HIKIAMI-KOGETSUDO

和菓子を楽しんでもらうために出来ること。もっと知ってもらいたい。もっと体験してもらいた…

HIKIAMI-KOGETSUDO

和菓子を楽しんでもらうために出来ること。もっと知ってもらいたい。もっと体験してもらいたい。 レシピやお菓子についての話、その背景、色々な職人話など。 「和菓子をもっと面白く」富山・引網香月堂の四代目のノートです。

最近の記事

心の菓子帖#1

以前にUPしてから随分と日が過ぎて、一度仕切り直して、全国の呉服屋さんにて配られる冊子「るると」の表紙裏スペースに寄稿(菓子の調製、文章、写真撮影)している【心の菓子帖】をご紹介したいと思います。 noteの使い方としては微妙ですが、お付き合いいただければ幸いです。 『2021冬〜新年号』

    • 和菓子の楽しみ(五+一)

      和菓子は「五感で楽しむもの」と言われます。 まずは視覚(一) 図案であり、細工であり、仕上げによる「見た目」 この時点でどこまでやるのか。どこで止めるか。 写しの感覚(写実)か、見立ての感覚(抽象)か。 完全に一つの物に見せるか。お客様の想像する余地を残すか。 ここに職人の個性が出ると思います。 そして指先で感じる 菓子切りをお菓子に入れた際の なんとも言えない「感触」(二) 口元にお菓子を運んだ際の「香り」(三) 舌先から流れていく「味わい」(四) そして「菓

      • よごと #2 「新しいお菓子」

        前回は和菓子と洋菓子の境界線、そして「新しいお菓子」という事について 考えてみました。 (よごと#1「境界線」https://note.com/hikiami_co_jp/n/n90e14ba9cc6a) この、誰が作ったか分からない変な境界線が若い頃から気に入らなくて。笑 いつかそんな事を誰も言わなくなるようになれば良いなと思っています。 さて、普段からお菓子の事をボーッと考えたりしているのですが、ある時に 「もしも自分が古い時代に富山で菓子職人をしていたら…」 という妄

        • よごと #1 「境界線」

          「新しいお菓子を考える」とは、どういう事なんでしょうか。 何か新しい素材を入れたり、組み合わせたり、、 変わった形にしたり、普段やらないような事をしたり、、 それって本当に「新しいお菓子」なんでしょうか。 もちろん自分もそういう新作も多く店頭に送り出していますし そんなお菓子も大好きです。 早い時期から動物の形の上生菓子を作ったり、 カルダモン、クミンなどのスパイスを使った和菓子なども作っています。 自分の「招き猫」などの動物デザインに関して言えば、 邪道と見られる

        心の菓子帖#1

          「和菓子をもっと面白く」

          こんな時こそ「心和む和菓子の力」を… これはコロナ禍が始まった頃から、自分のSNSの投稿などに添えていた言葉です。 色々な制約や負荷の多い時代になり、当店も色々と大変な感じだったりします。 SNSやネットを見れば悲しいニュースや、読んでいて辛い文章ばかり。 自分の気持ちも萎れそうになるのを感じました。 そんな時に思ったのは、お菓子を作る自分が悲しく暗い気持ちでいたら お菓子を受け取る方々も楽しめないのではないか、、 前向きに明るい気持ちで楽しんでお菓子を作ってこそ、お客

          「和菓子をもっと面白く」

          和菓子職人ノート

          はじめまして。 富山県高岡市、伏木港のすぐそばで創業した和菓子屋 「引網香月堂」の四代目、引網康博です。 店名の読み方は「ひきあみこうげつどう」です。 子供の時に病院で「ツナヒキさーん!」と大声で呼び出されてからは ちゃんと名前を呼んでもらえないことに免疫が付きましたが お店の名前はGoogle検索の際などに困るので、覚えていただけると嬉しいです。 たまに書く飲食店などのウェイティングボードには妻の実家の姓を書いています。 当店は昨年で創業100年を迎えまして、和菓子界で

          和菓子職人ノート