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謎が解けた「豊葦原の瑞穂の国」


「東洋運勢学の王様」と定評のある占術・四柱推命ですが、今では本家本元の中国をしのぐほど進化を遂げています。欧米文化にキャッチアップするために、「脱亜入欧」の旗印を掲げた明治の初めから、日本人の模倣センスと、それを凌駕したオリジナリティを編み出す力で、あっという間に、経済大国の仲間入りを果たすことができました。

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7世紀初頭に中国から伝来した占術も、日本固有の思想と宗教観をスパイスにして、高度なスキルを完成させました。四柱推命にも古神道や仏教観が反映されていますが、神話の世界を描いた「古事記」には、東洋思想の根幹でもある、陰陽五行論があちこちに埋め込まれています。

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わたしは物心ついたころから、古事記に登場する日本の国名、「豊葦原(とよあしはら)の瑞穂(みずほ)の国」の意味が理解できませんでした。国名は葦が生い茂り、稲穂がみずみずしく実っている稲作文化を表していますが、河原に群生する葦と、稲作(瑞穂)との関連が釈然としなかったのです。

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10数年も前のことですが、突然、その謎が解けました。春日神社の宮司だった葉室頼昭さんの著書、「神道(いのち)を伝える」(春秋社刊)に答えを見つけたのです。

ー 葦はイネ科の多年草で、日本各地の水辺に自生していますが、日本最古の鉄はこの葦の根に、パチンコ玉のように密集している褐鉄鉱からつくられたという説があります ー

真偽を確かめるために、古書店で鉄鋼新聞社編の「鉄鋼辞典」を買い求め、褐鉄鉱をひもときました。

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褐鉄鉱(Limonaite)は、テクニカルタームの羅列で理解不能ですが、水分を多量に含んだ非晶質の水酸化鉄であることは判明しました。製鉄方法までは著述されていませんが、水銀のような葦の根の玉を集めて、鍬や鋤などの農機具に加工された、日本最古の鉄ということになります。

鉄は稲作文化と一緒に、弥生時代前期(紀元前2~3世紀)に大陸から渡来したとされていますが、葦の根から鉄器が生まれたとすれば、縄文時代晩期(紀元前3~4世紀)まで、さかのぼることができます。

鉄は国家なり


漢字の鉄は小学校3年生で教わります。魚や獣をとる矢の素材を意味していますが、もとの字は「鐵」と書きます。2010年まで粗鋼生産量日本一(世界で5位)だった、日本製鐵株式会社(現日本製鉄)も社名に使っていました。文字通り「金の王なる哉」の意味を表しています。

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ドイツ帝国の鉄血宰相・ビスマルクは、鉄鋼生産量は国力を表す重要な指標として、「鉄は国家なり」と豪語しました。いまでは「産業のコメ」は半導体に地位を譲っていますが、九星気学では鋼は六白金星の象意です。一切の迷いを吹っ切って、勇猛果敢に前進し、障害物は叩き斬るという勢いをもっています。

六白金星は豪快無比なだけでなく、公平無私な天の人徳も備えています。カオスの世界・社会を、強烈なリーダーシップで牽引する政治家にこそ欲しい資質ですが、残念ながら政界には見かけたことがありません。

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