寒い日には熱々のワインが欲しくなる。

ヨーロッパでは、冬の寒い日に愛飲されてる飲み物があって、スパイスや甘味を加えた暖かいワインを飲む。ドイツではグリューヴァイン(Glühwein)とか、フランスではヴァン・ショー(vin chaud)などと呼ばれている。寒い日にはこれは本当に身体を暖めてくれる。

フランスのコルマールの街並みを再現している事で知られている「ご注文はうさぎですか? bloom」というアニメで、ヴァン・ショーが出てきてたので、久しぶりに作ってみる事にした。といっても、そんなに難しく考える事はない。赤ワインにシナモン、クローヴ、それに柚子を絞った皮があったので、それも加えて、火にかけて熱々にして、アルコールが弱い人はここである程度アルコールを飛ばして、好みで御砂糖を加えて、熱々で頂く。使うスパイスは人によって違うようだけど、個人的にはシナモンは欠かせないなと思う。

中世ヨーロッパの食文化の研究者であるマドレーヌ・コズマン女史によると、昔の中世の頃から飲まれて居たそうで、ヒポクラテスの袖という別名もあったのだそうだ。どうやらスパイスを濾す布が裾っぽい所から、そういう名前がつけられたという事なのだけど、ヒポクラテスという医者の元祖のような人物の名前が出てきているという辺り、昔は薬としての側面も強かったのであろう。元からスパイスそのものが薬として長い間使われ続けてきたというのがあるからだ。

現代のような有効成分だけを合成して....というのは、ずっと後の時代で、ようやく19世紀に入ってモルヒネという有効成分の抽出という化学の発達と不可分な関係にある。

漢方には医食同源という考え方があるそうだが、そういう思考回路はかつてのヨーロッパにも存在していて、ガレノスによる四体液説の分類など、現代のパラダイムとは異なる医療体系があった。

若い頃に読んだ本で、モーリス・メッセゲという薬草治療家の自伝を読んだことがあるが、昔からある代々伝えられてきた薬草の知識の伝承は、決して軽んじられるべきでも忘却されるべきものではないと思う。

暖かいワインには長い間の歴史と知恵が集約されている。



右や左の旦那様、人生オワコンの中年ニートのキモいオッサンにも、お恵みを.... 愛の手を... と書いてみたけど、こんな糞ニートをサポートする奇特な方などおりますまいが、それでも人生オワコンの引きこもりの糞ニート、出来るだけ面白い記事を書くように頑張ります....