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トランスジェンダーで就活した時の話(準備編 その1)

前回お話した通り、今回は就活について書きます

って、いきなり本題には入りません。何故って、「ガクチカ( : 学生時代力を入れたこと)という言葉が示す通り、就活以前に何をしてきたか、どう準備してきたのか ということが大事ですから。原因、その人が今までやってきたことがあるから、結果、その人のレベルに沿った就職に繋がるので 、私の場合は こんなでした、と就活前にやってきたことを書こうかと思いましたョ。私は面接時に大学時代の話をしたので、就活に関係があることを主軸に大学時代の話を書きます

結論から言うと 法人向けの営業職で一部上場のメーカー1社と一部・二部上場の商社2社、計3社から内定を貰い、メーカーへ入社しました

どんな人が読むのかなーと考えながら書いているのですが、ま、就活を終えた人のことは置いておいて。。。これから大学生活をどうすごそうか考えている人、大学生活後半戦で そろそろ就活しねーとなぁ、、と重い腰をあげようか悩んでいる人は 多少参考になるかなと思います

私は、これっぽっちも勉強はしてませんからね、、、ゼミに入らなかったし、卒論も書かなかった。。。こんな取り組み方もあるよという感じで読んでね

営業職を選んだ理由

前にどこかのnote(「私について その1」参照)で書きましたが、私は17歳の頃 ややあって「就職したら営業マンやろう!」と思ったんですよね。漠然と

特に根拠はないですけど、営業マンをやっているトランスジェンダーって少ないでしょ!と思ったのが1つ。見た目も大事な職種だから トランスジェンダーには薔薇の道な感じがしてワクワクするな〜!(?)と思ったのが また1つ。あとは営業マンやったら、人目に触れるから ちょこっとでもトランスジェンダーを身直に感じる人が増えるかなーと思ったのが さらに1つ…

就活の面接で上のようなことを言うと煙たがれるので「言葉と熱意で人を動かす営業の力を知りたいし、そういう人になりたいと思った。技術職として売っているモノ自体を探求するより、営業職としてどうしたら人の心が動き、それを買うのか、そうして事業が成立するか知りたい。早く出世して経営を回す人になりたいから」とか言ってましたかね。表向きこんな感じで言っていましたが これも本心です

上記が主な理由。営業マンになるという人生の途中のミニ目標達成のため、当時高校生の私は大学生になったら何しようかワクワクして考えていました。大学に行くのは「大卒」称号が欲しかっただけ。学生生活は営業マンとして就職するための準備期間と捉えていました。理屈っぽい自分の性格を考えて、適当に法学部を選択して入学しました

採用される人ってどんな人?バイト面接の門戸を叩く

正直、文系大学の学生なら誰でも容易くなれてしまいそうな営業職。ただ、企業が そう簡単にトランスジェンダーを営業職で採用するとは 私は思えなかったので、どんな人であれば採用するだろうかと考えました

営業マンと 変わらない働き方を、既にできている人であれば安心して採用するよね

と思ったので どんなバイトをやろうか考えました。スーツを着て仕事をしたかったので、スーツを着るバイトで、対面して、モノを売る。。。

スーツショップで働くか!

と単純に考えて、大学の最寄である渋谷駅から歩いてすぐの よく名前の知れた3ケタの数字の名前のショッピングモールのスーツショップに面接を受けに行きました

スーツショップの面接で突きつけられた厳しい現実

就活のとき 求められる人、バイトで求められる人って、結局一緒な訳です。バイトも初心者の私です(大学入学前に引越スタッフを1ヵ月やっていましたが)

スーツのショップ店員のような、接客も、頭脳労働も当時やったことがありません。それだけでなく1番の問題点は、私の身体に合うスーツや靴が無かったこと。これがスーツショップのバイトの面接で落ちる最大の理由となりました。店員は自社のスーツ着て、コーディネートを購入者に提案することも立派な業務です。ブカブカのスーツ、パカパカの靴を履いている私には力不足でした

面接を行って頂いた女性店員には「働く上で私の他の店員とも仲良くやっていかないいけないしねー…」とコミュニケーションについても指摘されました。トランスジェンダーをオープンにして仲間と何かに取り組むこと、私にはまだやったことのないことでした

ダメなことだらけ。。。営業マンへの道は思ったより遠いな。。私はお祈り電話をもらった後、どうしようかと途方に暮れていました

まずはスーツから

スーツを着て仕事をしたい!と思いながら突きつけられた厳しい現実。既成品では どの既成品スーツメーカーのサイズ表を見ても、メンズは身長160cm以上、革靴は23.5cm(実際24.5cm必要)。私の身長は156cm、後に知りますが革靴のサイズ感は22.5cmでしたので、到底合うサイズはありません。自分の願望を現実にしていくのは、ちょいと工夫が必要なようだと気づいた私は、スーツのサイズを もとより無視できないものかと考えました

そもそもオーダーしちゃえばよくね?

閃いてみた私。オーダーにも色々な種類があり、形から何でも指定できるフルオーダーがあれば、予め大体サイズ感が決まっているゲージ服の微調整(補正)を行なっていくパターンオーダーもあり、2万円ちょっと と殆ど既成品と変わらない価格を提示する店もありました。私はスーツ1着4万円、シャツ2枚(1枚7,000円)、靴はパカパカでも金無いしとりあえず良いだろと 予算を決めて、引越スタッフ1ヵ月で稼いだ6万円を握りしめて2店のオーダースーツ店へ行きました

まともな接客すらしてもらえない私

私が大学へ入学した2016年、この年は「LGBTブーム」という言葉がよくニュースで取り上げられ、LGBTを世間の人が知るようになった年でもありました。今やLGBTフレンドリーのスーツショップ(謎)もあり、トランスジェンダーの人がオーダースーツを頼んで成人式に写真を撮るなんてことは一般的になってきましたが、私の頃は トランスジェンダー?という感じでLGBTという言葉も浸透する手前でしたので、オーダーしているトランスジェンダーをネット等で見かけもしないし、ドキドキ。同様に店側もドキドキ、というかドン引きしていて 正直ちゃんと接客してもらえず、私にとって苦い経験となりました

といっても今考えればしょうがないか、と。当時私は両親からの理解もビミョーでお金もなかったのでメンズの服もまともに持っておらず、ダサダサの中性的な格好でイケイケのお兄さん達がいるオーダースーツ店に行きました

私「シャツを2枚オーダーしたいです。」

店員「誰のですか?あなたの?はは。」

という状態。途中から 恥ずかしい帰りたいわ。。。思いながら嫌々注文して、スーツは別の店でオーダーすることにしました。2店行ったのはこのためです

2店目は 結構な老舗で、全店員の方が丁寧に接客してくださいました。後に収入が増え、スーツの型の好みも変わり、他のオーダースーツ店へ行くようになりますが、当時の素晴らしい接客、話を聞いて下さったことで どれだけ心が救われたか。5年経った今も忘れることはありません

シャツとスーツが納品されるまでの1ヵ月、私は 次にどのバイトをしようか模索し、住んでいた実家から徒歩6分のところにある個別塾の講師募集の広告を見つけます

長々書いたので 準備編その2へ続きます

お世話になった2店目のオーダースーツ店https://www.tailor-fukuoka.com


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