うつ病になって失ったもの

うつ病の症状は人それぞれであり、重症、軽症等と一口では言い表せない物ではあるが、私の症状は軽くはないのではないかと思う。

人と会うことが出来ず、日中に外出することも出来ず、身体が震え汗が止まらなくなる。毎日自死を考えOD（薬の過剰摂取）等を繰り返すが、今私のもとにいる息子の事を考え、思いとどまる日々だ。

うつ病が発症する前には、職場の仲間たちとも楽しく仕事を共にし、プライベートでも、家族で色んな所に出かけたり、昔からの友人達とも飲みながら昔話に花を咲かせていたものだ。

うつ病の恐ろしさは、先に挙げた症状と闘う事ではなく、今まで積み上げてきた信用や友情、愛情など、ありとあらゆる物を自身で壊してしまう事である。

今までの私は広い世界の中で楽しく日常生活を送ってきたが、今の私の世界は目の前にある小さな小さな画面だけなのである。

もしこの先私が寛解することがあったとしても、自ら壊してしまったものは元通りにはならない。

しかし、今の私にはその全ての事実を受け入れ、ただ生きていることしか出来ない。