見出し画像

鉄道カラーを参考にファッションを鉄道オタクが語ってみる記事

鉄道車両には様々なカラーリングがありますよね。電車を撮って楽しんでる私にはとても馴染みがある伝統的な塗り分けもあれば、車体の形にすごく似合ってるのに斬新さも感じるオシャレなやつにも多く出会ってきました。

今回はちょっと変な企画をやりたくて、世間の人よりずっと多く電車を観てきた鉄道オタクの私が、車両のカラーリングを参考にファッションを考えてみます。

鉄道車両の塗装は、車体の形やテーマからプロのデザイナーが考えたもので、色合いはもちろんセンス、親しみやすさも抜群です。
人間の目は色の変化や明暗差に敏感で、視覚効果も盛り込まれている鉄道のカラーパターンは、きっと洋服選びにも参考になると思いついたのです。

ファッションは好きだけど電車をよく知らないって方にとっても安心の、参考写真と図解を盛り盛りでしっかり解説させていただきます。ぜひご覧ください。

Top photo:首都圏の線路はいろんな電車が頻繁に行き交う|PIXTA

はじめに:記事作成の背景

わたしは鉄道を写真に撮り始めて、かれこれ20年ほど経ちます。

カメラを持って外へ行く機会が多い身の上、ファッションも人並みには気をつけるようになっていきました。もっとも撮り始めたのがまだ学生の頃で、典型的なオタク学生を謳歌していたあの頃の格好は思い出したくない黒歴史で闇に葬りたいです。

従来車からイメージを刷新した西武新宿線

最近、オシャレな電車がさらに増えたと感じていて、晴れた屋外の下を鮮やかな色で塗られた電車が颯爽と駆け抜けてゆく姿に、飽きるどころか20年前よりも惹き込まれている感覚すらあります。

あの格好良さと親しみやすさ、印象深さがある鉄道カラーは、プロのデザイナーが考え抜いて採用されてるものです。いつしか自らの服や小物を見て「これは◯◯線みたいな色だな。」とか、日常的に連想してしまうくらいに、オシャレな電車は自らのオシャレにも活かせるのではないかと思って、この度やっと記事にできるくらいに言語化できる気がしました。

私は美大卒でもなければ芸術家でもありませんが、一応写真を撮ったりイラスト素材を提供させて頂いてるので、視覚効果とか陰影などについて自分なりには勉強してきました。

今後さらにひらめいた事があれば項目を追加して行く予定の記事なので、ぜひ今のうちにご愛顧下されば嬉しいです。

Photo:西武新宿線が駅を次々に発着する|Imagemart

1:電車の顔に黒い部分が増えたらシャープに見えた

昭和の頃の昔の電車と比べて、新しくなるにつれて顔の黒い部分が多くなってきた印象です。これにより、なんだかシャープな印象を受けるのは私だけではないでしょう。

旧来からのブラックフェイス文化:103系電車(左)と201系電車(右)

実は人の目は無意識に明るい部分に注目が行きます。全体を見た時に明るい色の部分ははっきり見えますが、黒い部分は見えていても印象が薄くなります。

この人間の目の特性をファッションに応用してみましょう。着痩せ効果を得られるかもしれません。例えば、全体が真っ白なシャツに黒のストライプや縦長の模様が入る事で、細く見える効果が期待できます。

明るいTシャツに暗めのベストなど、羽織物を重ねても効果あり。

ここで気をつけたいのが、全部黒なら良いってことではない点でしょう。明暗差によって視覚効果が狙えるので、全身黒ずくめにしてもあまり効果はありません。

また横縞模様、つまりボーダーは着痩せの視覚効果が狙えません。人の体は縦長なので、明暗差も縦方向にする事で、ボディラインの縁がシャープな印象を与えられるのです。

縦縞や襟元の形、身につけるアクセサリーで明暗差を狙えば着痩せ効果をさらに期待できるのも面白いです。

2.暖色と寒色、または同形色の明暗を組み合わせてみる

赤に近い色を暖色、青に近い色を寒色と言います。RGBカラーゾーンの対になる関係です。

また色の明るさもポイントです。例えば同じ緑でも、黄緑と深緑は全然違いますよね。

黄緑+深緑の横浜線。山手線よりもちょっとシャープな印象。

鉄道カラーでは、例えば横浜線では黄緑と深緑の同系色を合わせていたり、京成線は赤と青のカラーリングがお馴染みです。

鉄道車両で考えてみると面白いのが、最近はステンレス製の車体だと地金の部分が多いので、銀色+αとなります。暗い銀色の光沢に鮮やかな明るいラインカラーが引いてある姿が鋭い印象を与えてくれるのです。

これをファッションで応用したいと思えば、シャツとズボンで明暗差をつけたらオシャレな印象を期待できます。人の顔や腕は肌色なので、全身の中に暗い色の部分を取り入れた方が良いです。

例えば、黄緑のシャツに明るい黄色のズボンとか、濃いピンクのシャツに水色のスカートを組み合わせませんよね。漫才師の方とかが奇抜で派手な衣装で印象を強くする目的なら正解です。しかし、日常ではとても目がチカチカします。

明るい緑のシャツに黄土色や焦茶色のズボンだったり、濃いピンクのシャツに藍色のスカートならずっと自然な感じになると思います。

東急大井町線は赤+オレンジの外観が情熱的な感じを受けます。

魅力的な鉄道カラーを参考にファッションを考えるとしても、そのままコーディネートに落とし込めないのが注意するポイント。写真の東急大井町線も銀色基調の鉄道車両だから違和感がなく、洋服の上下でこの色を合わせるなら明暗や濃淡で緩急を付けた方が素敵なコーデになると思います。

Photo1:横須賀線に来た快速逗子行きは横浜線からの直通列車|PIXTA
Photo2:大井町線からの直通列車も走る東急田園都市線|Imagemart

3:自分のコーポレートカラーを決めてそれを中心に服選び

あなたが一番好きな色を選定し、全身の中で必ずその色の物を身につけているのってなんかオシャレな感じですよね。

鉄道車両なら、例えばJR中央線快速は世代が変わってもずっとオレンジ色を使った電車が走っていますし、相鉄線はヨコハマネイビーブルーという深い藍色を新たに採用して、さまざまな車両に波及させてブランディングを進めています。

渋いヨコハマネイビーブルーの相鉄線は都心に乗り入れます。

このように、「あなたと言えば色」をファッションに取り入れて遊んでみるのはどうでしょう。

私はエメラルドグリーンが最も好きな色で、5月生まれは誕生石もエメラルドだったのにちなんで、全身の中にこの色を必ず1つ取り入れています。指輪やピアス、リュックサックなど、その日の洋服に合うように複数の小物を使ってエメラルドグリーンを入れています。

好きな色を身につけると、なんとなく気分が良いです。また、新しく買う服の選び方もだんだん「エメラルドグリーンに合うもの」と考える様になりました。

鉄道車両もその路線のコーポレートカラーがあり、それに合わせて部品の色を変えている例があります。

常磐線(左)と中央・総武線(右)はどちらもJR東日本E231系電車です。

一例をあげれば、JR東日本E231系電車なんかはそうでしょう。黄色の総武線では銀色だった顔の部分は、常磐線では白を採用しています。鉄道車両の例は、安全性や視認性という実用的な考慮も当然あってこそでしょうが、見栄えという観点でも大変似合っていますね。

コーディネートを考える上で必ず取り入れたい色が決まっているのであれば、それを基準に服や小物などを考える方が楽です。常に身につけている指輪やネックレスに似合う服を選ぶようにイメージすると、洋服店で選びやすくなるかもしれません。

綺麗なコーポレートカラーは「あなた」を表現できる外見の一つの個性にもなり、それに似合ったファッションがクールさやスマートさを演出してくれるはずです。

Photo:都心の電車が次々に発着する光景|Imagemart

あとがき:元々錆止め目的の塗装はすっかりブランドになりました

古い鉄道をご覧になったことはありますか?昭和中期より以前は、走る電車、客車のほとんどが茶色だったり、蒸気機関車のような漆黒のボディでした。

渋い電気機関車「EF58-61」はお召し列車の指定機でした。

優等列車の一部にスカ色(横須賀線のやつ)や湘南色(東海道線のやつ)が居ましたが、日本で暮らすならお馴染みであろう鉄道カラーが広く浸透して行くのは、そのもう少し後のことです。

国鉄では中央線快速にオレンジ色の電車が登場し、新たな風を吹かせました。後に京浜東北線や山手線、総武線なども続々と鮮やかな色になります。元々ただの錆止めとして塗られた車体色は次第にその路線の代名詞になり、凝ったパターン柄の電車が出てきたり、鯖に強いステンレス車体が主流の今でも路線のカラーは継承されました。

ところで、電車がオシャレになっても我々愛好家たちのファッションセンスは、世間が思うソレで合っています。自分自身もそうですし、やっと少し洋服選びに興味が出てきた今でも全然着こなせてる自信はありません。

ここまで色々語って「電車オタクがファッション語ってるよw」と思われても良いのです。なんせ電車のカラーリングをコーディネートの考えに取り入れようという独自企画は、鉄道車両がプロのデザイナーによってコーディネートされているのなら、プロのスタイリストがこんな戯言を目にしたら卒倒するような話かもしれません。

ただ、個人レベルで日々着る服を選ぶ程度なら、自分が満足できれば良いですし、色合い的な観点で鉄道車両のカラーリングは参考になると思っています。最近よく耳にする見た目至上主義「ルッキズム」を推進するつもりはありませんが、何かと世間では端っこに追いやられがちな電車オタクだって写真を撮るなら駅や沿線、家の外へ行かなくてはなりません。

オシャレと内面はもちろん関係ない前提で、それでも前から歩いてきた人の視界に入ってしまうなら、自分が恥ずかしくないと思える姿をしていた方が堂々と経ち振る舞えますよね。つまり自分のために着飾るのが動機という意味で、ファッションは『他人のための自己満足』なんです。

今回の記事でファッションにも鉄道にも、どちらにも興味がわいてくださったなら、書いた意味があるってものです。最後まで見ていただいて、ありがとうございました。

Last photo:EF58-61は皇族が乗られるお召し列車にも使われた特別機|PIXTA

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?