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差別と権力の構造を知る。「自分はどんな権力を持っているのだろうか。自分の無関心や無知が誰かを苦しめ続けていないだろうか。」(13TH)

映画「13TH」を観た。ジョージフロイドさんの死をきっかけにアメリカでデモが激しくなっている。そんな中でわたしは、黒人差別の問題について、ほぼ何も知らないと気が付いて、映画から少しでも問題の理解を深めたいと思った。

タイトルの13THとは、憲法の第13条のことだ。

アメリカ合衆国憲法第13条1節
奴隷制もしくは自発的でない隷属は、アメリカ合衆国内およびその法が及ぶ如何なる場所でも、存在してはならない。ただし犯罪者であって関連する者が正当と認めた場合の罰とするときを除く。

憲法では、奴隷制は禁じられている。ただし、犯罪者を罰するときは除くという例外がついている。この例外が奴隷制が禁止になっても黒人差別や黒人人権侵害につながっていると、この映画を観て初めてわたしは知った。

そして、アメリカで刑務所に入る人の割合は、白人男性は17人に1人、黒人男性は3人に1人。また、アメリカの人口で黒人男性が占める割合は約6.5%なのに、犯罪者の人口で黒人男性が占める割合40.2%。という数字が映画で紹介された。

つまり、黒人は白人よりもはるかに高い確率で「犯罪者」にされて、奴隷制禁止の例外として、痛められ続けているということだった。

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先日、帰国子女の友人に黒人差別についてどう思うか聞いてみた。その時に、差別の構造や力という考え方を初めて知った。白人が黒人を差別するという構造は、白人側の力が強い状態で、白人が無関心、無知でい続ける限りなかなか解消しない。だから、デモやSNS発信などで声を上げ続けるんど、構造を変えるための行動を起こすことが大事だと感じた。

そして、差別や力の偏りは黒人差別の問題に限ったことではない。世の中に溢れるマイノリティに関する社会課題の多くが差別や力に関連していて、マジョリティの無関心や無知が続く限り変わらない。

だからこそ、自分がどんな権力を持っているのか、自分の無関心や無知が誰かを苦しめ続けていないか、自分に問いかけ続けようと思う。


※映画「13TH」全編がYoutubeでも公開されています。