装丁好きでも作業環境は結構普通(ほぼスマホ)だけど楽しいよ!という話
お立ち寄りいただきありがとうございます。
趣味はツイッター(X)で定期的に印刷技法や用紙名で検索することです(いっぱい作例出てきて楽しい)
直近ではブックケース入り同人誌の話とか、イベント新刊の話とか、
過去記事をさかのぼれば1冊試し刷りの話や特殊紙への名刺印刷の話などなど嬉々として語りながら装丁沼で踊る今日この頃。
そのたび「絵心なくても可愛い(と自分が思える)同人誌はつくれる!!」的なことをずっと言い続けていたのですが、それでもこれから同人誌をつくってみたい!!と思われる方にとってはハードルの高い話なのかなとふと思い至り。
ただ実際のところ、私の同人誌制作に関しては作業の8割以上がスマホ作業だったりします。
なんだかんだPCがあるといろいろ便利なので必要に応じてPC作業をすることもありますが、全工程をスマホで制作した本もいくつか存在します。
ただこのあたりの「スマホがあれば同人誌作れるよ!」的な話はほぼほぼ諸先輩方からの受け売りになることもあり、私がドヤって紹介することでもないかなという気持ちであまり大きな声では言ってこなかったのですが、
とはいえこれまで自分にとっては当たり前すぎてさらっとしか書いてなかったものの、別に特別なデザインソフトがあったりすることもなく本当に普通だけど楽しく装丁沼で踊れるよ!というのをお伝えしたくて、作業環境について少しご紹介したいと思います。
なお、繰り返しになりますが先輩方からの受け売りとなる内容も非常に多く、その節は本当にお世話になりました。の感謝の気持ちで布教をしていきたい所存です。
参加までに、私は本当にデザイン関係とかは素人で(これからご紹介する環境見ればどう見てもそう)初めて同人誌を作ったのは約2年前です。
それとあくまで本記事はスマホ作業を強く推奨するものではなく、かつ「こうすればできるよ!」ということでもなく、
「こんなんだけど楽しくやってるよ!」的な意味合いでお読みいただければ幸いです。
使用機種
スマートフォン
■iPhone14
今年の夏に機種変更。なんだかんだ新しいiPhoneが超サクサクでつよい。
それまではiPhone12を2年半ほど使用してました。
なお、6年前に購入したiPadproもありますがこちらはほぼ高級電子書籍リーダーで(PDF最終原稿チェックするには便利)
サブ機という名の昔使ってたAndroid端末もありますがこちらもほぼソシャゲ専用なので基本的にはメインのスマホ1台で事は足りているはず。
PC
■WindowsノートPC(Windows10)
2年ほど前に購入。
それまでものすごく起動に時間がかかるHDD端末を長年使っていたのがいよいよ動かなくなり買い換えたら、SSD端末の爆速起動に大感激。
スペック的にはちょい保存容量多めですが基本的にはごく普通。光学ドライブはついていないので、素材集のCDを取り込むときだけ外付けCDドライブ(15年ぐらい前に数千円で買ったやつ)を使用。
同じく15年ぐらい前に買った数千円のUSBマウスを添えて。
本文執筆
NOVEWRITE(スマホ・PC)
本文なんて好きなツールで書けばいいと思うんですけど、とりあえず環境紹介ということでまずは本文用ツールから。
スマホで使える執筆アプリであり、PCブラウザでも使える小説用エディタ。
各種投稿サイト用のルビ変換や、定型文登録、作品ごとのフォルダ管理がとても便利。アプリ版では縦書きプレビューもいい感じ。
アプリあるいはブラウザ単体で使うなら無料で、プレミアム機能(月250円または年2,500円)に課金すればアプリ版とブラウザ版との同期ができるのがものすごく便利で私は年額課金しています。
基本的には直感的に使えるものの、ちょっとFAQがわかりづらいのがデメリットではありますが、困ったときには問い合わせフォームから問い合わせを入れるとかなり早く対応いただけた印象です。
Googleドキュメント(PC推奨)
ある程度書き上がったあとの誤字脱字確認用に、一旦Googleドキュメントに本文をコピペ。明らかにおかしい部分には赤線を引いてくれたりするので、これである程度の誤字脱字が潰せます。
なおWeb投稿作の場合は↑のNOVEWRITEから直接サイトに貼り付けることも多いですが、同人誌や提出用(アンソロ原稿など)の場合はこの過程を挟みます。
なお利用にはGoogleアカウントが必要ですが、もし同人誌つくる予定があるならどうせ奥付に連絡先記載するし、この機会に同人用名義でメアド取得しちゃうのもありありのあり……
Word(PC)
スマホだけで済ませる場合はこの過程も別になくてもいいんですが、適当な縦書き用のテンプレを借りてきて、ある程度本文ができた時点で流し込めば大体のページ配分が確認できるので。(縦書き、Word、文庫、テンプレ とかで検索するといろいろ出てくる)
↑で紹介しているGoogleドキュメントと同じく誤字脱字チェックもしてくれるけど、縦書きだとちょっと感覚狂うのであえて2段階挟むのもあり。
縦式(iOSアプリ)
最終的に本文が完成したら、私の場合はこの「縦式」アプリを使うことが多いです。
PC作業でそのままWordのテンプレを使うのもいいんですけど、Wordの設定を弄り始めると「なんかちがう」ときりがなくて終わらないことが多くて。
こちらの「縦式」アプリの場合は、用紙サイズや段組み、ページ位置や見出しなどを指定すればその通りにばしっとPDF原稿ができるので、個人的にはこちらのほうがストレスが少ないのでそうしてます。
ちなみに私は、より細かくレイアウトを設定できる追加機能(アップグレード 2.0)に課金済みです。買い切りなので、少し使ってみてから必要であれば課金もあり。
個人的に、サイト投稿用のルビをそのまま反映してくれるの、好き!!
Wordのほうが直感的にできるわ!という方は無理して使うこともないですし、Androidユーザーの方は、似たようなアプリもいろいろあるみたいなのでいろいろ比べてみるのもいいと思います。
(本記事は作業環境紹介のためここでは割愛しますが、便利なツールはいろいろあります!)
画像関係
表紙のほか、扉や目次、奥付などの事務ページも画像で作成することが多いです。
余談ですが、ただイメージだけでどうにかしようとしていたド初心者のとき、本当にサツ意を覚えながらWordで一生懸命事務ページを作ろうとしていたのですが「画像でつくってしまえばいい」と教えていただいたときには本当に目から鱗でした。
ということで
アイビスペイント(主にスマホ)
無料で使えるお絵かきアプリ(※イベント前だけプレミアム機能に課金して広告を消すととても快適なのでおすすめです)
私の場合、画像に関する作業の9割はこちらのスマホ版を使用しています。直感的に使えてとても便利。
表紙データの作成もほぼこちらのスマホアプリで。無料で使えるフォントも充実しているので文字入れも可能。
あっ、絵は描けないのでそのあたりは有料を含む素材を活用しまくっています。(「同人誌 素材」で検索!利用規約はしっかり確認!!)
なお同人誌原稿として画像入稿する場合、画像データの作成後PSDあるいはPNG形式に書き出すことになりますが、特殊なデータが必要でない限りはPNG書き出しをしておくのが事故が少なく無難かと思います。
ちなみに↑で「主にスマホ」と書いたのは、PC版もありますが無料だと時間制限があるのと、PC版とアプリ版を両方使おうとしても同期機能が個人的にいまいちだから……
メディバンペイント(スマホ・PC)
こちらも無料で使えるお絵かきソフト。
主にPCで作業をするときに使います。
クラウド保存機能もとても便利なので、スマホと同期して使えば一番便利なのですが、個人的にアイビスペイントのほうが操作感が好みなので、PCで作業が必要なときだけ、スマホ版アイビスでPSD形式で保存した画像データを最終調整するのに使います(データの受け渡しはGoogleドライブなどを使っています)
おまけ Canva
「スマホで同人誌」的なキーワードで出てくる記事等では、圧倒的におすすめされているフリーのデザインツール「Canva」様。
うん、Canvaもね、いいツールだと思うの。おしゃれだし!
でも個人的に(同人誌を作り始める前から)何度か使ったことはあるんですが、どーーーーしても相性が悪くて使うとストレスたまっちゃうwww
逆に言えば「スマホで同人誌つくってみたいけど、Canvaを使いこなせないと無理かなあ……」と心折れた経験のある方がもしいらっしゃれば、安心してください!!私もCanva使えませんwww
それこそ、解像度指定ができるお絵かきあるいはデザインツールならなんでも!!アイビスでもメディバンでも、使いやすいツールを使えばいいと思います!!(開き直り)(とはいっても無料で使うならアイビスかメディバンかCanvaの3択が無難だと思う)(ツールに投資ができるならクリスタもあこがれるよね!!)
ということで。
ここまでいろいろご紹介しましたが、
極論、メモ帳で執筆した原稿を縦式に流し込んでPDF化して、アイビスとかで適当に表紙と事務ページを作ってしまえばスマホだけで同人誌自体はできます!!印刷会社さんによってはスマホ入稿もできちゃうので。
実際に、上述したとおりデザイン関連作業の9割がスマホ作業であることを踏まえると、装丁にこだわりまくったとしても全工程をスマホで済ませることは十分可能です。
ただ環境的にPCが使えるのであればその分大きい画面で諸々の確認ができるので、より間違いを減らせるという意味で最終調整はPCで行うことが多いです。
それから、主にオンラインでDL販売されている画像の素材を使う場合もスマホで十分な場合がほとんどですが、もしCD-ROM付素材集を使いたい場合などはさすがにPCが必要ですね。
その他
これまでも過去記事で紹介してきましたが、特にしょっちゅうお世話になっている推しツールをいくつかご紹介しておきます。
PNGtoPDF(PDFtoPNG)
PNGデータをPDFに、あるいはPDFデータをPNGデータに変換できちゃう無料オンラインツール。
印刷所によっては表紙以外の画像は入稿できない場合もあるので、そんなときはここで簡単に変換できます。
iLovePDF
過去記事でも何度も紹介しているほどとっても便利な、PDFに関するいろんなことができちゃう無料オンラインツール。会員登録を勧められますがしなくても大丈夫です。
結合、分割、ページ番号挿入などいろいろありますが、折本とか不規則なデータをつくるときには「PDFを編成」も便利でおすすめです。
AvePDF
忘れた頃に出番のある、PDFをリサイズできる無料オンラインツール。
基本的にはPDFのサイズを変更したいときは、Windows10の仮想プリンターである「Print to PDF」で好きなサイズに変更できますが、
そこで指定できない(例:A6サイズ)にリサイズしたい場合などにたまーに使う。
ただし、これ1日2回までしか使えないのでご利用は計画的に!!最初は操作もわかりにくくてすぐ2回消化しちゃうかもしれないw
以上、深夜に思い立ってしまいつらつらと書きましたが、
つまりは言いたいことは「特別な環境をそろえなくても同人誌はつくれるし素材も活用すれば絵心なくても装丁あそびまくれるよ!!たのしいよ!!」ということが少しでも伝われば幸いです。
繰り返しになりますが、本記事の趣旨は「こうすればいいよ!」ではなく「このぐらいでも十分楽しめるよ!」ということです。
たのしいよ!!
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