キルギス・ビシュケク & オシュ空港撮影情報
基礎情報 / Basic info
キルギスは中央アジアに位置する国で、ロシアとの繋がりもかなり深い国です。A300FやB747-200F、B727F、機齢30年越えのA320、B737-300、MD-80が現役で飛んでいるほか、オシュに行けばイリューシンやアントノフの整備区域や旧ソ連機限定の「墓場」もあります。
先におことわりしますが、当地での飛行機撮影はリスクがかなり高いです。僕自身、外周で撮影しなかったのでこの記事の内容は薄いです。搭乗時に撮った時の写真や、その時に感じた雰囲気だけでも紹介しようと思っています。キルギスでの外周撮影はおすすめできません。また、英語はほとんど通じないのでロシア語かキルギス語、またはカザフ語などの能力がない方はやめておいた方が良いと思います。ここで紹介するホテルも英語は対応していません。こんな記事を出しておいて変だと思いますが、キルギスでの撮影はやめた方がいいと思います。
撮影環境 / Environment
撮影リスク / Risk:高すぎる
撮影環境 / Enviroment:×
トラフィック / Traffic:◎
<必読>撮影リスクについて
キルギスでの撮影リスクはとても高く、隣国カザフスタンのスポッターであっても「あそこにはいかない」「権威主義的すぎて無理だ」と口をそろえていました。どうしても行きたいなら絶対に現地スポッターと一緒に行くべきとのことでした。というわけで、現地スポッターとコンタクトをとってみましたが、現地スポッター曰く外周での撮影が見つかれば運が良くて画像消去かSDカードや撮影器具の没収+事情聴取、運が悪ければ逮捕とのことでした。それも軍人や警察官次第なので、画像消去~逮捕のうちどれになるかは分からないそうです。僕が連絡をとってみた現地スポッターはキルギス人で航空会社関係者ですが、その方ですら身柄を拘束された経験があるとのことです。
また、日本やヨーロッパでは空港外周を警備しているのは民間警備会社の警備員や警察官が多いですが、キルギスでは軍人が櫓(やぐら)に登って警備しています。下の画像でピンが立っているところのすぐ下に白い正方形が見えますが、これが櫓です。ビシュケクの場合、空港の塀に沿って数百メートル~1kmおきに櫓が立っているのが衛星画像から読み取れます。ここから軍人が監視しているというわけです。なので、外周から撮っていると見つかりやすいです。Google Mapsにはいくつか撮影スポットのようなものが登録されていますが、公式ではありませんし見つかればもちろん止められるような場所です。
現地スポッター曰く、ビシュケクは外周から何とか撮影しているものの、オシュは現地スポッターでさえ撮影しないとのことでした。
Jetphotosなどといった海外の航空機写真投稿サイトにはビシュケクの外周から撮ったと思われる写真が投稿されています。この点についても現地スポッターに聞いてみたのですが、これはいずれも空港関係者または空港関係者とつながりがある人だということです。キルギスの場合、法律よりも人脈の方が力を持ちます。そのため、違法であったとしても人脈があればお咎めなしになるのです。
便数は多くないものの、トラフィックは魅力的です。量より質、といったところでしょうか。機齢30年を超える中古のA320を飛ばしているAviaTrafficやAero Nomad、B737-300が現役のAviaTraffic、保有機材は2機のAvro RJ85と1機のMD-80というTezJet、保有機材はCS300が1機だけのAir Manas(2023年9月時点でストア中)といった顔ぶれです。これらの会社はキルギスの会社で、安全基準を満たさないためすべてEU乗り入れ禁止です。他にも、旧ソ連機が空港の端にストアされていたり、政府専用機もTu-154なので運が良ければ見れるかもしれません。ロシアの航空会社も沢山乗り入れており、S7のほかにもモスクワからはAeroflotがA350を飛ばしてきたりしています。
国内線もありますが、一番多いのはビシュケク-オシュの路線です。こちらの路線は実際に乗ってみたので、こちらの記事も参照してみてください。この区間はTezJetのRJ85やMD-80、AeroNomadのA320、AviaTrafficのB737-300やA320が飛んでいます。Air Manasも以前飛んでいたようです。
最も安全に撮れるのは、着陸後や離陸前の機内です。
撮影スポット
1.ターミナル内(ビシュケク)
ここまでキルギスでの撮影リスクについて説明してきましたが、ビシュケクの場合、唯一比較的リスクが低いのが機内と空港敷地内です。ただ、ターミナルビル内であっても望遠レンズは使わず、目立たないようにした方がよいです。ビシュケクの場合、国際線出発は2階、国内線出発は1階でエプロンが見えます。国際線側には行ったことがないので分かりませんが、国内線の待合室はあまり警備員を見かけませんでした。しかし、窓の外ではグランドハンドリングスタッフ(なんとこれも軍人がやっていることが多い)が頻繁に往来しているので気を付けましょう。
僕はオシュからは出発していないので、オシュのターミナルビルからどんな感じで撮れるかは分かりません。ただ、到着時に空港の建物から撮影できる場所はありませんでした。
2.ランプバス内
ランプバスが最大の撮影チャンスです。ランプバスもあまり派手なことをすると他の乗客に絡まれるかもしれないので、匙加減が難しいところです。また、ランプバスの運転士は迷彩服を着た軍人です。ビシュケクにはPBBが2基のみ、オシュにはPBBがないのでバス搭乗が多いですが、機体の横で長々と撮っていると怒られます。RJ85に乗りましたが、この規模の飛行機であっても警官が少なくとも1人、迷彩服を着た軍人が2,3人は機体の横で見張っていました。中央アジアの特徴として、カメラでの撮影はかなり警戒されますがスマホでの撮影は比較的ユルい傾向にあります。そのため、撮影禁止と言われるよりはマシなのでスマホでサクッと必要最低限だけ撮るのが良いでしょう。僕はビシュケクで機体の横から一眼レフで3枚ほど撮ったところで軍人に止められましたが、オシュで着陸後にスマホで機体の横から3枚ほど撮っても何も言われませんでした。
3.旧ソ連機解体場(オシュ)
これはGoogle Mapsで見ると分かりやすいですが、オシュにはIL-76やAn-12などの解体場、いわゆる「墓場」があります。空港から少し離れているので空港からは見えません。キルギス軍の兵士が警備しており、フェンス越しに撮っていると警備している軍人に止められるとのことです。数年前まではフェンスすらなく出入りが自由だったようですが、おそらく鉄屑泥棒が多かったので立ち入りに制限をかけたのでしょう。また、過去の衛星画像と比べても飛行機の数が減っているので、解体が進んでいそうです。
この場所を最も安全に撮影できるのが、近くにあるAcapella Hotelです。僕が行ったときは1泊2500キルギスソムで現金払いのみでした。チェックインした時間から24時間滞在可能なので、一律のチェックイン・チェックアウト時間はありません(15時に着いたら翌日15時がチェックアウト)。予約は電話のみで、対応言語はロシア語とキルギス語のみです。飛行機が見える部屋はありませんが、2階の共用テラスと2階の廊下の突き当たりにある窓(開閉可能)から撮影可能です。ただ、廊下の突き当りの窓からは空港警備の櫓が見えるので気を付けてください。夜間は野良犬の声がずっとしていたので、闇に紛れて外周から撮影…といったことはやめた方がいいです。野良犬に見つかっても警備の軍人に見つかっても大変です。
Номер телефона гостиницы: +996 552 66 66 16 (номер, который написан на Google Maps, не работает)
ホテル内にレストランはないので、オシュ空港の売店で飲み物やパンを買っておきましょう。到着エリアに売店やATMはありませんが、ATMを使いたいと言えば出発エリアに入れてもらえます。また、空港の前にあるモスク周辺にはコンビニのような個人商店が並んでいたので、飲み物はそこで調達できます。ピロシキ程度の軽食も買えるとは思いますが、確認はしていません。
2023年の訪問時に登録記号を確認できた機体は以下の通りです。
<An-2>
・CCCP-68050
・CCCP-62693
<An-12>
・EY-403
・UP-AN214
<IL-76>
・3X-GGP
・UP-I7643
・UP-I7628
・UP-I7611
このほかにも、機体記号が見えなかったIL-76が3,4機と、鉄屑になって残骸だけ残っているIL-76がおそらく1機分いました。
キルギスでの飛行機撮影はとてもリスクが高いですが、機内とランプバス内、ホテルからならなんとか撮影できます。ただし、外周撮影だけはやめた方がよさそうな印象を受けました。皆さんも気を付けてください…。
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