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急拡大する組織が崩壊しないために。0から組織コンセプトを設計し、全社に浸透するための仕組みを作った軌跡

こんにちは。ログラスで1人目人事をしているりかさんです。

私が入社した時のログラスは20名前後でしたが、3年後に400-500名組織という計画をもとに今組織が急拡大をしています。

そんなログラスが今年5月(今年度)に初めて「組織コンセプト」を設計しました。
組織が急拡大する中で、

  • コミット型組織としてミッションやカルチャーが浸透している状態

  • 全員が「良い景気を作ろう。」のミッションに向けて進んでいる状態

を実現するためにも必要だと考えたのが背景です。

今回はその組織コンセプトの設定背景やリリースしてからの浸透施策での気づきなどを記載していこうと思います。

1人目人事の方、組織開発系のお仕事をされている方や今後チャレンジされたいと思っている方のお役に立てたら嬉しいです。


組織コンセプトを設定したということは組織に課題があったのだろうか?

ありがたいことに当社のカルチャー浸透は、比較的高い会社だとメインVCであるALL STAR SAAS FUNDのe-NPS調査(従業員エンゲージメント)からもフィードバックをいただいております。
参考:https://www.loglass.co.jp/3rd-anniversary

人事としては恵まれた環境でして今時点は退職も少なく組織の軋轢や課題なども顕在化されていない組織ではありますが、
3年後に400−500名という組織計画であるため、今後100名の壁や200名の壁と言われる組織拡大に伴う課題に早いスピードでぶつかる可能性が高いことは自明でした。

組織コンセプトって必要?ビジョンやバリューと何が違うの?

ログラスはミッションとバリューが制定されています。
また、コミット型組織を目指しているため、ログラスの社員はミッションへの理解や共感度が高い組織です。

参照:スタートアップの組織設計図の5類型と、その失敗率(https://coralcap.co/2020/03/organizational-blueprints/)

しかしながら、バリューは社員一人一人がアクションする時の基準や判断するための軸として定められているのに対し、
今後"組織"として判断する軸が昨年度までのログラスにはない状況でした。

そのため、制度や福利厚生の見直しや新制度の導入にあたっての判断が経営レイヤーでも僅かにズレることが0ではなく、その際は議論やすり合わせが必要でした。

今後近い未来100-200名組織に到達することが見えている中、会社として"組織"の共通の判断軸を制定したほうが良いのではないか?
そんな課題感から、まずはミッションやビジョンの見直しから着手をしました。

シリーズB以降のCHROの方々にお時間をいただき、この組織としての共通判断軸を持つべき課題や今のミッション・バリューについて相談をさせていただいた結果、ログラスが行うべきは「組織コンセプトの設計」であるということがわかりました。

(もしミッションやバリューの浸透に課題のある企業の場合はその内容の見直しから着手をした方が良いのですが、ログラスは上記が浸透している中での課題であったため、新たに組織コンセプトを設計することが対策であることがわかりました)

0からの組織コンセプトの決め方

私自身組織コンセプトを設計することは初めてでしたので、文献や他社CHROの方々へのご相談などまずはインプットに努めました。

最初はフレームワークやフェーズに合わせた組織コンセプトや雛形があるかと思ったのですが、調べていくうちに分かったのは組織コンセプトの答えは「経営陣の中にある」というものでした。

企業のフェーズや業界、市場規模や組織の類型によって組織コンセプトが変わってくるため、結局のところその企業や組織が何を重視されたいかを決めるのがベストであるという学びを得ました。

また、経営陣の中でも元から明確に「組織コンセプトがこれだ!」というものはないので、経営陣のコアにある思いを一緒に言語化していくことが必要であることもわかりました。

「組織コンセプトの作り方」3分クッキング

①経営陣の中の組織として譲れないもの・コアを言語化する

実際にまずログラスが取り組んだのは経営陣の思いを言語化する・お互い認識するというものでした。

日頃会社や組織について話し合っている経営陣でも、自身が目指す組織や理想の姿などのエモい部分は意外と普段の会話や議論で出ないことが多いため、あえてエモい要素を語っていただく場を設定しました。

※これからトライされる方は、あえてこのテーマだけで合宿などを設定することもオススメします。
非現実的な環境で議論をする方が、日頃の固定概念にとらわれずに議論できるというメリットがあります。

実際に取り組んだ理想の組織の言語化合宿の資料がこちら

大切なのは、初回は「発散してもらう」ことです。
初回から組織コンセプトを決めるために一つの答えに着地させようとすると、一番の目的である「経営陣の中の組織として譲れないもの・コアを言語化」ではなく、「まとまりやすいテーマを決める」ことになりやすいので要注意です。

②発散した内容をもとに経営陣が発信している「共通項」を見つける

①で経営陣に発散していただいた内容の議事録を振り返り、人事の中で共通項を見つけていきます。
そこだけでも組織コンセプトの方向性やコアとなる要素が見えてきます。

また、目指す姿にギャップがある場合も0ではありません。その場合もあえて経営陣に議題として提案し追加のディスカッションしていく必要があります。

(方向性がずれている場合、触れづらいと思う人事の方もいるかもしれませんが、実はその議論から今まで気づかなかった共通項が生まれたりもします。ハレーションを生ませるのではなく、お互い深く理解するという目的でぜひ議題に出してみてください。)

③ ②の内容も議論した上で、最終的なコンセプト案を作成・提案する

①②と議論を重ねると、経営陣がコアにしたい組織イメージやコンセプトが見えてきます。
その要素をもとにキャッチーなフレーズや単語を命名します。

ちなみにキャッチーなフレーズと一言に言っても重要な要素がたくさん詰まっています。

  • パッと聞いて社員全員が正しく組織コンセプトを理解・想起できる

  • 日常会話に織り交ぜられる短さ・わかりやすさ

  • 普段から「言いたい」と思われるキャッチーさ・身近さ

    (これが一番難しかったです。語呂がいいけれどニュアンスが変わってしまうなどネーミングの苦しみに日々葛藤しました。
    あとは純粋に「ダサい」と思われないネーミングの難しさたるや)

今回決定したログラスの組織コンセプトとは?

今回決定した組織コンセプト

Commitment & Challengeに決定しました。
ログラスが目指すコミット型組織の強化とT2D3という高い事業目標の達成のためというのが背景です。

社内で展開したコンセプトの定義と具体的な事例の抜粋

また、バリューと組織コンセプトの違いや組織コンセプトがないとどうなるのかなどについてもあわせて説明しました。

社内に展開した、組織コンセプトの目的やMVVとの関係性について説明した資料

作るだけで終わらない組織コンセプト

組織コンセプトが決まり、経営陣からもGoが出るともう大きな仕事を終えた気持ちになりますが、組織コンセプトが決まった時がスタートラインです。

ここから社員の皆さんに日常で使ってもらえる・目指す姿が正しく理解される環境を目指し組織コンセプトの浸透に勤しみます。

実際にログラスでは

  1. 認知:5月の新年度Kickoff会で代表から全社に発信してもらう

  2. 理解:毎週の全体朝会で組織コンセプトの事例を経営陣から発信する

  3. 浸透:6月末の全社合宿で組織コンセプトをテーマにしたコンテンツを設計する

という大きなスケジュールと、そのほか会社のイベントや福利厚生に組織コンセプトを織り込む設計を進めています。

新年度キックオフで代表布川とコーポレート部長の滝田が発表している様子

最後に

組織コンセプトという概念を決めること自体とても大変でしたが、組織コンセプトが決まってからの浸透の方が意外と大変でした。

ここはまだまだ発展途上であり日々の努力を続けることが大事なので、地道な推進を今日も取り組んでおります。

ただ、組織コンセプトが決まってからは制度設計や福利厚生、そのほか組織としての判断がスパッと決まることが増え経営陣の中でもより一枚岩となる判断基準が増えた実感がありました。

ログラスのバリューにLTV firstという言葉がありますが、
まさに中長期的にもこの環境にいたいと思われる組織を実現すべく、今日も人事は頑張ります。

そんな組織人事、現在採用募集しております。
1から組織を作ってみたい方、ぜひご応募お待ちしてます!


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