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ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版

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2014年4月4日から6月8日まで、小樽市立小樽文学館で開催された『ボードゲームと文学展』の内容をWeb上で楽しむために作成したマガジンです。 博物館の展示をWeb上で再現する試… もっと読む
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記事一覧

ボードゲームと文学展・開催にあたって

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f  ボードゲームの起源は、紀元前3500年頃のものと推定されるエジプトの遺跡から発掘されています。日本でも7世紀には双六の原型とされるものが遊ばれており、その後、囲碁や将棋、麻雀など多くの人たちに親しまれるゲームが現れました。  テレビゲームの誕生によりボードゲームが注目され実際に遊ばれる場は減少傾向にありましたが、

第1章 : ボードゲームの中にある物語

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f  ボードゲームに限らずゲームはルールと勝利条件を理解さえすれば、それだけで最低限遊ぶことが出来ます。例えば『じゃんけん』はグー・チョキ・パーの選択肢とそれらの三すくみの関係性を理解するだけで遊べます。そういう中にあって、ゲームの中に物語が組み込まれることは特殊なことではありません。これについては様々な理由が考えられま

第2章:物語を生み出すゲーム

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f  第1章ではゲームの中に設定として組み込まれた物語に着目してみました。この章では、逆に物語を作ることが目的となるゲームにスポットライトを当ててみます。  物語を生み出すゲームの特徴は、その作成されるストーリーがゲームごと、プレイヤーごとに異なるということ。その多様さが、物語が作成される過程とは別の面白さに繋がってい

第3章:小樽から紡がれるゲーム

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f  小樽市を舞台にしたゲームを集めてみました。ゲームで遊んでいく中で、なんとなく小樽という街の概要が理解できていく。現実社会への理解を深めるためにゲームというツールを使う。その実践例という視点もあるかと思います。  ともするとゲームは現実逃避の象徴のひとつとして捉えられがちですが、決してそんなことはありません。ゲーム

第4章 ボードゲーム版『走れメロス』

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f  太宰治が執筆した文学作品「走れメロス」。村で羊と共に暮らす牧人メロスは友人セリヌンティウスに会うためシラクス市にやってきます。シラクスの市民は傍若無人な王の仕打ちにより苦しめられていました。王を問い詰めるメロス。しかし王はまったく聞く耳を持ちません。メロスは処刑されることになりますが、処刑を受け入れる代わりに妹の結

その他のピックアップゲーム

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f ○ どうぶつしょうぎ  子どもへの将棋の普及を目的に制作されたゲームです。元になる将棋から盤面の内容と駒の種類・動きを簡略化、駒の内容に動物を充てることで将棋の基本が理解しやすくなっています。第1章展示の「動物モチーフ」に該当するゲームとも言えるでしょう。  女流棋士の北尾まどかさんがルールを考案、同じく藤田麻衣子さ

コラム展示

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f ■ 移動とボードゲームと物語  ボードゲームの特徴のひとつとして「盤面を何かが移動する」ことが挙げられます。自分や相手の駒が盤面を動くことでゲームが展開し、そこで生じる駆け引きや会話がプレイヤー間の中で独自の物語になっていく。そう考えると「移動」と「物語」には関連がありそうな気がします。移動は物語を生む源泉である、と

ゲームプレイ動画

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f  『ボードゲームと文学展』ではゲームは展示ブースの中にあり、ごく一部しか実際に遊ぶことが出来ませんでした。ボードゲームは各ゲームごとに独自のユニークな動き(ギミック)をするものがあり、それが面白さ・楽しさのひとつと言えます。そこで実際にプレイしている映像を展示場で上映していました。  実際の展示では全ての映像を組み合

関連資料集

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f ■ 勇者の剣 『テレビゲームと文学展』(2012年開催)のときも展示した勇者の剣。来場者の皆さんが実際に手に取ることができました。 ■ 14ひきのさむいふゆ・14ひきのひっこし  ボードゲームで遊ぶ場面が描かれた絵本を展示しました。 ■ 関連書籍  第1部で扱った、ボードゲームに組み込まれた各モチーフ(魔法・

キンダーリープ・コラボイベント

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f  『ボードゲームと文学展』にて展示したゲームの大半は、小樽市内にあるおもちゃ屋「Hands on Toy's キンダーリープ」さんからお借りしました。準備のかなり早い段階から、ご協力いただきました。  それだけではなく、会期中に展覧会と連動したイベントをお店で開催していただきました。展示しているゲームから、いくつかを

Web版 あとがき

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f  『ボードゲームと文学展』の企画に携わりました藤井です。この展覧会を開催した小樽文学館とは10年以上の付き合いになります。いつどのようにして文学館と知り合ったのか、そしてどういう経緯でその後いくつかの展覧会のお手伝いをすることになったのかを簡単にまとめた記事がありますので、まずはそちらをご覧になってみてください。