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DIE WITH ZERO について

はじめまして、ひきこもごもと申します。

メディカルソーシャルワーカーを中心としたひきこもり支援に関する任意団体「ひきこもごも」と申します。 支援員視点と、元当事者のメンバーによる、ひきこもりの状態にある方のいまと、気持ちを一緒に考えています。
いままでひきこもりの方、そのご家族、現行の支援とその課題、支援者のあり方を発信してきました。

今回は「DIE WITH ZERO について」という内容をお伝えします。

『DIE WITH ZERO』は、財務プランナーであり作家でもあるビル・パーキンソンによって提唱された、お金を使い切ることを推奨する考え方です。人々が老後や余暇を楽しむ際にお金を使うことを奨励し、貯蓄を残しておくのではなく、人生を最大限に享受することを提唱しています。

投資ブーム、FIREブームのトレンド

近年、iDeCoやNISAの投資を推奨する政府主導のムーブメントが話題になりました。

若者は「諦め」の感情を育んでいる

FIRE思考は徹底した倹約と、資産を投資にまわしていくことで肯定されます。家賃の見直し、保険の解約、スマホの格安化、カーシェアリングなど家計をシェイプアップし、浮いた資金を投資にまわしていくという財政健全化は日本人の国民性と相性がよさそうに見えますが、この原動力はどこから発生しているのでしょうか。

この記事では若者のFIRE思考について掘り下げています。

流行の投資トレンドに逆行するメッセージ

流行りは生活コストのシェイプアップ

「DIE WITH ZERO」の考え方は、人生を通してお金を使うべきだというコンセプトに基づいています。この点で昨今の投資ブームと根本から逆行する考え方です。人々は年をとるにつれて健康や体力が低下し、その結果、老後には望むような活動や経験をすることが難しくなることが多いです。この考え方では、人生の各段階で、特に健康であるうちにお金を使って、思い出を作り、経験を積むことを重視します。
また、遺産を残すことよりも、人生を充実させるために資産を使うことを推奨しています。自分や家族が望む経験を楽しむために、お金を使い切ることが重要だと考えられています。そのため、遺産を残すことよりも、人生の質を高めるために資産を使うことが強調されています。
ただし、この考え方は人それぞれの価値観や状況によって異なるため、必ずしも全ての人に適するわけではありません。また、将来の不測の事態や医療費、家族のサポートなどを考慮することも大切です。経済的なバランスや責任を持ちながら、自分自身や家族の幸福を追求することが重要とされています。
総括すると、「DIE WITH ZERO」は人生を最大限に楽しむために、お金を使い切ることを提唱する考え方であり、人々が豊かな経験や思い出を作るために貯蓄を残すことよりも、資産を活用することを重視します。
人生(時間や気力、感性)は有限だとよく理解するべきだと投げかけています。

山崎元さんの死去

近年の投資ブーム、特にインデックス投資やVTIやVOOのETF投資の牽引は、この人を抜きには語れないでしょう。
自身は闘病をしながら最期までコストのシェイプアップと積み立て投資を推奨されていましたが、65歳での訃報と、食生活などの生活習慣は我々に複雑な問いかけや課題を投げかけました。
生活支出を抑えて、毎月市場に投資を行うことで、老後の2,000万円問題をクリアでき、市場の調子がよければ4%ルールに則ってFIREできると伝えてきた伝道師本人が、いわゆる老後を迎えることなくこの世を去ったことを、我々はどう受け止めるのでしょうか。

死後のアルバム

死後の世界で広げるアルバムがあるとして、そのアルバムに10枚の写真を入れることになる場合、あなたはどんな場面の写真をいれるでしょうか。老後の豊かな食生活や、旅行を入れるでしょうか。いれても1枚くらいではないでしょうか。その1枚をよりよい写真にするよりも、他の9枚が大切なのではないかというDIE WITH ZEROの考え方は今回多くの人に人生を見つめ直す、計画し直す大切な考え方になるのではないでしょうか。

ひきこもりには理由がある

「親がしてはいけないこと」と銘打ち「ひきこもりには理由がある」を合言葉に、いまひきこもっているひとが、いまどういう状態なのかを考えています。ひとは理由なくひきこもりません。根源的な課題解決なしに性急に回復したような状況だけを求められてしまう当事者はたくさんいらっしゃいます。その環境出力だけを達成しても予後がよくない傾向にあります。いまどういう状態なのかをきちんと考える事で、一時的な状態変化に惑わされず、いま必要なものが考えられます。
当事者にとっても、家族などの身近な伴走者にとっても、理解してほしい、一度考えてほしい内容になっています。ご一読くださいませ。

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