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よごと #1 「境界線」

よごと3色小口正方形

「新しいお菓子を考える」とは、どういう事なんでしょうか。

何か新しい素材を入れたり、組み合わせたり、、
変わった形にしたり、普段やらないような事をしたり、、

それって本当に「新しいお菓子」なんでしょうか。
もちろん自分もそういう新作も多く店頭に送り出していますし
そんなお菓子も大好きです。
早い時期から動物の形の上生菓子を作ったり、
カルダモン、クミンなどのスパイスを使った和菓子なども作っています。

自分の「招き猫」などの動物デザインに関して言えば、
邪道と見られる場合もありますが
昔の人も「かわいい!」と思って「うぐいす」などを図案化したと思うので
今の時代の「かわいい!」を形にする事は自然な事だろう…と考えています。

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そして古のお菓子には桂皮末や色々な香りの強い素材を使った物も多いので
現在流通しているスパイスを使っても良いだろう…と。
そんな、捻くれた感性(捻くれた性格)で「新しいお菓子」を考えてきました。

そして、昔からずっと感じていた大きな「違和感」に対しての答えになるような
そんなお菓子を考えよう!という思いから生まれた一品が
標題にある「よごと」です。
どんな物なのか、後ほど紹介させていただきますが、
その「感じていた大きな違和感」とは「和菓子と洋菓子の境界線」についてです。

カステラが和菓子として分類されていますが南蛮菓子が元になっていますし、
定番と思われている饅頭なども大陸の影響を受けて生まれています。
「日本人がアレンジして生み出した物が和菓子だ」という事でしょうか。

自分が子供の頃(昭和49年生まれ)に富山で食べた「モンブラン」は
黄身餡みたいな物(栗の味はしない)がスポンジに絞られて、
煮た栗が一粒、または半分に切った物が乗っている、、、
日本人のアレンジが効きまくった一品でした。
(青年期にアンジェリーナのモンブランを食べて衝撃を受けました 笑)

「日本人がアレンジして生み出した物が和菓子だ」って言うなら
あのお菓子は和菓子じゃないの? (画像はwikipediaより引用)

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そして今や定番になっているフワフワでしっとりして軽い食感のバームクーヘン、
あれも日本人が工夫してアレンジして生み出したお菓子だから和菓子??

日本の和菓子に対して、フランス菓子、イタリア菓子、アメリカ菓子、、
それぞれの国や文化から生まれたお菓子があるのに、
それを引っ括めて「洋菓子」と呼ぶのは、いかにも乱暴なのではないか、、、

そう考えると和菓子と洋菓子の境界線って「日本に伝わったタイミングだけ」で
誰かが強引に便宜上で適当に決めた物なんじゃないでしょうか。

和菓子屋がチーズやクリームを使うと「和洋折衷ですね!?」なんて言われますが
日本にも昔「蘇」や「醍醐」と言われる乳の加工食品もあったと伝わっているので
それらを使っても「和菓子」と呼んでで良いんじゃないでしょうか。
誰かの適当な線引きのせいで和菓子作りが窮屈になるのは我慢できない。
そんな風に強く思います。

なんだか枕の長い落語みたいで申し訳ないですが、
次回は本題の「よごと」について書きたいと思います。
もう一席、お付き合いください。

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和菓子を楽しんでもらうために出来ること。もっと知ってもらいたい。もっと体験してもらいたい。 レシピやお菓子についての話、その背景、色々な職人話など。 「和菓子をもっと面白く」富山・引網香月堂の四代目のノートです。