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OTE制度(インセンティブ制度)を1.5年運用してみた話

🐳この記事は「ログラスサマーアドベントカレンダー2023」の33
日目の記事です。
次回はマーケティング部の刈谷さんの予定です!

皆さんこんにちは、ログラスでコーポレート・HR・PRを担当している滝田です。
最近OTE制度(主にSales職を対象としたインセンティブ制度)の導入を検討しているので話を聞かせてもらえませんか?というお声がけを複数回いただきました。
確かにOTEの設計側・運用側の情報ってあまり出ていないので、1.5年という短い期間ではありますがOTE制度を運用してきての気付き・学びを今回書きたいと思います。
大前提、ログラス社としてもOTE制度は日々アップデート(試行錯誤)している最中ですが、色々転びながらやってきたので皆様のお役に立てれば幸いです。

先にこの記事でお伝えしたいことを書いておくと、

・OTE制度は報酬制度の一つにすぎないので、それを支えるカルチャー醸成がめちゃくちゃ大事
・経営陣を巻き込んで設計と運用する体制が必要
です。
(申し訳ないですが制度の中身に関する具体的な数値やルールは非開示とさせていただいております)

下記の方々に読んでいただき、もし興味を持っていただけたらご連絡いただけると幸いです。情報交換させていただき勉強させて欲しいです!

・現在人事制度の設計や運用をされている方
・スタートアップでチャレンジングなコーポレートアクションをされている方

簡単な自己紹介
HR Tech企業にてIPO準備の一環として人事労務や経営管理業務全般を経験後、2022年2月に株式会社ログラス入社。コーポレート部長として管理部門・HR部門・PR部門を管掌。



制度設計時の大きな論点

OTE制度がログラスのカルチャーや作りたい組織にふさわしいか?

OTE制度を検討した背景は、外資系IT企業に負けない魅力的な報酬制度を用意し、素晴らしいSales職の方々に仲間になっていただきたいという思いです。
ログラスのお客様はエンタープライズ企業が多く、商材も経営管理SaaSであるためSalesの難易度は高いと考えています。
いかにSales職の方に興味を持ってもらうか、気持ちよく働いてもらうかはとても重要ですので、スタートアップとしてはチャレンジングではありますがOTE制度を導入する意思決定をしました。
意思決定の過程においては他職種の等級制度・報酬制度とのバランスが崩れる懸念がないか?OTE制度を入れることで個々人の数字に目が行き、ログラスのカルチャー(※)が壊れるのはないか?という議論を行いました。

ログラスはコミットメント型組織となっております。詳細は下記の記事をご参照ください。

実は個人的にはOTE制度を後ろ向きに捉えていました(人事としてカルチャーへの影響を懸念していました)が、代表と何度も議論をする中で将来を見据えて導入すべきだよねという共通見解を持ちました。

納得感のある設計ができるか?

OTE制度を導入することが決まったあとは詳細設計をしてSalesチームと合意しインストールしていきます。
そこで論点となったのはインセンティブの妥当性です。
Payout RatioとRamp Timeの設定については一部セールスメンバーの肌感覚を拾いつつ、代表とファイナンスモデルを見ながら議論・定義していきました。

ざっくりとした定義
Payout Ratio:営業成績に対して何%をインセンティブとしてお渡しするか
Ramp Time:新入社員のオンボーディングが完了するまでの期間

Salesの難易度やオンボーディングの支援体制も考慮しつつ、最も納得度の高い水準はどこかを探っていきました。
なお、上記については事業の状況(リード数の推移や受注率等)を見ながらチューニングしています。

運用してみて出てきた論点

部署異動やMgrへのロール変更が想像以上に発生した

ロール・業務内容が変わった方に対しては、個別で制度のチューニングをしています。スタートアップにおいては目まぐるしく環境や戦略が変わるので、大手外資系企業のように1年間の目標を設定するのが困難です。当面はしっかりと個々人に向き合いながら対応していこうと考えています。(都度、ご本人、COO、僕の3名で議論しながらチューニングしています。)

既存の目標管理制度との連動が難しい

2023年9月時点においてログラスでは四半期単位でのOKR制度を運用しています。各Salesメンバーも四半期で売上目標を設定しています。一方、OTE制度は報酬にダイレクトに響きますので、 より慎重に設計・合意をしており、現在は1年単位で運用しています。COOとSalesチームのMgrがバランスを上手く取ってくれていますが、かなりマネジメント力が求められると考えています。(感謝!)

運用してみてポジティブサプライズであったこと

みんなで売れるようになろうという文化が顕現した

冒頭記載したとおり、個人的にはチームがギスギスしたり、個人商店化したりするのではないか?と懸念していました。
完全に杞憂でした。
売れないと苦しいのをみんなが分かっているからこそ、トップパフォーマーが積極的にノウハウをチームに還元したり、オンボーディング中の社員に対して商談同席で支援したりといった動きが自発的に生まれました。
Salesチームからは定期的に「みんなで売れるようになろう」という声が聞こえてきます。
これはログラスにFeed Forward、LTV Firstというバリューがあるからこその素晴らしい文化だと思っています。
( バリューについてご興味持っていただけた方は下記ページの資料をご参照ください)

Salesチーム内での助け合い文化については下記に詳しくまとまっておりますので合わせてご参照ください。

Salesチームの皆さんとの信頼関係が強くなった(気がする)

正直OTE制度の運用はめちゃくちゃオペレーションコストがかかっていますし、喧々諤々の議論が起きることもあります。
もっとこうして欲しいという意見をもらうこともあり、それに対して制度運用側としてはできないというコメントをすることもあります。
労務観点、ファイナンスモデル観点、オペレーション観点と複数の観点からコメントしているので、正直心地よくないことも沢山お伝えしていると思います。
上記を進めるなかでSalesチームとの信頼関係は強くなってきていると感じています。(僕の一方的な思いかもしれませんが・・・)
議論を重ねる中でSalesチームの皆さんから「滝田さんが色々考えてくれているならそれに従います」という言葉をもらうことがあったりします。
そんな言葉をもらうからこそ、Salesチームから上がってきたリーガルや経理に関する相談に可能な限り早く対応したり、商談同席も積極的に協力したい思いが強くなりました。
SalesとCorporateは相反する方向に向きがちなので、こうした関係性を作れる機会は貴重でした。

制度をキープするために重要だと考えていること

経営陣がオーナーシップを持つこと

前述の異動やロール変更以外にも、日々新しい商材や商流が生まれたりするスタートアップでOTE制度を運用するためには、経営陣がオーナーシップを持つことが必要不可欠と考えています。
事業の状況に合わせて常にOTE制度のチューニングが求められるからです。
ログラスでは全社的な人事制度(等級制度・評価制度・報酬制度)は人事が主管し、人材戦略会議という会議体で議論・意思決定しています。
一方で、OTE制度については代表・COO・僕の3名でオーナーシップを持っています。
代表と僕でインセンティブ給としてどのくらい支払えるのかモデルを叩き、その後COOを含めて議論し、COOと僕でSalesチームへのコミュニケーションプランを考えています。
臨機応変な対応が求められ、かつ事業のトップラインに影響を与えるSalesチームの働きがいを左右する重要なテーマなので、経営陣がコミットすることは重要です。

カルチャーを醸成・強固にしていくこと

ポジティブサプライズとしても記載しましたが、土台となるカルチャーが無いとOTE制度は機能しない、むしろマイナスになると感じています。仲間になっていただく方にミッション・バリュー共感していただけるように、僕たち自身が常にミッションに向き合いバリュー体現しなければなりません。

Opsエクセレンスを目指すこと

上記2点に比べると優先度は落ちますが、Opsコストは一定かかるので、そこの安定運用と改善は必須です。2023年9月時点においてはSalesforce上の受注データ、freee会計上の請求データ等をExcelで収集・分析しながらインセンティブ給の算出をしていますが、このあたりのデータマネジメントやオペレーションは改善したいなと思っています。

最後に

今回は制度運用側のちょっとニッチなテーマで書かせていただきましたが少しでも参考になる部分があれば幸いです。
もし「もっとうまい制度設計や運用方法あるよ」という方いればぜひお声がけください。勉強させて欲しいです!
そして現在ログラスが募集している求人を載せておきますので、もしも興味ある方いらっしゃればこちらもよろしくお願いします。

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