見出し画像

人は人、自分は自分

この感覚は、いつから芽生えたのだろう。
気が付けば、これが私のモットーになっていた。
きっと子供時代の私は、もう少し人に期待していたと思う。
そして同じように、自分にも、もっと期待していたはず。いつからこうなったんだろう。

始まりは、大学生の頃にしていたスポーツクラブでのアルバイトかもしれない。
何をやっても怒鳴られていた日々。
当時の私は、自分に自信がちっともなかったから、ただただ縮こまってばかり。
直属の上司は、今思えばモンスターだった。
短気で、怒り出すと止まらない。大きな声で喚いて、周りの人や物に当たり散らす。

そこから私は「どうせ自分なんか」という気持ちを持つようになってしまったのだと思う。
バイトだったから、毎日ではなかったけれど、出勤のたびに「どうせ自分なんか」がどんどん積もっていって、10年くらい経った今でも根強く残っている。
きっと自己否定が始まったのは、ここからだろうな。

でも、就職活動をするまで辞めなかったのは、私の変な負けず嫌いから。
「あいつは根性がなかった」と思われるのが悔しくて、嫌で、たまらなかったから。
だから私は抵抗して意地になって、しがみついた。

直属の上司が異常なのは、就職してからも同じで、とにかく自分の機嫌を自分で取ることのできない人だった。
家庭の事情でのイライラを、仕事の場にも持ち出してきて、よく当たられた。
はじめは上司の機嫌を気にしながら仕事をしていたけれど、いつしかそれも馬鹿らしくなってきて、「私に⚪︎⚪︎さんの機嫌は関係ない」と思うようになった。

そこから「人は人、自分は自分」と唱えることで、自分と相手の間に境界線を引くことを覚えた。

「よくそんな割り切れるね」と言われることもあるけれど、自分のメンタルの健康維持のために、ただその考え方が必須だっただけだ。

この記事が参加している募集

仕事のコツ

with 日本経済新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?