「成功ではなく、優秀さを追求しろ。成功は自ずとついてくる」と言うけれど。(きっと、うまくいく)
映画「きっと、うまくいく」を観ました。
「成功ではなく、優秀さを追求しろ。成功は自ずとついてくる」という言葉が印象的だった。
この映画を観て、このセリフを聴くと、「自分の好きなことは何か、自分の情熱を注げることは何か」という問いが頭に浮かぶのではないだろうか。わたしは、そう思った。ただ、多くの人は、自分が好きなことや情熱が注げることが明確でも具体的でもないのかなと思う。
少し視点を変えて、ここでいう「優秀さ」とは何かについて、もう少し深く考えてみた。
「優秀さ」とは、知識を活かして自分のものとする「思考力」と、その考えを実行に移す「行動力」を磨き上げることだとわたしは思う。
名誉や競争のために知識を身に着けるだけでは何の役にも立たないことが、映画の様々なシーンで面白おかしく描かれていた。反対に、テストや成績のためではなくて、自分の好奇心に従って知識を吸収して、知識を自分のものとすることで人を助けたり、仲間を笑顔にしたりするシーンも沢山あった。
わたしは、日本で、恵まれた環境で教育を受けて、インターネットや本にアクセスしていつでも簡単に沢山の情報にアクセスもできる。知識を得るチャンスはあるし、多くの人が知識は沢山あるのかなと思う。ただ、贅沢に持ち合わせている知識を活かすための「思考力」がなくて、知識を持て余し、どうにか”優秀”となるために、また更に知識を詰め込もうとしていたと気が付いた。
「成功ではなく、優秀さを追求しろ。成功は自ずとついてくる」という言葉を聴くと、初めは、自分が情熱を注げること、自分が好きなことを一生懸命頑張ろうと感じるが、よくよく考えてみると、重要なのは、優秀さを追求するためには、「思考力」と「実行力」を磨く必要があることだと思った。
インド映画から少し離れて、以前、映画「ラヂオの時間」を観たとき、藤村俊二さんが演じる元音響担当の守衛さんがすごく素敵だと感じたのを思い出した。藤村さん演じる守衛さんは、音響について誰も教えてくれなかったし、便利な機械もなかった時代、自分の頭で考えて、手を動かして、試行錯誤しながら、様々な「音」を作っていたと話す。彼のような人が、知識は少なくても、自分で考えて、実行して、経験を積み重ねている「優秀な」音響担当なのだなと思った。
自分の暮らし、仕事の中で、やりたいこと、困難なことがあった時、知識を得て解決しようとするのではなくて、今ある知識をもとに、もっと、自分の頭で考えて、実行しながら調整することができる「優秀な」人になりたい。