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匂いと記憶のおはなし

いつも決まって23時半頃になると、換気口からタバコの匂いが漂ってくる。共有部喫煙禁止のはずなのに、、、

タバコの匂いの原因は、下の階の住人がベランダでふかしているということ。いわゆるThe・タバコの匂いが苦手(フレーバー系は意外に大丈夫)な私は、管理会社に言おうかなぁ、でも言ったところでなぁ、、タバコの匂いがした、という証拠を取っておくことはできないしなぁ、、と思考を巡らせた結果、なんで匂いって取っておけないんだろう?となった訳である。(タイトルの理由)

匂いと記憶の関係性については多くの人の知るところだと思うが、前にテレビで面白いアイデアを見たことがある。人生の場面場面、この瞬間のことは絶対に覚えておきたい!という瞬間に予め持っておいた特殊な香りをシュッとして吸い込むことで、その記憶を香りと共に定着させ、思い出したい時にまたシュッとすれば、記憶を鮮明に呼び出せるというものだ。香水の類のようだが、一つ一つ香りは異なり、どれも日常生活では嗅ぐことのない特殊な香りになっているとのこと。面白いけれど、ちょっと怖い気もした。その瞬間は絶対に忘れたくない!(例えば好きな人との初キスの瞬間とか)と思っても、後から忘れたいと思った時に忘れられないかもしれない。笑

それともう一つ。私が敏感なだけかもしれないが、毎日街を歩いていて、匂いによって古い記憶を呼び起こされることがよくある。柔軟剤や香水の匂いでもう10年くらい会っていない人のことを思い出したり、ちょっとカビ臭いような独特の香りで昔通っていたバレエ教室の更衣室を思い出したり。匂いにフッと頭を持っていかれる感覚が心をキュッとさせることもある。色んな感情になるけれど、匂いと記憶の結びつきは強大だと思う。
そして、匂いって写真とか録音みたいな簡単な保存手段がないから、人間の体の中でも記憶と強く結びつくようになってるのかな?とか。だから匂いが簡単に保存できるようになったら、その結びつきも弱まっていって、フッと思い出すことも減るのかな、、とか考えてしまった。それは寂しい気もする。
今日は匂いと記憶について書いたけれど、思いっきり吸い込むと安心する匂いとか、幸せな気持ちになれる匂いもたくさんあるよなぁ。

皆さんはどんな匂いが好きですか?

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