旧神谷邸1

葡萄を探せ!〜旧神谷伝兵衛稲毛別荘〜

千葉県千葉市にある旧神谷伝兵衛稲毛別荘は同じ敷地内に市民ギャラリーがある。

そのギャラリーで知人の個展を開くとのことで、これはめでたいと、すぐにおめでとうの返信をし、開催場所の検索をしてみた。

「…え、知らなった。こんな場所があったのね…。神谷伝兵衛…。」

神谷と言ったら、神谷バーの神谷さんしか知らない。と思ったらその神谷さんで合っていた。神谷バーには外観しか見た事がなく、実際にまだ行った事は無い。隅田川の花火大会に行く度に「あああ、行きたかったのに忘れてた。」となるのだ。

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デンキブランももちろん飲んだ事が無い。
何年か前に行った明治村内にはデンキブランが売りのカフェバーがあったけど、私はデンキブランではなくソフトクリームを頼んでいた。なんてこった。

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画像からもモダンな雰囲気漂う外観にワクワクが止まらない。

私は知人の個展の後に旧神谷伝兵衛別荘を見学する事にした。

旧神谷伝兵衛別荘は国道14号沿いにある。
結構車通りも激しい場所だ。
結構な確率で通り過ぎてしまうので注意が必要。
(稲毛駅から徒歩で行く場合は15分ほどかかる。)

駐車場から少し長めの階段を上がると建物が奥に見えてくる。当時としては珍しい鉄筋コンクリート造り。

緑に囲まれた正面の5連アーチ、コンクリートの上に白色磁器質タイルで仕上げの白い外観がとても目を引く。

玄関から入り、さっそく葡萄モチーフ発見。さすがワイン王、神谷伝兵衛。

この隠れ葡萄探しが結構楽しい。

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窓からの光が漆喰塗りの壁に反射し、とてもまぶしい。
そして美しい。
とても神々しい空間だ。

1階の洋室。床はピカピカの寄木張り。

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クリーム色のカーテンに相性…。日差しがとてもやわらかく感じる。

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写真を撮り忘れてしまったが、ベランダのタイルのデザインも素敵なんです。

そして2階へ。

濃いブラウンの手すりに赤い絨毯と、それほど大きくない階段だけどとても重厚感があり優雅な気分になる。

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私はこの階段を3往復した。十分にこの階段を堪能出来たと思う。

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2階は純和風な空間が広がっている。

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1階とのギャップが良い。
2階は当時遠浅の海が見え、避暑地だったというから驚き。
この丸窓から海を眺めていたのかなあ。

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帰り、1階テラスで当時の風景を想像する。



耳を澄ませても波の音がする訳でもなく、車がブオーーーっと、通る音しかしないけれど…私はこの洋館にいる事に酔いたいのだ。酔わせてちょうだいよ。

神谷バーに行く前にちょっとだけデンキブランに詳しくなった気がする。


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忘れないうちに行ってみようっと。
シャトーカミヤもいつか行きたい。
(この2年後に行く事ができた)

※現在耐震補強工事に伴い期間休館中(令和2年3月1日より再開館)

■旧神谷伝兵衛稲毛別荘   ■千葉県千葉市稲毛区
■竣工 大正7年 1918年  ■設計 不明
■鉄筋コンクリート2階建
 ■国登録有形文化財

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