家を掃除するのってとにかく面倒くさい。暮らしていければいいし、人を呼ぶこともないので特別綺麗じゃなくてもいい。
でも、ここはホテルだ。安いホテルでも全く掃除していないということはない。快適なホテルにするためには掃除が必須だ。
動きやすい服装だけでなく、頭にタオルを巻いたり、仲良しの掃除のおばちゃん(実際には居ないイマジナリーおばちゃん)と喋るのも良い。
この辺りはとにかく「なりきって」掃除をやり遂げることが大事だ。
1時間後にお客様が到着する!ぐらいの焦り感もあるといい。
私の場合、ちょうど2時間後に夫が帰宅する予定だったので、掃除と食事の準備も含め時間がギリギリだった。
いつもぐちゃぐちゃに置いている布団を畳み、折り目を外側にすると綺麗に見える。掃除の基本は上から下へ。
風呂や洗面台等の水場はとりあえず見えるところだけ!
初めの方で言ったように、やりすぎずほどほどでOK。もちろん、気になる場合は徹底的に掃除しても良い。
部屋に飾っているインテリアがあるなら、ホテルならどう設置するだろう?と動かしてみてもいいかもしれない。
絵を飾らなくたって、本やCDを棚に立て掛けるだけでも何となくオシャレな感じがする。
それから、取っ散らかったテーブルを片付けてランチョンマットを敷く。
このホテルはウェルカムサービスを実施している。ランチョンマットの上に湯呑み、ティーバッグ、茶菓子をセット。
今回は作らなかったが、清掃カード(「当客室の清掃は○○が担当いたしました。ごゆっくりお過ごしください」みたいなやつ)や、周辺の観光地をまとめたパンフレット、宿泊約款を作っても楽しいかもしれない。ご意見アンケートとか。
こだわって自分好みのホテルを作ろう!(ゲーム紹介っぽい)
さて、掃除が落ち着いたら次は夕食作りだ。
今回のお客様は和食を選択された(ということにする)ので、メニューを決めて作っていく。メニューは買い出し前に決めておくとスムーズだ。
品数は多くなくていい、無理をしないことが大事。お惣菜を使うのも手。そして、作る時は自分をシェフだと思い込み料理するのだ。
可能なら、普段より彩りのあるメニューにすると特別感が出てグッド。
ほら、いつも献立を決めるのもキッチンに立つのも面倒と思っているあなた、何だか今日はちょっと楽しい気が……しませんかね?
4.「おうちホテル」祝オープン!
そんなこんなでオープン準備をしていると、夫が帰還した。
お出迎えに行くと「玄関の靴が並べられてるけどどうしたの?」と聞かれたので、おうちホテルだよ、と説明する。
ウェルカムサービスのお茶とお菓子を食べる夫を横目に、夕食を完成させランチョンマットの上に並べる。
いつもと特に変わらない夕食でも特別に感じて美味しいし、夫も満足気で嬉しかった。(夕食の写真、撮り忘れた……)
食事が終わったら、当ホテルには大浴場がある設定なので、湯船を張っておく。ちょっと熱めで沸かすと温泉っぽい。
そして「入浴剤を入れる」!これはマストだ。普段入浴剤を使わない人も、おうちホテルの時くらいは是非入れて欲しい。(個人的おススメは「きき湯」です)
湯船に浸かりながら、よく冷えた飲み物を飲むのも至福だ。オススメはみかんジュース。好きな人はお酒も良いかも(飲みすぎ注意)
もちろん、入浴後は湯上がりアイスを食べてささやかな幸せを味わう。
さて、掃除もして夕食も作って疲れた……。
寝てしまいたいところだけど、そこをグッと抑えて明日の朝食の準備をしておく。ホテルにおいて朝食の重要さは初めに訴えた通りだ。
起きてから作る予定のメニューを確認したり、焼きたてパンを食べたかったので、ホームベーカリーでパンを焼いておいた。
もちろん、買ってきたパンでもOKだ。
ここまで済ませておけば、ホテル従業員としての仕事はほぼ終わり。
早々に寝てしまってもいいし、余裕があれば本を読んだり、ゲームをしてもいい。
家のものならWi-Fi、ゲーム機、コミック全て使い放題読み放題なのだ。無料ではないけど。更に、仕事してワーケーション気分を味わってもいい。
(この文章はまさに「おうちホテル」実施中に書いているよ)
お腹が空いてきたら、ルームサービスでお茶とクッキーを頼んでみる。準備するのも食べるのも自分だけど。
なんだかずっと食べている気がするが、それも楽しみのひとつだ。
そうやって夜を更かしていると、家にいるのにいつもの日常と違う気がして。
意識を変えるだけで、こんなにも日々は違って見えることに気づくことができる。
「おうちホテル」の良い所は人によって違うと思うけれど、私はこの夜の時間が一番好きです。
慣れた寝床だから、ホテルのように枕が合わないということもないし、心地よい疲労も相まってよく眠れる。
おやすみ、消灯!
5.チェックアウト
そして、おはよう!
朝は遅すぎない時間に起きよう。朝食を準備する必要があるからだ。
寝起きのコーヒーを飲みつつ、朝ごはんを作る。今回私が作った朝食の写真はこちら。
……あれ?普通の朝食?
和食の朝食も作れるよう食材は買い揃えていたし、朝食ビュッフェの設定なので品数多く準備する予定だった。
ただ、前日夜更かしした疲れが残っており、朝から料理するのが面倒になってしまった。
だがしかし!当ホテルの名物と言ってもいい、オムレツだけは外したくなかったし、せっかく焼いたパンも食べたかったので、洋食メニューだけ作ることにした。
中身はツナとチーズの、シェフ(自分)手焼きの特製オムレツだ。
なお、これに加えてプリンもプッチンして食べた。朝から食べる甘いものは格別。
たっぷり朝ごはんを食べたら、いよいよチェックアウトだ。
後片付けをし、身支度を整えたらワクワクな気持ちで外に出かける!
これにて「おうちホテル」終了。
さて、実施してみてどうだろうか。
やったことは、掃除をして、ご飯を作って、食べて、風呂に入って寝ただけ。
こんなのいつもやってると思う人もいるだろうけど、意識を変えるだけで自宅が楽しいエンターテインメントな空間に思えないかな?
「おうちホテル」の楽しさが伝わっていれば幸いです。
なお、夫は「大浴場じゃなくて小浴場だね」「これは有料サービス?」とノリノリで楽しんでくれたので、一緒に参加してくれる人がいるとより面白いかもしれない。
朝食後「延泊で〜」と言いながら夫は二度寝していた。まあ、それもアリだ。私も疲れたので一緒に延泊することにする。
それでは、あなたの「おうちホテル」へ行ってらっしゃいませ。
ひま餅
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