AV女優とお酒とお金(後編)

わたしは、
AV女優にはなったものの、
自分の価値観は変えたくありませんでした。

お金は欲しかったですが、
お金持ちになるのが怖かったのかもしれません。

ただ、
AV女優として歩んでいる以上、
上を目指していきたかった。

そのため、
企画単体女優になりました。

企画単体女優になって、
色んなメーカーに行き撮影しました。
色んな撮影をし、毎日新鮮でした。

それと同時に仕事があるだけギャラも増え、
口座を見るのが楽しくなっていました。
看護師で働いてた時の
年収の2倍を1ヶ月で稼ぐこともありました。
最高月25〜28日撮影入ってる月もあり
朝から晩まで撮影し
身体は正直ヘトヘトでした。
ただ、
なぜそこまで頑張れたかというと、
お金ももちろんありましたが、お酒でした。

撮影を朝からやり、
AV友達から連絡がきて
撮影終わりそのまま合流して
朝まで呑んで家帰って少し寝て、
また撮影の繰り返し。

色んな人と呑みました。
モデル、俳優、大手企業の社長、ハリウッドスター、スポーツ選手、芸人…
すごく毎日楽しかったです！！

今まで行ったことなかった
ホストにも通っていた時期もありました。
正直お金も相当使いました…
でも今はいい経験をしたなと思っています。

人は人気者になると、
お金を持つと変わってしまうといいますが
その通りだと思います。
そして天狗にもなります。
性格も少しねじ曲がってしまうような気もします。
ムカつく人や嫌いな人がいると、
私より稼いでないでしょ？私より有名？
なんて思ったこともありました。

今思えばお前何様だよ！！
と自分を叱ってやりたくなります。

ただ、
当時の私は性格がねじれても
朝まで飲んでも
天狗になっていたとしても
マネージャーさんや社長から怒られる事はありませんでした。
なぜなら仕事はしっかり行っていたから。
遅刻もしない、
メーカーの要望通り撮影できる、
笑顔を絶やさない。
なので仕事が途絶えることはありませんでした。
本当ラッキーな人生でした。

あ、ひとつ怒られたことがありました。
それは体型でした。
撮影後から
朝まで毎日ビール、シャンパンを呑んで
食べたい時に食べ睡眠もあまりとっておらず
不規則な生活をしていれば、
太りますよね。

もともとぽっちゃりなのに
もうお腹なんてたぽたぽ。
でも人間は毎日同じことをしていると
慣れるもので、
そんなだらしない身体になっても
撮影が始まるとすぐローブ脱げるし、
裸で現場歩き回れる。
恥ずかしさなどもうありませんでした。

マネージャーさんに言われ
少し呑む日を減らそう、
呑む量を減らそうと思いましたが、
無理でした。

だって今日は呑まないぞ！
撮影終わったら直帰するぞ！！！
と思っていても
次から次へと誘いの連絡がくるんです。
今日はお酒の量を減らそうと思っていても、
それまた無理ですよね。

だってコールが始まって
楽しくなっちゃったらセーブなんて効きません。
あるだけのお酒を呑んじゃいます。

わたしは、
自分のことが、お金とお酒に支配されて、
コントロールできなくなっていました。

あの頃は支配されていることにも
気づいていませんでしたが、
今思うと本当にダメ人間だったと思います。

ただ、
あの頃の自分がいたからこそ、
今の自分がいると思います。

あれだけの経験をしたからこそ、
いろんなものさしをもてている自分がいます。

あの頃の自分はわたしの誇りです。

Hikaru

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