和菓子の楽しみ(五+一)

和菓子は「五感で楽しむもの」と言われます。

まずは視覚(一)
図案であり、細工であり、仕上げによる「見た目」
この時点でどこまでやるのか。どこで止めるか。
写しの感覚(写実)か、見立ての感覚(抽象)か。
完全に一つの物に見せるか。お客様の想像する余地を残すか。
ここに職人の個性が出ると思います。

そして指先で感じる
菓子切りをお菓子に入れた際の
なんとも言えない「感触」(二)

口元にお菓子を運んだ際の「香り」(三)

舌先から流れていく「味わい」(四)

そして「菓銘」
菓子の名前を聴く事です。(五)

ここで、先程の視覚の情報と合わさって
一気にイメージが広がる。
桜の形だから菓銘「さくら」ではなくて、
例えばあなたの街の桜の名所の名前が菓銘だったとします。
富山なら「松川」など。

ここからが六個目の感覚で、
召し上がった方の心の中にある
松川で見た美しい景色、忘れられない思い出、
その場面で感じた様々な想いから生まれた「記憶」によって
お菓子の味わいは無限に広がるのだと思います。

上生菓子なら、たった40g程の中に込める
菓子職人の想いや願いが、召し上がる方へ届きますように。

お菓子は召し上がるもの。
召し上がっていただいて初めて、
その方だけのものになり
いつまでも心に残る一品になるのではないでしょうか。

そうなるように精進いたします!


*これは菓銘とお菓子と音楽を楽しんでいただきたく
2020年2月の松屋銀座バレンタインイベントで御用意した
特別調製の上生菓子です。
菓銘を検索していただくと自分がモチーフにした楽曲が判明して
お菓子と音楽を共に味わっていただく…という趣向で
ご提案しました。
六個目の感覚に届きますように♪

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和菓子を楽しんでもらうために出来ること。もっと知ってもらいたい。もっと体験してもらいたい。 レシピやお菓子についての話、その背景、色々な職人話など。 「和菓子をもっと面白く」富山・引網香月堂の四代目のノートです。